UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

甘いかもしれないけれど、《もんじゅ》廃炉決定を率直に歓迎します

2016-12-23 01:34:55 | 日記

みなさんもご存知のように一昨日12月21日の午後、政府は高速増殖炉《もんじゅ》の廃炉を正式に決定しました。

これまで原発関係に限らず国による巨大プロジェクトが途中で中止・撤回されることはほとんどありませんでした。その意味で1兆円を以上費やされてきた《もんじゅ》計画が実質的に失敗であることを認めて政府自らが撤回したことは前代未聞とも言うべき記念すべきできごとであろとGGIは考えます。

新聞報道などによると、廃炉にはさらに4000億円近い費用と30年の歳月が必要とのことですけれども、それでも、GGIは一市民として率直にこのたびの政府による決定を歓迎したいと思います。

これまでも《もんじゅ》を含めた原発に反対する市民の運動が、とりわけ福島原発以後広く進められてきました。このことがこのたびの《もんじゅ》廃炉決定の背景にあることは確かです。しかしながら、このたびの政府による廃炉決定の直接の引き金となったのは昨年11月に原子力規制委員会が文部科学大臣に対して行った勧告です。

《もんじゅ》の安全管理・運営体制などが非常に杜撰であり先行きがまったく不透明なため、原子力規制委員会は昨年11月13日、高速増殖炉「もんじゅ」)について、日本原子力研究開発機構に代わる運営主体を特定するか、できない場合はもんじゅのあり方について抜本的な検討を進めるよう、所管の馳浩文部科学相に勧告を出し、半年をめどに結論を出すよう求めたのです。

すなわち、半年以内に新たな運営主体を決めろ、それができなければ廃炉にしろという勧告です。半年以内のあらたな運営主体を見つけろというのは無理難題とも言うべきです要求であり、事実上不可能の近いものです。

この勧告のことを知ったとき、GGIは、これは今までにない非常に思い切った勧告だけれど、これまでの政府の頑なな姿勢を考えると、果たしてこの勧告が実際に実行に移されるのか、政府筋などいろいろな方面から圧力がかかって腰砕けに終わるかもしれないと、半信半疑であり、韓国の行方をとても懸念していました。

ところが原子力規制委は方針を貫いたのです。政府は電力会社や原子炉メーカーなど関係者に呼びかえてあらたな運営主体を見つけようと一時画策してのですが、もちろん半年で見つかるはずがありません。その結果、このたびの廃炉決定ということになったのです。

そんなこと言っているけれど、政府は《もんじゅ》は廃炉にしても、核燃料サイクル計画を維持するために新たな高速炉開発計画をスタートさせるといっているぞ、ことはそんなに甘くないぞ、とお考えの方もおられるかもしれませんが、GGIはこの《もんんじゅ》廃炉の決定は事実上の核燃料サイクル計画の放棄を意味していると考えます。

12月6日の日記にも書いたのですが、自民党の関係者は堂々とあからさまに《核燃料サイクルをやめれば『パンドラの箱』が開いてしまう。高速炉開発を続ける意思を示す計画は、箱を封印する『お札』のようなものだ》とまで言っているのです。まことに正直です。つまり新たな計画はお札に過ぎない、あてにならないお呪いにすぎないのです。

核燃料サイクルの放棄を国が明言すればパンドラの箱が開き、ドミノ倒しのごとく政府にとって負の連鎖反応が生じるのです。

まず、高速増殖炉で用いるためのプルトニウムが不要になる⇒プルトニウムの回収を目的とした六ヶ所村の再処理工場が不要になる(すでに2兆数千億円が投入されています》⇒使用済み燃料の再処理ができなくなる⇒すでに原発敷地内における使用済み燃料は満杯状態になっているため、使用済み燃料の行き場がなくなる⇒この状態を回避するために、とりあえず状態使用済み燃焼の「中間貯蔵施設」なる施設を原発立地県以外の地域に建設する(関電はすでに計画しつつあります)⇒使用済燃料を再処理して残された核廃棄物を最終処分するという計画が不可能になる、というわけです。

政府が核燃料サイクルの放棄を正式に表明すると、このようなまことに厄介な事態が出現し、これまでの原発政策を根底から見直さなければならなくなるので、いましばし気休めのために「パンドラの箱」が開くのを先延ばしすることにしよう、まったくの机上の空論である新高速炉計画というお札をパンドラの箱につけておくことにしょう・・・

 かようなしだいで、まだまだ紆余曲折があるでしょうけれど、でも、このたび遂に政府を《もんじゅ》廃炉決定に追い込んだ原子力規制委員会は《よくやった!》というのがGGIの偽らざる心境です。「そんな甘いこと言っていてどうするんだ」という声が飛んでくるかもしれませんが、評価に値するものは率直に評価すべきであろうと考え申しげるしだいです。

今日の写真は《もんじゅ》廃炉決定を伝える12月21日の新聞記事を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ

グッドナイト・グッドラック!