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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

QUNCY JONES / Big Band Bossa Nova

2005年08月23日 20時41分14秒 | Jobim+Bossa
数年前、都内の某ショップでこのアルバムを発見し、「へぇ、クインシー・ジョーンズもボサ・ノヴァ・アルバムだしてんたんだぁ!」となんか掘り出し物をめっけた気分で購入してきた作品です。制作は62年、この時期はボサ・ノヴァがアメリカに輸入された直後にあたり、スタン・ゲッツとチャーリー・バードによる「ジャズ・サンバ」とほぼ同時期になり、この種のアルバムとしてはかなり先物買い的な企画だったはずです。商売人クインシー・ジョーンズの片鱗がこの頃からあったということでしょうか(雇われ仕事だった可能性もありますが-笑)。

 さて、この時期のジョーンズは若手のアレンジャーとして、非常にカラフルでモダンなオーケストレーションのピック・バンド・アレンジで売り出し中の頃だったと思いますが、このアルバムでもそうした色彩的でビッグ・バンド・サウンドで全編が覆われていて、また、これは良い意味で書くんですが、このアルバムの60年代的な通俗性というか刹那っぽい感覚が横溢しているので、そのあたりが今時の夏に妙に合うような気もします。このアルバムがいわゆるシブカジ系なオシャレなショップに、まずは輸入盤として並んだのもわかろうというものですね。

 ただ、このアルバムの賑々しさやカラフルさは聴いていて楽しいは楽しいし、多彩なソロを絶妙に配置した巧緻なアレンジに感心したりもしますが、少なくともボサ・ノヴァには聴こえませんね。どちらかというサンバとかああいったもう少し古いブラジルの音楽をベースにしているようで、ジョビンの曲なども数多くとりあげてはいるものの、せいぜい「ビッグ・バンド・サンバ」止まりという感じがします。まぁ、こういう感触はスタン・ゲッツの「ジャズ・サンバ」にもありましたし、実際「ディサフィナード」ではどっちも全く同じリズム・パターン使ってたりしますが、こういうのってボサ・ノヴァ初期特有の現象なのかもしれませんが....。
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ジョン・ビザレリ/ボサ・ノヴァ

2005年08月23日 00時05分51秒 | JAZZ
 しばらく前にレビュウしたビートルズ・カバー集と同様、ドン・セベスキーが参加しているというんで、またまた往年のCTIやヴァーブのイージー・リスニング・ジャズの瀟洒な趣の再現か?と期待して、昨年の今頃購入してきたのですが、こちらはどちらかといえば「弾き語り基本の本場系+ナット・キング・コール・スタイル」といったところ。まぁ、ジョン・ピザレリといえば歌えるジャズ・ギタリストなのだから、ボサ・ノヴァといったこういう路線になるのもそれも当然かもしれないけですが、個人的にはウェス・モンゴメリーの時みたいな、オーケストラ路線を期待していたもので、少々残念でした。

 ジョン・ピザレリの歌声は思い切りよく言うと、ジョビンとジルベルトの中間くらいの感じで、ちょっとアーシーなところもけっこうボサノバにはまっていると思います。ただ、なまじ本場風なスタイルをとっているため、ピザレリっぽいソウルフルな歌い方が、ボサ・ノヴァにしては「濃過ぎる」ところもあって、そのあたりはちょい微妙ですね。
 収録曲はジョビンののボサ・ノヴァ・スタンダードが5曲収録されている他は、ガーシュウィンの「魅惑のリズム」が入っていたりするのが目をひきますが、これはジョビンの晩年の作品「パッサリン」に経緯を表してのものでしょう。また、ジョアン・ジルベルトが名作「アモローソ」で歌っていた「エスターテ」を、その時のほぼ同じ雰囲気で歌っているのはうれしいところ。あと、インストが数曲入ってますが、これは軽いラウンジ風なボサ・ノヴァ・チューンとして楽しめるます。

 なお、最近の彼はテラークに移籍したらしく、ここでもテラークらしい深々とした低音が効いたかなりハイファイ録音です。なんとなくアナ・カランの所属するチェスキー・レーベルの思わせる音質になっているのは、ボサ・ノヴァという音楽故ですかね、このあたりはなかなか興味深い点でもあります。
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