そういえば、この手の「サマー・ミュージック」として定番であるにもかかわらず、去年はおろかけっこう網羅的にチョイスした一昨年も何故だこの人はとりあげていませんでした。ワルター・ワンダレーはボサノバ・ブームに涌くアメリカに、ジョビン、ゲッツ、ジルベルトに続くボサノバのスターとしてクリード・テイラーが仕掛けたブラジルのオルガニストです。ジョビンはもともと作曲家、ゲッツはサックス、ジルベルトはボーカルですから、それとは違うスタイルということで、おそらくオルガンをもってきたんでしょうが(ひょっとすると「ボサノバのジミー・スミス」みたいな発想だったのもかもしれませんが)、やはりこういうところでオルガンを持って来るクリード・テイラーのセンスは冴えていたという他はありません。
ともあれ、ワルター・ワンダレーといってもなんだか分からない人でも、1曲目の「サマー・サンバ」を聴けば、だれでも「あぁ、あの曲か」と思うくらいこの曲の知名度は高いじゃないですかね。海の向こうは分かりませんが、単に日本での知名度という点だけなら、この曲「イパネマの娘」、「マシュケナダ」と並ぶボサノバのピック3という気もします。このアルバムはその大ヒット曲をトップにほぼ全編に渡ってワンダレー独特のシンコペがリズミカルに躍動するオルガンがフィーチャーされています。私のようなロック・ファン上がりの人間だと「オルガン=ハモンド・オルガン」というイメージがありますが、ワンダレーのオルガンは、レズリー・スピーカーを通さない、ツルっとした音色に特徴があり、これが前述のリズミカルさと相まって独特の清涼感を感じさせるサウンドになっていると思います。ついでに書くと、バックにブラス隊をつけている曲が多いですが、ワンダレーはボサノバというより、どちらかというとサンバ系の人なので、賑やかさはワンダレーの音楽にぴったりとマッチしているのもこのアルバムの特徴かもしれません。
あと、個人的に好きな曲はワンダレーのピアノをフィーチャーした「レイン」でしょうか。ワンダレーは元々ピアニストですから、こういう曲もたまにやる訳ですが、ヨーロッパ映画を思わせる洗練されたロマンティックさはなかなかですし(この亜流みたいな音楽を時たま坂本龍一がやったりしますね)、途中、トロンボーンがフィーチャーされるあたりヴァーブ一連のBGM路線にもしっかりクロスしていることを感じさせ、ワンダレーの職人のセンスの良さを感じさせるところでもあります。
ともあれ、ワルター・ワンダレーといってもなんだか分からない人でも、1曲目の「サマー・サンバ」を聴けば、だれでも「あぁ、あの曲か」と思うくらいこの曲の知名度は高いじゃないですかね。海の向こうは分かりませんが、単に日本での知名度という点だけなら、この曲「イパネマの娘」、「マシュケナダ」と並ぶボサノバのピック3という気もします。このアルバムはその大ヒット曲をトップにほぼ全編に渡ってワンダレー独特のシンコペがリズミカルに躍動するオルガンがフィーチャーされています。私のようなロック・ファン上がりの人間だと「オルガン=ハモンド・オルガン」というイメージがありますが、ワンダレーのオルガンは、レズリー・スピーカーを通さない、ツルっとした音色に特徴があり、これが前述のリズミカルさと相まって独特の清涼感を感じさせるサウンドになっていると思います。ついでに書くと、バックにブラス隊をつけている曲が多いですが、ワンダレーはボサノバというより、どちらかというとサンバ系の人なので、賑やかさはワンダレーの音楽にぴったりとマッチしているのもこのアルバムの特徴かもしれません。
あと、個人的に好きな曲はワンダレーのピアノをフィーチャーした「レイン」でしょうか。ワンダレーは元々ピアニストですから、こういう曲もたまにやる訳ですが、ヨーロッパ映画を思わせる洗練されたロマンティックさはなかなかですし(この亜流みたいな音楽を時たま坂本龍一がやったりしますね)、途中、トロンボーンがフィーチャーされるあたりヴァーブ一連のBGM路線にもしっかりクロスしていることを感じさせ、ワンダレーの職人のセンスの良さを感じさせるところでもあります。