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シェーンベルク 弦楽四重奏曲第2番/ラサール弦楽四重奏団

2007年11月11日 21時38分16秒 | マーラー+新ウィーン
 新ウィーン弦楽四重奏団の演奏をレビュウしたのが、真夏の8月だったからずいぶんと間があいてしまったが、忘れていた訳ではなくて、ウォークマンにはしっかりと入っていた折りをみては聴いていたのだが、やはりシェーンベルクの無調期の作品ともなると、そうやすやすとBGMを聴くような訳にはいかず、このラサールの演奏についても、どうもまとまった印象がもてないでいたのだが、一応気がついたところだけでも書いておこうと思う。なにしろ、いろいろな音楽を聴いているせいで、すこし余所の音楽に目を向けると、今までのは置いきぼりとなるのは、私が音楽を聴いている上で、ありがちなことだし、そもそもシェーンベルクやバルトークの弦楽四重奏曲というのは、いつもそうして道半ばにして挫折してしまうのである(笑)。

 さて、ラサールの演奏だが、第1楽章のブラームスの風なところは、けっこうスリムであっさりと流しているという感じ。このあたり新ウィーン弦楽四重奏団はかなりこってり歌っていたような気がするのだが、さすがにラサールはこの曲の近未来的なところに着目しているせいか、そのあたりはロマン派風という記号ですませているというところだと思う。一方、室内交響曲風な第2楽章はラサールの面目躍如という感じで、錯綜する楽想をよく交通整理して、シャープでスピード感あふれるに表現になっている、トリオとの対比も明確だ。ソプラノが入る後半の2つ楽章は、新ウィーンのニューロティックで退廃的な雰囲気と比べるとマーガレット・プライスのソプラノに透明感があるせいか、かなりクリアで直線的な雰囲気がある。世紀末的な雰囲気という点ではややあっさりしている感じがないでもない。ただ、長い最終楽章では、ソプラノが出てくるまでの、意味ありげな、科学とオカルトが入り混じったような、新ウィーン楽派特有の雰囲気をドラマチックに表現していて中々の仕上がりである。
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