一昨日、湖岸の大通りをあるいておりましたら、関電湖国支店のビルの筋向い、広い歩道にダークスーツに身を固めた一団が何やらうろうろしておりました。完成したばかりの新しいマンションの前です。建てたのは「関電不動産」という会社、
このマンションの建築工事が始まったとき、工事現場に《建築主は「関電不動産」です》という看板がかかっていましたので、GGIは、関電さんて物持ちなのだなあ、何かとお騒がせの原発を持っていてあっちこっちにお金をばら撒いているだけではなく、あっちこっちに土地を所有しているので不動産会社まで持っているのだあ、と感心してしまいました
歩道のダークスーツのみなさん、今日はマンション完成記念のセレモニーか何かがあったのでせうか、みなさんキチンとした姿でブラブラしながら何かを、誰かを待っているようであります
なんだろうと思ってしばしGGIも何かを待っておりましたら、やがてマンションのガレージから黒塗りの大型車、いかにも高級車然とした乗用車が二台、そろりそろりと出てまいりました。
すると、まず先頭の高級車に向かってダークスーツ氏何人もが突進、車を取り囲むようにして中に乗っている人物に向かって深々とお辞儀をしました。最敬礼です。
これらのダークスーツ氏らの最敬礼、テレビに映った何か不祥事の記者会見でおなじくダークスーツの諸氏が謝罪の頭を下げている場面とくらべてもあまりお目にかからないリッパなものでしたので、思わず感心してしまいまいた。国会議員なんか、何かのことで謝罪しなければならない場合であっても、アベ君や菅君で分りますように、まかり間違ってもこの様な最敬礼はいたしませぬ、チョコンと形だけ頭を傾けるに過ぎませぬ
今日の写真はこの最敬礼氏たちの姿を撮ったものです。どうかクリックしてご覧になり、最敬礼ぶりをしかと観察なさってください。写真に写っている左側の最敬礼氏なんかきちんと伸ばした両手をピシッとお尻につけて見事な姿勢です・・・
この最敬礼氏たちはいずれ出世するかもしれませぬ、そうでない場合は謝罪要員として重宝がられるかもしれませんぬ。
他に、ただ突っ立っているだけの何人ものダークスーツ氏がおりました。彼らはやや手持無沙汰ふう、何か小声でさんざめいております。
「ほんまに、えらいさんが来るとえらいえらいなあ・・・」
「ほんまやなあ、えらいこっちゃ・・・」
みなさん、彼らはさかんに「えらい」を連発しておりますが、何を言っているのかお分かりでせうか
まず、「えらいさん」は全国どこでも使う表現ですのでお分かりでせう。「お偉いさん」のことであります。これは会社や役所なんかの「えらい」ひとを指す言葉ですが、言った本人は必ずしもほんとうに「偉い」などとは思っていないと申しますか、偉いとされる人物を茶化すと申しますか、揶揄する意味合いを有している表現です。たとえば「うちのえらいさん、頼りにならん、どこがえらいんや」などと言ったりすることが珍しくありませぬ。
さて、そのつぎの「えらいえらいなあ」は少しわかりにくいですね。「えらい」は関西では広く使われる言葉ですので、関西の方はすぐにお分かりになるではないかと思います。二回「えらい」という言葉が繰り返されていますが二回目の「えらいなあ」の「えらい」は「疲れる、しんどい」という意味であり、関西では多用される表現です。
一回目の「えらい」、これはちょっと複雑であります。本来であれば「すごく」「とても」「非常に」などと言う意味で「えらく」と表現するべきところなのですが、関西では「すごく」という表現はあまり用いられていないようであり、「すごく」などという意味であっても「えらく」ではなく「えらい」で済ませてしまう傾向が強いようです。
たとえば、お店が混んでいる場合、「この店、えらい混んでるなあ」とは言っても「えらく混んでるなあ」とはあまりいいません。このような場合、あるいは「えらく」とはいわず「えろう」などと言ったりすることも多いようです。「この店、えろう混んでるなあ」というわけです。他に「えろう」は、たとえば「昨夜の雨、えろう降ってたなあ」というふうに使いますね・・・
後ろに来る単語が名詞ならば「えらく」ではなく当然形容詞の「えらい」になります。たとえば「昨日はえらい雨やったなあ」。でも標準語ではこのような場合「えらい」は使いませんね。「すごい雨だった」とか表現するでありませう
関西弁では「すごい、非常な」と言った意味で「えらい」はよく使われます。たとえば関西では「あいつ、えらいアホやでぇ」とか「これはえらい事件や!」などと言ったりしますが、このような使い方は標準語ではしませんね。標準語なら「あいつ、すごいバカや、これはすごい事件や」などとなるでありませう
さて、つかれた、しんどい、という意味での「えらい」、このような場合、定かではないのですが、わが湖国では「えらいなあ」などと丁寧にいわずに「ああ、えらぁ」などと言ったりすることがあります。「ああ、しんどい」という意味で「ああ、しんど」といったするのと同じでありませう。
