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ハイドン 交響曲第24番「フルート」/フィッシャー&AHハイドンPO

2007年08月25日 12時22分49秒 | ハイドン
 精力的で壮麗な第23番に比べると、こちらは全体に室内楽的でバロック風な流麗さがある作品となっているような気がします。23番のところでも書きましたけど、この時期のハイドンはどう考えても音楽的に一皮むけたような向上が感じられますが、この作品も21,22,23番あたりとほぼ同時期な作品と考えて良いらしく、すーすー流れるBGM的な雰囲気を持ちつつも、緊密な構成と淀みない緊張感の持続が心地よく感じられます。また、この曲で特徴的なのはフルートを大幅にフィーチャーした第2楽章で、静謐さが漂う落ち着いた雰囲気とフルート独特の清涼感が合わさって、さながらフルート協奏曲の緩徐楽章ような音楽になっています。毎回つけているニックネームですが、これはもうこの楽章の印象深さからして当然「フルート」しかないといったところでしょうか。

 他の3楽章も概ね良い出来で、第1楽章では管楽器の牧歌的なオープニングに始まり、アレグロというには少々ゆったりとしたテンポで進んでいきます。弦のトレモロのような動きにのって徐々に短調に転ずるあたりはハイドンらしい老獪さが感じれてこの曲のひとつとなっていると思います。第3楽章のメヌエットはこれまた第1楽章と共通するような管楽器の鄙びた音色がドイツの田園風景を思い起こさせます。トリオもほぼメヌエットと似たような雰囲気で進んでいきますので、楽章全体はとてもなだらかな印象です。最終楽章ですが、開幕はおずおずもじもじしながら始まり、やがてアレグロの主部になりますが、冒頭のおとなしめの部分は途中でも出てきますから、良くも悪しくもこの楽章のアクセントになっている感じです。ちょいと寄り道して流れがとまっているようにも感じられるし、ちょっと絡め手で遊んでみた....みたいにそこにハイドンの茶目っ気を感じるかは、人それぞれという感じでしょう。私はどちらかという前者ですかね。
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