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サマー・ナーブス/坂本龍一&カクトウギセッション

2007年07月12日 22時58分21秒 | JAZZ-Fusion
 坂本龍一の音楽は時にワールド・ミュージックにかなりクロスするせいか、個人的には「夏向きの音楽」が多いと思う....というか、ポピュラー・フィールドでの作品の大半はそのままサマー・ミュージックになってしまう音楽だと思う。代表的なところでは「未来派野郎」「ハートビート」「スウィート・リヴェンジ」などがそうだ。この「サマー・ナーブス」もそういう作品のひとつである。もっともこの作品の場合、ジャケの柄にもないポップさ、通俗味からして、どうもソニーがお膳立てした、当時流行のポップ・フュージョンの企画物っぽい作品という色彩も濃厚だから、全面的に坂本の意向が反映したアルバムというより、歌謡曲のアレンジみたい「お仕事」だったのかもしれないという可能性はあるのだが(当時、松任谷、井上、細野といった面々がこういうアルバム沢山だしていた)。

 さて、ちなみにこのアルバムだが、個人的に全体を通して聴くということはほとんどなくて、もっぱら夏に聴くのは最後の2曲「スウィート・イリュージョン」「ニューロニアン・ネットワーク」だけである。まず前者だが、このアルバムを代表するフュージョン・ナンバーである。というか、このアルバムでフュージョン作品といったら、実はこの曲くらいしかなく、後はレゲエだったり、ファンクだったりする訳で、その分、この曲はゲストに渡辺香津美を呼んで、ホットでスムース、清涼感とゴリゴリした感覚がごっちゃになったまさにKylyn的なフュージョンなっていてアルバムでも最大の聴き物だと思う。後者はトロピカルなアンビエントといいたいような作品で、個人的にはアルバムで一番好きな曲となっている。シーケンサーと高橋が刻む単調なリズムにのって、脱色したリチャード・ティーみたいなエレピとスペイシーなサウンドが快適だし、全般にかなりYMOに近づきもするが、ぎりぎりでフュージョンの枠に留まっているあたりのバランスも悪くない。また、終盤近くでリズム・チェンジするあたりはこの曲ハイライトともいえる心地よさがある。
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