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Symphinic Bossa Nova / E.Stratta & RPO

2005年08月05日 21時07分01秒 | Jobim+Bossa
 ここ10年くらい、私の夏の定番となっている一枚。一応名義上はエットーレ・ストラッタ(?)指揮によるシンフォニー・オーケストラ(ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団)によるボサ・ノヴァ集ですが、内容はタイトルから想像されるようなBGM風なイージー・リスニング色はあまりなく、割とタイトなコンボ演奏をベースに、曲毎にアル・ジャロウ、ドリ・カイミ、ゲイリー・バートン、トム・スコット、ヒューバート・ロウズ、オスカー・カストロ・ネヴィスといったゲストが参加したサマー・フュージョンといってもいいような仕上がりです。オケはあくまでも伴奏程度で後方で控えめに鳴っているというバランスの曲が多いですが、ボサ・ノヴァという音楽の性格上、あんまりオケが轟々と鳴るようなものは勘弁してもらいので、このくらいのバランスはむしろ丁度よいくらいだと思います。

 演奏は、トム・スコットの歌いまくるしサックスをフィーチャーした「ワン・ノート・サンバ~イパネマの娘」から快調にスタート。これなどオケはほとんどキーボードの白玉風にしか出てこず、ボサ・ノヴァというにはかなりインターナショナルな感触ですが、そのあたりオスカー・カストロ・ネヴィスのアコギが隠し味的にブラジル風味を出しているのはなかなかニクいセンスです。ネヴィスのアコギは一応、ゲスト扱いですが、ほぼ全曲に参加していることもあって、このアルバムに本場物の雰囲気を添えているという感じです。
 一方、ゲイリー・バートンのヴァイブが登場する「Curumin」はバロック風なリズムとフュージョンの合体という感じ、はねたリズムが楽しいでなかなかおもしろい仕上がり。「Island/ Daquilo Que Eu Sei」では、お懐かしやヒューバート・ロウズのフルートがフィチャーされてちょっとCTIを思わす仕上がりになってます。あと、オケをフィーチャーした曲としては、「Wave」「How」 「Insensitive」「黒いオルフェ」あたりが、なだらかな美しい旋律をややトロピカルなムードでなだらかに演奏していて、極上のBGMになってます。

 指揮に当たったエットーレ・ストラッタはよく知らない人なのですが、どうもポップス・オーケストラ畑の人にようで、先ほど調べてみたらこれと同じシンフォニック路線で「タンゴ」とか「アンドリュウ・リロイド・ウェーバー」とかも出しているようですし、その他にガーシュウィンとかボレロとかいろいろ出ているようです。他のアルバムもこうしたフュージュンっぽい音作りをしているのかどうか分かりませんが、イタリア人?らしく、弦をよく謡わせたアレンジがなかなか気持ちいいし、センスも悪くないので、これを機に他のアルバムにも触手伸ばしてみようかなどと考えてます。
 ちなみに編曲とベーシック・バンドのキーボードを担当したのは、ジョルジュ・カランドレリという人、初めて聞く人ですが、キーボードはエレピとデジタル系シンセを主体とした典型的なフュージョン・スタイルで、編曲は前述のとおりバンドやヴォーカルとオケの絡みなどなかなか巧みで洗練されてます。おそらく、このアルバムはエットーレ・ストラッタではなく、この人が仕切ったんでしょうね。なかなか「良い仕事」してます。
コメント (1)
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