昨夜はクリスマス・イヴでありました。
GGIはキリスト教徒ではありませぬ。ですから昨夜はサイレント・ナイトとではありましたが、ホーリーではありませんでした。。
先日、わがマザーが生前長きにわたり世話になっておりました教会の関係者にスーパーで遭遇してしまって「GGIさん、クリスマスイヴには教会にいらっしゃい」などと言われてしまったのですが、慇懃かつ曖昧な答ですませておきました。
というけで昨夜は教会には失礼したのでありますが、今宵は聖夜だなあなどと思っておりましたら、今からほぼ半世紀前に著されたドイツ人の戯曲のことを思い出しました。
戯曲の題名は「神の代理人」、作者はドイツの劇作家ロルフ・ホーホフート氏。
「神の代理人」というのはローマ法皇(正しくは教皇とうのだそうです)あるいはローマ法王庁のことです。その内容はかなり忘れてしまっているのですが、実は10年ほど前に別のブログに荒っぽく書いておりますので、手抜きで以下に引用いたします。
『第二次大戦中、ローマ法王ピウス12世はヒットラーの帝国でホロコーストが進行しているのを知りながら、はやくからナチスの残虐行為を知りながら、なぜか沈黙をきめこみ、ユダヤ人たちを救おうとしなかった
この問題をテーマとしたのがロルフ・ホーホフートの戯曲、「神の代理人」、1963年初演。これは実在の人物、ナチス親衛隊の将校ゲルシュタインの経験を題材にした戯曲。
もとは軍の飲料水の消毒用の薬品であったチクロンBが大量虐殺に用いられているのを知った化学者でドイツ国防軍の軍人であった彼は、実態を確かめるためにナチス親衛隊に入隊、そしてユダヤ人たちを救うために、はじめドイツ国内のプロテスタントの教会に接触するが協力を得られず、ついにカトリックの総本山ローマ法王庁に協力を求めるが、時の法王ピウス12世は動かない・・あしもとのローマからユダヤ人たちが連れ去られても・・・』
(以上はhttp://blog.goo.ne.jp/yossarian/d/20060731より引用)
GGIの記憶では、このナチス親衛隊の将校、最後はユダヤ人たちとともにガス室で殺されるのを覚悟のうえでドイツに帰国します。
この戯曲の翻訳書があることはずいぶん前から知っていたのですが、実際に本で読んだのは15年以上前のことです。県立図書館に出向き、探してもらいましたら、さすが全国に誇るわが湖国の図書館、書庫の奥から出てきました。すっかり古びて表紙は破れていました。、出版社はみすず書房ではなかったかと思います。2004年に大村書店から再刊されているとのこと。
この戯曲、いわばキリスト教界のタブーに触れるもので、今でも忘れさられてはいないようです。ちなみに2006年のいつだったか、ヨハネ・パウロ2世のあとを次いで継いで前年法王になったドイツ出身のベネディクト16世が就任後はじめてあのアウシュビッツを訪問したことが注目をあつめました。
そしてこの日記を書くためにネットであれこれ調べておりましたら、何と今年の7月25日の毎日新聞がこの戯曲の作者であるホーホフーㇳ氏のことを記事にしていました。以下のサイトにも記事が掲載されています
http://mainichi.jp/articles/20160725/ddm/007/030/091000c
この記事によれば作者のホーホフーㇳ氏は健在で今年85歳、「神の代理人であるローマ法王が非難していれば、アウシュビッツ(強制収容所でのユダヤ人虐殺)は終わっていたはずだ、戯曲のメッセージは『なんじ、沈黙するなかれ』という11番目の戒律だ」と語っているそうです。
今日はクリスマスらしからぬ話題で失礼しました。
今日の写真、クリスマスですのでほんとはヒイラギがふさわしいのですが、手抜きでヒイラギさんの代役として、わがガーデンの垣根のナンテンさんを撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ
グッドナイト・グッドラック!