ビレリ・ラグレーンという人は好きなギタリストだ。もっとも、この人が「ジャンゴ・ラインハルトの再来」とか絶賛されたとかいう10代の頃、アコスティック・ギターでジプシー風な音楽をやっていた頃のことはあまり知らないのだが、エレクトリックに持ち替えてからの作品は、その歌心満載のフレージングと驚異的なテクニックがほどよくバランスした緩急自在のギター・ワークが楽しくて、90年代の後半頃か、数枚購入した。
このアルバムもそんな一枚で、タイトルからも分かるとおり、ビレリ・ラグレーンによるジャンゴ・ラインハルトのカバー集である。私は浅学なので彼の音楽についてはベスト盤一枚をつまみぐいした程度なので、オリジナル演奏をどう解釈しているかということはほとんどわからないが、このアルバムの場合、ジャンゴとは関係なしに夏向きのフュージョンとして楽しんでいる。
メンバーは、ドラムはデニス・チェンバース、ベースはアンソニー・ジャクソンという超絶リズム隊に、KOONOというキーボード奏者を加えた4人編成のシンプルなもの。音楽的にはシンコペしまくったいかにもフュージョンな快適リズム+KOONOが作る非常にカラフルで色彩的なシンセ・サウンドが、いかにも夏っぽい雰囲気を演出していて、スムーズ・ジャズというほどには甘くないが、ゴリゴリなハードコア・フュージョンというにはとち耳に心地よすぎるという、微妙なバランスが特徴ともいえるかもしれない。こうしたサウンドにのるビレリにギターはまさにそういうポジションにぴったりプレイで、良く歌いリラクゼーションを誘いつつ、そこに時折超絶的な早弾き織り込んではっとさせるという、なかなか知能犯的なプレイだと思う。
曲としては、3曲目の「Babik」や8曲目「Blues for Ike」あたりがアップ・テンポぐいぐい押していくハード路線でビレリもテクニカルなフレーズを連打して実にカッコいい。一方、2曲目「Moppin' the Bridge」や4曲目「Melodie au Crepuscule」あたり良く歌うフレーズを織り込んだバラードっ路線という感じで、アルバムではこのあたりを音楽的な両端にして緩急をつけているというところだ。それにしてもこのアルバムの快適さというか、夏っぽさみたいなところは、多分ビレリではなくて、KOONOというキーボード奏者がもっているものだと思うのだが、なかなかいいセンスだと思う。5曲目の「Place de Brouckere」で聴けるシンセ・オーケストレーションなどもうまいものだ。
このアルバムもそんな一枚で、タイトルからも分かるとおり、ビレリ・ラグレーンによるジャンゴ・ラインハルトのカバー集である。私は浅学なので彼の音楽についてはベスト盤一枚をつまみぐいした程度なので、オリジナル演奏をどう解釈しているかということはほとんどわからないが、このアルバムの場合、ジャンゴとは関係なしに夏向きのフュージョンとして楽しんでいる。
メンバーは、ドラムはデニス・チェンバース、ベースはアンソニー・ジャクソンという超絶リズム隊に、KOONOというキーボード奏者を加えた4人編成のシンプルなもの。音楽的にはシンコペしまくったいかにもフュージョンな快適リズム+KOONOが作る非常にカラフルで色彩的なシンセ・サウンドが、いかにも夏っぽい雰囲気を演出していて、スムーズ・ジャズというほどには甘くないが、ゴリゴリなハードコア・フュージョンというにはとち耳に心地よすぎるという、微妙なバランスが特徴ともいえるかもしれない。こうしたサウンドにのるビレリにギターはまさにそういうポジションにぴったりプレイで、良く歌いリラクゼーションを誘いつつ、そこに時折超絶的な早弾き織り込んではっとさせるという、なかなか知能犯的なプレイだと思う。
曲としては、3曲目の「Babik」や8曲目「Blues for Ike」あたりがアップ・テンポぐいぐい押していくハード路線でビレリもテクニカルなフレーズを連打して実にカッコいい。一方、2曲目「Moppin' the Bridge」や4曲目「Melodie au Crepuscule」あたり良く歌うフレーズを織り込んだバラードっ路線という感じで、アルバムではこのあたりを音楽的な両端にして緩急をつけているというところだ。それにしてもこのアルバムの快適さというか、夏っぽさみたいなところは、多分ビレリではなくて、KOONOというキーボード奏者がもっているものだと思うのだが、なかなかいいセンスだと思う。5曲目の「Place de Brouckere」で聴けるシンセ・オーケストレーションなどもうまいものだ。