昨日は一日小雨が音もなく降っていました、秋雨です。
静かな一日でありました、午後、知人がやってきて、老朽化した自宅の屋根などを自分で直しているのだと、まことに感心な話をしていきました。
感心はしたのでありますが、知人は60代半ばにさしかかっておりますのでイジワルを言って脅かしておきました
「あのなあ、君、なかなか感心やけど、屋根から庭に転がり落ちて誰も見つけてくれないうちに死んでしまったら、孤独死やぞ、注意しろよ、そんなつまらん死に方したら葬式なんかに行ってやらんぞ」
この知人に昨日の日記で紹介しました本を見せましたら、知人は日記にも掲載しておきましたマリリンが公園で本を読んでいる裏表紙の写真は目にして
「これ、ええ写真やなあ、なんか、映画のイメージとぜんぜん違うなあ、普通の可愛らしい女の子やないか・・・・」と感心しておりました。
「そうやろ、ところで君は《マリリンモンロー・ノー・リターン》という歌、知ってるか、かつて野坂昭如が歌っていた・・・」
「しら~ん」
人形のモリシゲのコマーシャルに出てくる小学生の女の子みたいな愛想ない返事をしましたので、世代間の断絶を感じ、話題を変えました
「そうか、じゃあ、秋冷秋雨ひとを愁殺す、という言葉知ってるか?」
「しら~ん」
またしても世代の断絶であります。しかたがないのでまとめて説明することにしました
「マリリンモンロー・ノーリターンという歌は以下のサイトで聞いてみてくれ、映像もなかなかのものや
https://www.youtube.com/watch?v=TQXySuBLPoU
このマリリンモンロー・ノーリターンという歌、野坂昭如が終末教の教祖を自称してころに歌っていたような気がするけど、この歌、マリリン・モンローが主役の《帰らざる河》(The River no return)という映画のなかで彼女が歌っていた主題歌で繰り返されるフレーズをヒントにしたもの、ノーリターン・ノーリターンとマリリンがハスキーな声で歌っていたのや」
「GGIはどうでもええことばっかりよう知ってるなあ、長生きしいや」
「それになあ、秋冷秋雨ひとを愁殺す、は武田泰淳の小説の題名や、《愁殺》っていうのは、ひどく嘆き悲しむ、あるいは悲しませることや。ところで君、愁殺でなくて《臭殺》って知ってるか、臭い殺すって書くんや」
「しら~ん」
またしても世代の断絶であります。これはあの《風流無譚》で世間を騒がせたノーベル賞級の作家、深沢七郎氏の造語や、まあ平たくいえば臭いで人を殺すこと、話すと長くなるし、この話、一度書いているので、詳しくは以下のサイトを見てくれ」
http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20121117
知人はGGIが世代の断絶を強いるような話しかしないのを嫌がって「GGIよ、孤独死にご用心!」と捨てぜりふを吐いて、夕方帰っていきました。
知人が帰ったあとも、まだ雨は降り続いていました、後期高齢者の独居老人としては、これからは深まり行く秋に愁殺される日々が増えていくなあ、そろそろまたゼンソクが出そうな季節になってきたなあ、と、ただただ降りやまぬ雨をぼんやり眺めていたのでありました。
今日の写真はわが庵のサザンガーデンに降る秋雨を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧になり、あなたも愁殺されてくださいませ。
なもあみだぶ、なもあみだぶ、なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!