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全く個人的な考えなのだが、テクノというのは一種の音楽的なマニエリズムであると思う。ノーマルなポップ・ミュージック音楽的資産を陶太した後....というか、ようするに普通の音楽をやり尽くした後に出てくるようなもので、音楽的発展途上国から出るようなものではないのではないか。その意味で台湾にもこうしたテクノ・ブームがやってきたというのは、この国のポップ・ミュージックもある種マニエリスム的状況を迎えたのか?と、なんだかうれしいような、哀しいような気分になったものだった。
さて、この作品は1999年に制作された、台湾テクノを象徴するような作品で、多分大ヒットしていると思う。李雨寰(リー・ユーホヮン)はアレンジャー&キーボーディストとして、カレン・モクの作品などにも参加しているし、カレン・モクに提供した曲を歌ったりもしている。おまけに台湾最大のメジャー・レーベルであるロックからの発売ということで、かなりメジャーな売り方をした人だったのだろう。
音楽的にはも非常に李のボーカルがフィーチャーして、一応「ポップな歌物」の体裁はとっているものの、サウンド的にはアレンジの段階からテクノで発想された代物であることは一聴して明らかで、これが台湾的なメロディックな旋律と組み合わさっているあたりが、このアルバムのおもしろさということになるのだろう。完成度も非常に高く、よくわかんないが、このアルバム台湾の人が聴くと、ほとんど洋楽みたいに聴こえるんじゃないだろうか。
という訳で、これを聴くと1999年の台北の暑い暑い夏を思い出す。