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クローマ/ミュージック・オン・ザ・エッジ

2007年11月30日 23時57分05秒 | JAZZ-Fusion
 1991年に出た豪華メンバーによるフュージョン・セッション的ライブ盤。新生CTIの復活を記念したアルバムのひとつだったように記憶しているが、この作品に限っては大阪でのライブということからも伺える通り、日本で企画独自された作品らしい(同じ頃、映像もレーザーディスクでも出ていた)。メンツはジム・ベアートがキーボードと音楽監督に当たり、ドラムがデニス・チェンバース、ベースがマーク・イーガンというリズム・セクションで、これにマイク・スターン、ジョン・ヘリントン(ギター)、ホブ・バーグ(サックス)、ランディ・ブレッカー(トランペット)、ミノ・シヌル(パーカス)その他がソリストとしてのっかるという格好である。

 ステージはコープランドの「庶民のファンファーレ」を真ん中に置き、各種サンプリングなどでデコレイトしたSE風なオープニングで始まる。このちょいと長目な前奏はちょっと現音系というかアンビエントっぽいな雰囲気があり、けっこう気をもたせる前奏になっていて、およそCTIというイメージではないのだが、その分、次に出てくる「レッスンズ」のリズムがヤケに格好良く聴こえる寸法である。もっとも「レッスンズ」の方もCTIっぽい感じではなく、典型的な90年代型NYフュージョンといった風情のだが....。この後に続く作品も、このステージに参加したメンバーがそれぞれ持ち寄ったものがずらりと並んでいて、ほぼ典型的なNYの頂上セッション的な様相を呈している。途中「アランフェス協奏曲」が唐突に出てくるのは、このステージがCTI復活を記念したことを刻印するために選ばれたのだろう、まぁ、お約束といったところか。

 収録された曲では、やはりベアードの「レッスンズ」がいい。ベアードのシンコペしまくったキーボードのリフをテーマにふたりのギタリストのけっこうフリーなソロをフィーチャーしているが、そのスピード感溢れるリフがなんともカッコ良いのだ。マイク・スターン作の「アップサイド・ダウンサイド」もファンキーなリズムと細切れっぽいリフが、独特の都会的なセンスを醸し出していて、80年代の頃のスターン全盛期の片鱗を伺わせる仕上がりだ。という訳でこのアルバム、1曲目とラストはなかなか良いのだが、他の曲はどことなくメンツが気乗り薄というか、8分くらいの力で軽く流しているというか、ちと燃焼不足気味なのが食い足りない。ちなみに、「アランフェス協奏曲」はジム・ホールに敬意を表してか、テーマはギターで演奏され、続いてマイルスを彷彿とさせるブレッカーのトランペットが登場するという、盛りだくさんな趣向であるが、2分くらいで終わったしまう。
コメント
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