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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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ワルター・ワンダレー・トリオ/シェガンサ

2007年07月05日 23時08分01秒 | Jobim+Bossa
「サマー・サンバ」に続くヴァーブにおけるワンダレー67年の第2作です。クレジットではワルター・ワンダレー・トリオとなっていることからも分かるとおり、前作で賑々しく登場したブラス隊がほぼ一掃され、シンプルな編成でワンダレーのオルガンを全面的にフィーチャーしたアルバムになっていています(ただし、名義上トリオとはなっているものの、どう聴いてもドラムの同時にパーカスが鳴っていますから、多分トリオ+1という編成で録音したんでしょうね)。ワンダレーはこの後、やや場当たり的に音楽のフォーマットやヴァリエーションを拡大してくことになりますから、全体に華やかさという点で今一歩な感はありますが、こと「ワンダレーらしさ」という点では彼のカタログ中、随一の仕上がりということになるんじゃないでしょうか。

 収録曲は「おいしい水」「ガンソ」「ポセ・イ・エウ」といったジョビンの作品の他、なんとフランシス・レイの「男と女」などもとりあげていますが、どれもほぼ完全なるワンダレー節にしてしまっているあたりはさすがですが、やはり冒頭に収録された「シェガンサ」の緩急自在のドライブするノリとスピード感だとか、一作目のブラスのかわりをピアノで補った感のある「明日」のカラフルさといったあたりはワンダレーの面目躍如たるところがあります。あと後半(旧B面)では「ガンソ」から3曲は徐々にスピード感が上がっていくように配置された構成もなかなかユニークで印象に残ります。
 あと、ピアノをフィーチャーした「レイン」路線の曲もけっこう入っていて、スタンダードの「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」はスロウ・ボッサとしてムーディーに演奏していて大好きな演奏です。「ステイ・マイ・ラヴ」もこの路線でなかなかドラマチック。「テイク・ケア・マイ・ハート」ではピアノをフィーチャーし、バッキングにオルガンが合いの手を入れるパターンなのがおもしろい味を出しています。
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