Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

PAUL McCARTNEY / Back In The U.S.Live2002

2007年11月12日 21時44分01秒 | Beatles
 ポール60歳の時のライブである。時期的には「ドライヴィング・レイン」発売に前後してパフォーマンスということで、私は「ドライヴィング・レイン」収録曲のライブ・ヴァージョンを聴きくて購入してみた。したがって、私が選んだのはヒット・ナンバーをより多く差し替える形で再発された「Back In The World」ではなく、当初発売された「Back In The US」ヴァージョンの方だ。だってライブで「フリーダム」聴きたかったもんね。バンド・メンバーは80年代のメンツで継続しているのは、キーボードのポール・ウィックス・ウィッケンスのみ、「ドライヴィング・レイン」でのバンド・メンバーから、ラスティー・アンダーソン(ギター)とエイブ・ラボリエル・ジュニア(ドラム)が、横滑りして参加している他、もうひとりブライアン・レイというギタリストが加わって、5人編成での演奏となっている。

 「ドライヴィング・レイン」からの曲は、「ロンリー・ロード」「ドライヴィング・レイン」「ユア・ラヴィング・フレイム」「フリーダム 」の5曲とけっこうやっている。前回のライブ盤である「ポール・イズ・ライブ」でも、直近のスタジオ作「オフ・ザ・グラウンド」から曲をけっこうやっていたが、単なる懐メロ大会ではなく、こういうところは現役として意地を見せているというところだろう。さて、その「ドライヴィング・レイン」からの曲だが、総体的に軽快でノリがよくなっている。スタジオ版での演奏は、ポールとしては異色ともいえるくらい、重厚かつダークな印象があったけれど、ここではビートルズやウィングスの作品もとりあげるステージの一部分ということが影響しているのかいつものポールらしさに大分にじり寄っているような印象だ。楽しみにしていた「フリーダム」はずいぶんあっさりしていて、スタジオ版の方がよぼどスタジアム・コンサート風なムードが出ていたのは、やはりこの曲の並ぶのがビートルズやウィングスのスタンダートという格の違いが出てしまったのだろうか。

 あと、数多く収録されたグレートテスト・ヒッツ的な曲については、さすがにボールの声に張りや勢いといった点に、衰えを感じないではいられない。なにしろ60歳なのだから、これだけ元気いっぱいやっているだけでも、ある意味驚異ではあるのだが、それにしたって頭(耳?)にこびりついたオリジナル演奏と、ついつい比べてしまうのは、仕方ないところだろう。リスナーというのは残酷である。ちなみに新バンドの演奏だが、オリジナル演奏の再現という意味では、あまり拘りがなくなってきたのか、全体に勢いにまかせてノリで演奏しているようなところがあって、ウィングスみたいにポールを支えるには役不足を感じるほどでもないが、ちと雑な感がないでもない。その意味で80年代のバンドは凄かったと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする