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さて、ちなみにこのアルバムだが、個人的に全体を通して聴くということはほとんどなくて、もっぱら夏に聴くのは最後の2曲「スウィート・イリュージョン」「ニューロニアン・ネットワーク」だけである。まず前者だが、このアルバムを代表するフュージョン・ナンバーである。というか、このアルバムでフュージョン作品といったら、実はこの曲くらいしかなく、後はレゲエだったり、ファンクだったりする訳で、その分、この曲はゲストに渡辺香津美を呼んで、ホットでスムース、清涼感とゴリゴリした感覚がごっちゃになったまさにKylyn的なフュージョンなっていてアルバムでも最大の聴き物だと思う。後者はトロピカルなアンビエントといいたいような作品で、個人的にはアルバムで一番好きな曲となっている。シーケンサーと高橋が刻む単調なリズムにのって、脱色したリチャード・ティーみたいなエレピとスペイシーなサウンドが快適だし、全般にかなりYMOに近づきもするが、ぎりぎりでフュージョンの枠に留まっているあたりのバランスも悪くない。また、終盤近くでリズム・チェンジするあたりはこの曲ハイライトともいえる心地よさがある。