1999年にお馴染みヴィーナスで制作されたエディ・ヒギンス・トリオによるジョビン集である。ヴィーナスでエディ・ヒギンスとくると、例のセンスが良いんだか、単にオヤジクサイんだか、よくわからない女の肢体をフィーチャーしたジャゲが思い浮かぶけれど、こちらは題材が題材なだけに、いつもとは違ったファッショナブルなイラストがあしらわれている(ひょっとすると若い女性層をターゲットしたのかもしれない)。メンツはベースはジェイ・レオンハート、ドラムがテリー・クラークという布陣で、タイトル通り、ジョビンの作品ばかり取り上げているが、「イパネマの娘」とか「ワン・ノート・サンバ」とかいう超有名曲はほとんど出てこないで、比較的地味というか、渋い曲ばかりが選ばれているのは、なかなか通好みなセンスを感じさせる。
アルバムはさすがに1曲目から渋く迫るのは「ジョビン集」というタイトルでアルバムを購入してくる、非ジャス系リスナーに慮ったのか、比較的有名な「ファベラ」からスタート(あと有名なのといったら「フェリシダージ」くらいか)。マーチ風なドラムのイントロに続いて、ヒギンスがオスカー・ピーターソン張りに豪快にドライブするピアノを披露する、なにしろヴィーナス特有の音圧上げまくりの音質なのもあいまって、購入して一聴した時は、「なにこれ、全然ボサノバじゃないじゃん」と一瞬コケそうになったものだが、ヴィーナスってのはなんでも1曲目にぶちかますのが好きなレーベルなので、これもその線でアルバム冒頭ということになったんだろうし、パフォーマンスそのもの悪くはないのだけれど、少なくともアルバムを象徴するような曲とはいえないだろう。
そんな訳で、このアルバムの真骨頂はやはり渋い曲が続く2曲以降からだ。やや沈み込んだようなムードがロマンティックな「アイ・ワズ・ジャスト・ワン・モア・フォー・ユー」「愛の語らい」「ボニータ」といった曲は夜聴いているて、得も言われぬ心地よさがあるし、軽いサンバのリズムにのって、ヒギンスらしい明るい上品さが満喫できる「ファイツ・ネヴァー・モア」「トゥカイツ」といった曲も楽しめる。前述したようにこのアルバム、1曲目がけっこうストロングな出来なもので、割と敬遠してきたところがあったのだが、久しぶりに聴いてみたら、「なんだ、1曲目が終わってしまえば、あとはけっこういいじゃん」という感じで再認識した。この数日、毎日楽しんでいるところである。
アルバムはさすがに1曲目から渋く迫るのは「ジョビン集」というタイトルでアルバムを購入してくる、非ジャス系リスナーに慮ったのか、比較的有名な「ファベラ」からスタート(あと有名なのといったら「フェリシダージ」くらいか)。マーチ風なドラムのイントロに続いて、ヒギンスがオスカー・ピーターソン張りに豪快にドライブするピアノを披露する、なにしろヴィーナス特有の音圧上げまくりの音質なのもあいまって、購入して一聴した時は、「なにこれ、全然ボサノバじゃないじゃん」と一瞬コケそうになったものだが、ヴィーナスってのはなんでも1曲目にぶちかますのが好きなレーベルなので、これもその線でアルバム冒頭ということになったんだろうし、パフォーマンスそのもの悪くはないのだけれど、少なくともアルバムを象徴するような曲とはいえないだろう。
そんな訳で、このアルバムの真骨頂はやはり渋い曲が続く2曲以降からだ。やや沈み込んだようなムードがロマンティックな「アイ・ワズ・ジャスト・ワン・モア・フォー・ユー」「愛の語らい」「ボニータ」といった曲は夜聴いているて、得も言われぬ心地よさがあるし、軽いサンバのリズムにのって、ヒギンスらしい明るい上品さが満喫できる「ファイツ・ネヴァー・モア」「トゥカイツ」といった曲も楽しめる。前述したようにこのアルバム、1曲目がけっこうストロングな出来なもので、割と敬遠してきたところがあったのだが、久しぶりに聴いてみたら、「なんだ、1曲目が終わってしまえば、あとはけっこういいじゃん」という感じで再認識した。この数日、毎日楽しんでいるところである。