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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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ブラームス セレナード第1,2番/マティーズ&ケーン

2007年08月24日 23時12分26秒 | ブラームス
何度も書いている通り、私は大のブラームス党である。彼が作った音楽はそれほど親しみやすいものばかりでもないので、折に触れて少しづつ慣れ親しんでいる感じなのだが、ここ数年は中々新しい作品を開拓できずいたところ、昨年はピアノ協奏曲第1番とセレナード2曲という収穫があった。前者は昨年の前半、後者は同じく後半によく聴いたものだが、こうして新たなレパートリーが増えるのは楽しいことではある(この歳になると、もうあんまり増えていかないが、ちと寂しいんだけど....)。セレナードはブラームスの管弦楽作品としては、いわば習作期の作品だけれど、その田園的な情緒のようなものと、ある種の幸福感のようなものが、その後のブラームスにはない、ある種のみずみずしさを感じさせるのが良かったし、ちと弛緩気味ではあるが、イージーリスニング的な軽さのようなものも親しみやすかったのだと思う。

 このアルバムはこのセレナードを四手のピアノで演奏したもので、ナクソス得意の落ち穂拾い的なマイナーな選曲なのだが、一聴してこれがなんともいい。そもそもブラームスの音楽はどれもピアノによって発想された音楽が多いせいか、管弦楽作品でもピアノに置き換えて違和感のないものが多いよう気がするが、この作品も作曲者自身の編曲だけあって、一聴するとなんだかこちらがオリジナルのように感じてしまう程にセレナードが描いた田園的で牧歌的、懐かしいといいたような世界を四手のピアノで表現している。ブラームスのピアノ曲といえば、個人的には「ヘンデル・ヴァリエーション」に留めをさすという感じだけれど、このセレナードはかの曲の牧歌的でところに極めて近く、聴いていると深いリラクゼーションというか、やすらぎのようなものを感じさせてくれるのだ、そこがいい、第1番の第4楽章のメランコリックに展開していく部分など筆舌に尽くしがたい美しさがある。こういう曲を聴いていると、なんだか、もう秋ももうすぐそこという気がしてくる.....いや、外はまだ灼熱なのだが(笑)。
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