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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

シューマン 交響曲第2番/ヴィルトナー&チェコスロヴァキア国立コシツェPO

2007年07月06日 23時54分05秒 | クラシック(一般)
 シューマンの交響曲は、20代の中盤頃歴代のクラシックをクロノジカルに聴いていくプロセスで、とてもよく聴いた。演奏はフィリップスのグロリア・シリーズで、確かコンヴィチュニーがライプツィッヒ・ゲヴァントハウスを振った60年代前半のものだったように思う。シューマンの交響曲はたった4曲しかないが、ベートーベンのような勇壮さ、シューベルトの歌謡性、メンデルゾーンの人懐っこい軽さのような、決め手となるような個性が私には感じられず、どれもやたらと渋い作品という印象を受けた。だからという訳でもないだろうが、その分、なんとかこれらの曲を物にしてやろうと、ムキになって反復して聴いたというところもきっとあった思う。だが、今になって思えば、これらの曲は何度聴いても、物にすることができなかったように思う。

 いや、私はこれらの曲を好みではないとか、つまらない曲だと思ったことはなく、「もう少し、あとちょっと聴けば、この曲は好きになれる」と思いつつ、結局、物にできなかったという感じなのである。CD時代に入っても、シューマンの交響曲はなかなか購入することがなかったのは、結局、こうした「物にできなかった」記憶があったからかもしれない。数年前、「そういえばシューマンの交響曲はまだCDでもってなかったな、とりあえずナクソスでいいや」と購入し、一度か二度聴いただけで放置したままであったことが、それを物語っている。今回、実に久々にシューマンの交響曲の第2番を聴いてみたが、動機そのもはほんの気紛れである。ついでに書けばどうして1番ではなくて、2番からかといえば、それは多分これが一番記憶に残っていなそうな曲だったからだ。

 で、久々に聴いたこの曲だが、悪くない....どころかけっこういい。こういう形容をしては身も蓋もないのだが、調度、ベートーベンとブラームスの中間に位置する交響曲という感じである。第1楽章の序奏部などブラームスの2番のようだし、主部ではベートーベンやシューベルトを思わせる感触があり、まさに前期ロマン派の煮えくらない感じがよく出ていると感じた。ちなみに私が今回「良いな」と感じたところは、ロマン派的なドラマチックなところではなく、第1楽章や第3楽章の随所に聴かれるドイツ~ウィーンの田園風景のような、ちょっと弛緩したような茫洋とした場面である。こういう部分は気分が乗らないと退屈きわまりなく感じでしまうのだが、金曜の夜ということでリラックスした気分なのが幸いしたのかもしれないが、実に耳に心地よく響いてきた。第2楽章はちょっとメンデルゾーンを思わせる幻想的なスケルツォでこれはよく覚えていた。第4楽章はベートーベン風な楽章で逆にほとんど覚えていなかったな。
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20世紀アメリカ音楽の古典/ピアノ三重奏曲集(シフリン他)

2007年07月06日 00時18分36秒 | クラシック(20世紀~)
 現代アメリカの作曲家による3つのピアノ三重奏曲を収めたアルバム。いずれもここ20年くらいの作品で、ジャズ的な語法が曲に見え隠れしているところを共通点として選曲されたらしい。いずれも80年代以降の「現代音楽」ということで、きりきりとしたシリアスさはそれほどでないし、アメリカ作曲家らしいある種の開放感がどの作品にもあり、現代音楽が苦手な人でも比較的(あくまでも比較的に....だが)聴きやすいのが作品集ともなっている。では、ざっと収録曲をメモしておくとしよう。

・シフリン/ラヴェルをたたえて
 シフリンは、ヴァーブ・レーベルでアレンジャーとし、映画音楽でも名を上げたてあのラロ・シフリンのことである。彼はプレヴィンほど成功した訳でいが、クラシックとジャズの二足のわらじで活躍しているらしく、この作品はそのクラシックの方の分野でのものといえそうだ。タイトル通りラヴェル的な語法でアルゼンチンの音楽をモダンに仕立て直したような趣だが、比較的軽い最初の3つの楽章に対して、終曲はバルトークやヒナステラを思わせるダイナミズムとエキゾチックさをもったアグレッシブな音楽となっている。

・シュラー/ピアノ三重奏曲
 3曲中ではもっとも「現代音楽」した作品。ただし、ブーレーズのような過剰に理知的な音楽という訳ではなくて、どちらかという新ウィーン的なニューロティックな面も強い。つまり怪奇映画のサントラのようなムードもあるのだが、それが3楽章になると突如タイトル通りリズムはやたとスウィングしているものの、アブストラクトな音響作品となってしまう。このあたりユニークというか私としては意味不明だ。

・シャピロ/ピアノ三重奏曲
 古典的な4楽章制をとっているものの、基本はミニマム・ミュージックという気がする。全編に渡ってミニマム的な平穏さとユーモラスな表情、としてドラマチックな旋律のちゃんぽんで構成されていて、坂本龍一の映画音楽を愛聴している私のような人間だと、ごくごく自然に耳に入ってきて、とてもわかりやすい....というか、この作品、ほとんど坂本龍一の音楽のように聴こえてしまう。シャピロは42年生まれということだから、坂本が影響を受けたのだろうか、それともミニマム系共通の特徴なのだろうか?。
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