Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

フランシス・レイのすべて

2007年07月19日 22時24分05秒 | サウンドトラック
 先月取り上げたフランシス・レイのベスト盤が海賊盤まがいの代物だったので、もっときちんとしたアルバムを....ということで購入してきた2枚組のベスト盤。一応、フランシス・レイ名義だし、オリジナル演奏でないものはそうクレジットされているから、てっきりサントラをメインにしたアルバムかと思ったら、ここ10年くらいにフランシス・レイ自身が制作したとおぼしき再録音もかなり含まれてるので、ちょっと拍子抜けしてしまった。「男と女」「さらば夏の日」は女声ボーカルとレイ自身のボーカルをフィーチャーしたものだし、「雨の訪問者」も女声ボーカルが聴こえてくる。また、「パリのめぐり逢い」ではデジタル・シンセと打ち込みのリズムが大きくフィーチャーされているといった具合だ(ちなみに仕上がりは悪くない)。もちろん、サントラを使用している曲も沢山あるのだが、これに加えて日本のスタジオ・オケで録音されたものも入っているため、名曲は一応網羅されてはいるものの、中途半端なチャンポン感はぬぐえない。

 とはいえ、ジュヌビエーブ・ビジョルドとジェームス・カーンが主演した舞台を西部に移した「続・男と女(`77)」や、本当の「続・男と女」である「男と女II(`86)」の音楽が聴けたのは収穫だった。前者は映画自体は大したことなかったが、当時僕はジュヌビエーブ・ビジョルドが大好きだったので、けっこう印象の残っている映画だったし、後者はまだ観ていないのだが、あの名作に後にどういう音楽をつけているのか、かねてから興味があったからだ。もっと実際聴いてみるとどちらも音楽的にはそれほどでもないが....。
 ちなみにフランシス・レイという作曲家は、70年代後半から音楽的にはフランスの伝統音楽へ先祖返りしているような傾向が強く、60年代のモダンで垢抜けた閃きにみちた音楽に比べると、音楽的な霊感がかなり後退しているのではないかと常々感じていたのだが、今回のような全活動を包含したベスト盤だと、かえってそれが明らかになっているようで、「やっぱりな」とちょっとがっかりしているところでもある。まぁ、こういう渋いフランシス・レイというのも、ひとつの趣がもしれないけれど....。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする