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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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Antonio Carlos Jobim and Friends

2007年08月26日 16時32分19秒 | Jobim+Bossa
1993年、当時ヴァーブ移籍しだばかりのハンコックを中心にブラジルで行ったジョビン・トリビュート・コンサートのライブである。もちろん御大ジョビンも参加しているのだが、どちらかというヴァーブ・オール・スターによるライブみたいな雰囲気も強い。ベーシックなメンバーは、ハンコックのピアノ、ロン・カーターのベース、ハービイ・メイソンのドラム、アレックス・アクーニャのパーカス、オスカー・カストロ・ネヴィウスのアコギで、これにジョビン、シャーリー・ホーン、ジョー・ヘンダーソン、ジョン・ヘンドリックス、ゴンザロ・ルバルカ、バガル・コスタといった有名どころがのっかるという感じである。どう考えてもハンコック主導のコンサートといった雰囲気が強いが、プロデュースがカストロ・ネヴィウスだったりするところをみると、彼が仕切っていたのかもしれない。

 ともあれ演奏は、まずハンコックのソロによるメドレーに始まり、次にピアノ・トリオ+パーカスと徐々に編成を厚くしていくという、この種のコンサートでは定番のスタイルで始まる、本格的にスタートするのはシャーリー・ホーンによる「Boy from Ipanema」あたりからだろうか、彼女は2曲ほど歌っているのが、メンツからしてもあまりボサノバらしさはないものの、ジャズ的としかいいようがない貫禄と渋さで一気にコンサートの雰囲気を重厚なものしている。続いてはジョー・ヘンダーソンとゴンザロ・ルバルカバをフィーチャーした「O Grande Amor」もこのメンツだから極めてジャズ的な演奏だが(9分に及ぶ演奏でたっぷりとソロをフィーチャー)、ここではカストロ・ネヴィウスのアコギがひとりでボサノバ的な世界と表現していて、曲といいスタイルといい、ちょっと「ゲッツ/ジルベルト」的な世界になっている。

 引き続いて登場するのはジョー・ヘンドリックス、お馴染みのスキャット・ボーカルをフィーチャーして軽快にスウィングする「No More Blues」、ベーシック・メンバーにルバルカバを加えた、かなり熱いピアノ・バトルをフィーチャーした「Agua de Beber」の後は、ガル・コスタが登場して「Felicidade」「Se Todos Fossem Iguais a Voc」が一気にブラジル的、ボサノバ的な雰囲気が強くなっていたところで、御大ジョビンが登場という趣向だ。
 ジョビンを向かえて演奏されるのは4曲。スタイルは様々だが、どちらかといえばデュエットのガル・コスタの方が目立つような感じ。ラストでこれまでメンツが総出演して「イパネマの娘」、途中ハンコックが「Take The A Train」を繰り出すのは楽しい趣向で大きく盛り上がって終了。という訳で、なかなか楽しいコンサート・ライブなのだが、こういうコンサートであれば、映像で観たかったところだな。
コメント (1)
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