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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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WES MONTGOMERY / Willow Weep for Me

2007年08月08日 16時54分59秒 | JAZZ
 ウェス・モンゴメリーの死後、ヴァーブから発売された作品。いろいろな意味で注目されたらしい作品だが、そのポイントといえば、まずなんといっても「ハーフ・ノート」のライブ・パフォーマンスの残りが聴けるということ、それにそれらのパフォーマンスにクラウス・オガーマン指揮のビッグ・バンドやストリングスがオーバー・タブされていること、更にライブ・パフォーマンスそのものがあれこれ編集されていたことあたりだったと思う。後の2つは当然、ネガティブな意味で、注目を浴びたらしいの。いわく、この充実したパフォーマンスにオーバー・タブしたオケなどかぶせる必要はない、この希代のパフォーマンスを編集するとは何事か!といったところだったのだろう。

 ところが私の場合、このアルバムで注目していたのは、やはりというか、へそ曲がり根性炸裂というべきか、このライブの醍醐味が横溢したパフォーマンスについては、既にオーバーダブをカットしたりして、リリースされた「アット・ハーフ・ノート vol.2」を私が既に聴いていてしまっていたということもあるが、その興味はやはりオガーマンがどんなオーケストレーションを施したのか?という点だった。オガーマンとモンゴメリーの共演は「テキーラ」というスタジオ録音のアルバムがあるにはあるけれど、やはりオガーマン・マニアの私としては、オガーマンがライブ・パフォーマンスにオーバーダブという形でどんなオケを付けたのかが、気になっていたのである。

 で、実際聴いてみたところなのだが、意外と悪くない....というか、少なくとも酷評されるようなものではないだろうという印象だった。アップ・テンポの曲ではそもそも何もダビングしておらず、とりあえずバラード系の曲でうっすらとトリートメント程度にオケをかぶせているという感じなのだが、元の音楽を邪魔しない程度で抑制しているのは、オガーマンらしいスタティックなセンスの良さを感じさせるし、文字通り元の音楽を遮ることなく、多少イージー・リスニング的な色彩を加味している点は、余計な音どころか、なかなかどうして趣味の良い心地よさすら感じさせるのだ。ちなみにモンゴメリー+ウィントン・ケリー・トリオのパフォーマンスだが、当然のことならが、ほとんど文句の付けようのないグルーブ感とライブ的なテンションが合わさった、非常に素晴らしいものである。 
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