Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

アナ・カラン/アヴィオン

2005年08月11日 23時47分04秒 | Jobim+Bossa
 ニュー・ヨークにあるチェスキーというジャズ系ソースをHiFi録音が売りなレーベルがあるんだけど、そこの看板ヴォーカリストがこのアナ・カランという人。彼女はアメリカにデビュウしたブラジル人なので、ボサ・ノヴァ関係の作品がとても多いんですけど、初期の頃は純正ボサ・ノヴァというよりは、もう少しモダンな弾き語りスタイルをベースにしたブラジル路線のようなことをやっていたんですね。このアルバムが彼女の第2作なので、当然その路線の音楽。僕のようなまっとうなボサ・ノヴァ好きからすると、音楽そのものがより、「音楽にのせて訴えたいこと」がありすぎるという感じで、ちょいとばかり積極臭く感じてしまうのが少々愛聴盤から遠くしているという感じ....。

 ただし、このアルバム「一夏に一回くらい必ず聴きたくなる曲」が1曲だけ入っていて、それが故に夏になると、必ずひっぱり出してくるんで妙に忘れられないアルバムではあります。その曲とは2曲目の「アントニオの歌」。ご存じのとおりマイケル・フランクスがジョビンにインスパイアされて作った有名な曲なんですけど、前述のとおり、演奏はあくまでも弾き語りをベースにしていて、ピアノ、ベース、ドラム、シンセ、フルートはうっすらとバックをとっている程度で、非常に静的なたたずまいと淡い雰囲気で演奏しているんですが、これが実にいいムードなんですね。彼女のヴォーカルはもともと透き通った美声なんですが、この曲ではブラジル伝統の物憂げな柔らかいトーンで歌っていて、実に正統派ボサ・ノヴァしていて、その意味でもグー。

 ついでに書けば、録音も極上で、それなりの装置で聴くと、アナ・カランがそこで歌っているように感じるほどです。スタジオの広さから、各プレイヤーがスタジオのどこに陣取って演奏しているか、まるで見えてくるような分かるリアルさはけだし絶品ですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする