UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

湖国で起きた「日野町事件」のこと、あなたはを知っていますか?

2017-10-18 02:04:46 | 日記

八月末の某日、ある知人がGGIに申しました

「GGIよ、ことしもあと四カ月、そろそろ年内に何かやることを考えたらどう?」

「そうですねえ、気になって少しは考えているのですが、なかなか具体的なアイディアが・・・ここ数年は11月か12月ごろに主に死刑問題を対象にしてきましたよね、昨年は死刑問題討論映画ともいうてべきドキュキャメンタリー映画《望むのは死刑ですか?》というのをやりましたね」

「まあ、成功だったかなあ、制作した監督にもきてもらって上映後の意見交換、被害者の遺族がみえていて切々と悲しみを訴えたり、死刑に反対の人ももちろんいたのですが、《おれは死刑に賛成や、悪いことしたヤツは死刑、あたりまえや》と頑固ふう老人が叫んだり、いろんな意見が出て通り一遍の議論に終わらなかったのがよかった・・・」

「一昨年は《悪魔の弁護人》とときには言われたりすることがある、オウム事件や和歌山毒カレー事件など世間を騒がせた数々の事件の弁護人を務めている安田好弘弁護士のドキュメンタリー映画「死刑弁護人」、それに数年前には袴田事件、再審開始が決定される前でしたが、犯人とされた袴田巌氏の実のお姉さんに来てもらって話してもらいまたね・・・・でも、ことしは死刑問題についてはちょっといい材料が見つからないしなあ・・・・と言っても、年内にもう一度死刑執行がありそうで気にはなりますね・・・言い材料であれば、何か他のテーマでもいいのですが・・・」

とGGI、おおいに思案投げ首したのでありますが、数日たって、この知人がなかなかのアイディアをくれました

「あのねえGGI、世間の耳目を集めた有名な事件や共謀罪など大きなテーマもいいのだけれど、もっと身近な事件なんかをテーマにするのもいいんじゃないのかなあ、そのほうが参加者にもっと関心を持ってもらえるかもしれないじゃない・・・たとえば、いま再審請求の審理が行われている最中の、湖国で起きた事件、あの《日野町事件》なんかどう?冤罪問題を考えるというテーマで・・・あの事件、県内でも甘し知られていないようだし、まして全国的にはほどんど知られていないんじゃない?」

「日野超事件ですか、なるほどなあ、いいかもしれませんねえ・・・県内で起きた冤罪が強く疑われる事件なのに、県内でもあまり知られていないですね、マスコミも地方紙のなかにはフォローしている新聞はありますが全国紙はいまひとつ・・・・でも日本弁護士連合会も袴田事件と同様に再審請求を支援している事件です・・・ですから、まずは事件の存在そのものをもっと県内の方々に知ってもらうということでは意味があるかもしれません、でも人集めは難しそう、たくさんの人がくるとのはあまり期待できないかしれません、でも、どうなるかは別として、ひとつ関係者に当たってみませうか・・・」

知人の提案、なかなか良さそうなので、何にもの知人にきいてみました。

「湖国で起きた《日野超事件》のこと、あなたは知ってる」。
「う~ん、そういう事件あったなあ、事件の名前は聞いたあるけれど、どんな事件だったかはよう知らんあな。」

これが大半の知人の答えでありました。

このような予備調査をしてからしばらくして、偶然ですが、「週刊金曜日」(9月1日、1150号)が日野町事件のことを取り上げていました。GGIは知らなかったのですが、この知人が記事のコピーをGGIに送ってくれました。これはラッキーでありました。これで県内でもこの事件のことを知る人が少しは増えることでありませう

かようなしだいでGGIは冤罪事件などの支援団体の関係者と接触、弁護団の弁護士さんを紹介してもらうことに成功、いま準備作業が徐々にでありますが進行中・・・

「日野町事件」というのは今から33年前、滋賀県蒲生郡日野町で「ホームラン酒店」という酒屋さんの女主人が何者かに殺され金品を奪われた事件です。事件の内容、その後の犯人逮捕の経過など、書きだすと長くなりますので、以下にごくごく簡単に記しておきます。もっと詳細をお知りになりたい方は以下のサイトなどをご覧になってください

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%87%8E%E7%94%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6 (ウィキペィア)

http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20170424000167 (京都新聞)

http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20170904000152 (京都新聞)

日野町事件、事件が起きたのは1984年12月末、犯人とされた人物が逮捕されたのが1988年3月。犯人とされた人物はこの事件の舞台となった酒屋の常連客であり、逮捕後いったん犯行を自白しましたが裁判では一転して無罪を主張。アリバイがないとして一審(大津地裁)で無期懲役、二審(大阪高裁)でも同様の判決、2000年に最高裁で上告を棄却され無期懲役が確定しました。翌年、本人が再審を請求したものの2006年に棄却され(大津地裁)、即時抗告を行っていました。しかし広島刑務所で服役中に病状が悪化、広島地検により刑の執行を停止され広島市内の病院に入院しましたが2011年3月に死去しました。このため再審請求を打ち切られました。しかし翌年になって、遺族が第二次再審請求を行っており、今に至っています。

この事件、逮捕が行われたのが事件が起きてから3年半近くも経った後のことであることなど、当初から捜査は難航、当局のやり方には異常な点が少なくないのですが、自白内容と証拠が一致しない、目撃証言の信頼度が疑われるなど、冤罪であることを強く疑わる要因が数多く存在しています。

とりわけ驚かされるのは、裁判の途中(一審)で、検察側が突然、犯行時間と犯行場所を大きく変更していたということです。すなわち当初は犯行時間を「午後8時40分ごろ」と特定していたのにそれを午後8時ごろから翌日午前8時半ごろと大幅に拡大、また犯行場所を当初は酒屋さんの店内としていたのに「日野町とその周辺」に変更していたことです。これでは事件の捜査に際しての一番肝心な点である犯行の時と場所が特定されいないのも同然です(おそらく当初の検察側の主張に従うと、店内の証拠品や目撃者証言と矛盾が出るために変更したものと思われます)

このような変更は「訴因の変更」と称されるものですが極めて異常なのですが一審の裁判官は変更を認めました。ところが上記の週刊金曜日の記事によりますと、控訴審中に毎日新聞がスクープ、「訴因変更は密かに裁判官が検察に示唆したことにより行われた」と報じているとされています。この事実は、有罪立証に窮した検察を裁判官が手助けしたことを意味しています。

また、金庫を山林に捨てたとする自白を立証するために、犯人とされた人物に捨てた場所へと道案内をさせたのですが、この現場検証の写真の順序が行き道と帰り道で入れ替えられていることを、最近になって弁護団が開示された証拠をもとに写真を解析して立証しています

犯人とされた人物は金庫を捨てた場所を知ってるはずかありませんから、警官を案内する行き道では、どの方向に行ってらいいのか道に迷うことになるのですが、検証を終えての帰り道は迷うことがありません。ですから、犯人に仕立てるために写真の順序を入れかえて、帰り道で撮った写真を行き道に撮った写真であることにして、犯人とされた人物がいかにも捨てた場所へと通じる山道をあらかじめ知っていて案内したかのように装ったのです。

関係者の話では、警察は金庫が捨てられていた場所を事前に知っていて、道に迷う犯人とされた人物を、捨てた場所への道筋を暗に誘導したとさています

また、先月になって東京医科大の教授が「自白した方法では殺害することはできない」と画像などをまじえた科学的な鑑定書を提出しています。

第二次再審請求では、当時の検察官や取調べに当たった警察官なども召喚されており、実質的な審理が進められているものと思われ、関係者の話からは来年の前半には審理結果が明らかにされるのではないか推測されます。

ただ、この再審請求には非常に困難な問題が横たわっているため、決して楽観できないとGGIは考えています

と申しますのは、本人がすでに死去していることが大きな障害になるのではないかと懸念されるからです。これまでも本人が死去しているために遺族により再審請求が行われている例は何件もあると思うのですが、死刑であった場合も含めて、(少なくとも重罪とされていた場合は)遺族による再審請求が認めらた例はおそらく皆無に近いのではないかと思われるからです。

現在、福岡県飯塚市で起きた「飯塚事件」に関して遺族に手により死刑執行後に再審請求が行われているものの、すくなくとも死刑であった場合は、死後に再審が認めらえた例はこれまでまったくありません。死刑を執行してしまったのちに冤罪であることが明らかになれば、無罪の者を国家の手で殺してしまったことになり、そうなれば死刑制度の根幹が揺らぎかねず、大問題となるでありませう・・

ですから、この日野超事件についての再審請求は無期懲役を対処としたものですが、もし再審開始の決定が下されならば、まさに画期的な決定ということになるでありませう

「飯塚事件」についてはすでにこの日記

でも書いていますので関心のある方は以下のサイトをご覧になってください

http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20170526

支援団体の方にGGIは聞いてみたことがあります

「本人が亡くなっているため、再審請求といっても本人がまだ生存している場合にくらべて、いろいろ大変な点があるのではないですか?」

「そうですね、本人が生きている場合は本人の意思さえしっかしていれば再審請求を進めていくことができるのですが、遺族が再審請求を行っている場合は、勝っても本人が還ってくるわけではありませんし、長い裁判で遺族の方は精神的な疲れや迷いでたりして、いろいろ大変ではないかと思います・・・」

以上のようなしだいで、「あなたは《日野町事件》のことを知っていますか」と湖国にみなさんに呼びかける形で、知人たちと協力して、弁護団の弁護士さんによる講演会を行うことができれば思っております。

なもあみだぶ、なもあみだぶ、なもあみだぶ・・・・

今日の写真は今も残る事件が起きた「ホームラン酒店」です。週刊金曜日から借用しました。よろしければクリックしてご覧くださいませ

グッドナイト・グッドラック!