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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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PAUL McCARTNEY/Chaos And Creation In The -

2007年11月09日 23時43分48秒 | Beatles
 こちらは2005年の作品、今年出た「メモリー・モスト・フル」の前の作品だから、ほとんど最近のアルバムといってもいいだろう。前々作、前作はバンド編成による音楽作りで、ポールにしてはかなりロック寄りというか、ハードな作品が続いた訳だけれど、本作では「フレミング・パイ」のポールのひとり多重録音による仮想バンド・スタイルに戻っている。しかも、「フレミング・パイ」にあったような大物ゲスト等の顔見せがある訳でもなく、生オケなどを除けば、完全にポールのホームメイド作品といってもいい仕上がりになっている。ただ、このアルバムを制作するに当たってボールはあくまでもバンド編成による録音を考えていたらしいのだが、プロデューサーの進言によってこのスタイルになったのだという。「フレミング・パイ」ではジェフ・リンというマルチ・ミュージシャンがサポートしていたがも今回のプロデューサーもそういうスタンスだったのだろうか?。どういう意図だったのか、興味あるところである。

 さて、内容だが、案の定「フレミング・パイ」に非常に近い感触がある。意図的なポップさ、リスナーの希望を慮ったような手練手管を全く感じさせない、「60代を向かえた素のポール」を感じさせる仕上がりである。したがって、全体の印象としては非常に地味であり、その地味さ、枯れ具合はある意味「フレミング・パイ」以上といってもいい。正直いって、ポールも歳をとったなぁとつくづく思う。前作、前々作がかなり「いきりたったポール」だっただけに、この枯れきったといいたいような風情にはちとがっくりとこないでもない。また、収録曲もどれも鼻歌みたいな軽いリラックスしたものが多く、弾き語りをしたミディアム・テンポの作品に最低限のバックをつけたみたいな、あっさりと仕上がりのものも多いのだが、さすがポールというべきか、長い付き合いだからそうなるのも当然なのか(笑)、二度三度と聴いていくと、なんともいえない味わいが出てくるから不思議だ。とりあえず、今の段階では、アルバム後半に収められた「Certain Softness」「Riding to Vanity Fair 」 「This Never Happened Before」といったちと奇妙なムードをもったバラード系作品が気に入った。ともあれ、これまた聴きまくることなりそうだ。
コメント
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