最後の「えらいこっちゃ」の「えらい」はいろいろな意味を含んでおります。「大変や、骨ががおれるなあ、しんどいことや」などなど、なんかあっても、場合によっては「えらいこっちゃ」の一言で事をうやむやにすることができる場合もある、便利な言葉です
かようなしだいで、今日の日記の表題を翻訳しますと「ほんまにえらいかどうかは知らんけど、偉いさんが来るとすごく疲れてしまうなあ」「ほんまに、やってられんなあ」という意味でございます。
GGIの説明はかなりいいかげんなものですので、もっと正確にお勉強をしたいと思われる方は、學校の先生向けに書かれたものと思われる《関西弁の「えらい」についての考察》と題されているサイトがありますので、どうかご覧になってください。
では今日の授業を終わります
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・
このマンションの建築工事が始まったとき、工事現場に《建築主は「関電不動産」です》という看板がかかっていましたので、GGIは、関電さんて物持ちなのだなあ、何かとお騒がせの原発を持っていてあっちこっちにお金をばら撒いているだけではなく、あっちこっちに土地を所有しているので不動産会社まで持っているのだあ、と感心してしまいました
歩道のダークスーツのみなさん、今日はマンション完成記念のセレモニーか何かがあったのでせうか、みなさんキチンとした姿でブラブラしながら何かを、誰かを待っているようであります
なんだろうと思ってしばしGGIも何かを待っておりましたら、やがてマンションのガレージから黒塗りの大型車、いかにも高級車然とした乗用車が二台、そろりそろりと出てまいりました。
すると、まず先頭の高級車に向かってダークスーツ氏何人もが突進、車を取り囲むようにして中に乗っている人物に向かって深々とお辞儀をしました。最敬礼です。
これらのダークスーツ氏らの最敬礼、テレビに映った何か不祥事の記者会見でおなじくダークスーツの諸氏が謝罪の頭を下げている場面とくらべてもあまりお目にかからないリッパなものでしたので、思わず感心してしまいまいた。国会議員なんか、何かのことで謝罪しなければならない場合であっても、アベ君や菅君で分りますように、まかり間違ってもこの様な最敬礼はいたしませぬ、チョコンと形だけ頭を傾けるに過ぎませぬ
今日の写真はこの最敬礼氏たちの姿を撮ったものです。どうかクリックしてご覧になり、最敬礼ぶりをしかと観察なさってください。写真に写っている左側の最敬礼氏なんかきちんと伸ばした両手をピシッとお尻につけて見事な姿勢です・・・
この最敬礼氏たちはいずれ出世するかもしれませぬ、そうでない場合は謝罪要員として重宝がられるかもしれませんぬ。
他に、ただ突っ立っているだけの何人ものダークスーツ氏がおりました。彼らはやや手持無沙汰ふう、何か小声でさんざめいております。
「ほんまに、えらいさんが来るとえらいえらいなあ・・・」
「ほんまやなあ、えらいこっちゃ・・・」
みなさん、彼らはさかんに「えらい」を連発しておりますが、何を言っているのかお分かりでせうか
まず、「えらいさん」は全国どこでも使う表現ですのでお分かりでせう。「お偉いさん」のことであります。これは会社や役所なんかの「えらい」ひとを指す言葉ですが、言った本人は必ずしもほんとうに「偉い」などとは思っていないと申しますか、偉いとされる人物を茶化すと申しますか、揶揄する意味合いを有している表現です。たとえば「うちのえらいさん、頼りにならん、どこがえらいんや」などと言ったりすることが珍しくありませぬ。
さて、そのつぎの「えらいえらいなあ」は少しわかりにくいですね。「えらい」は関西では広く使われる言葉ですので、関西の方はすぐにお分かりになるではないかと思います。二回「えらい」という言葉が繰り返されていますが二回目の「えらいなあ」の「えらい」は「疲れる、しんどい」という意味であり、関西では多用される表現です。
一回目の「えらい」、これはちょっと複雑であります。本来であれば「すごく」「とても」「非常に」などと言う意味で「えらく」と表現するべきところなのですが、関西では「すごく」という表現はあまり用いられていないようであり、「すごく」などという意味であっても「えらく」ではなく「えらい」で済ませてしまう傾向が強いようです。
たとえば、お店が混んでいる場合、「この店、えらい混んでるなあ」とは言っても「えらく混んでるなあ」とはあまりいいません。このような場合、あるいは「えらく」とはいわず「えろう」などと言ったりすることも多いようです。「この店、えろう混んでるなあ」というわけです。他に「えろう」は、たとえば「昨夜の雨、えろう降ってたなあ」というふうに使いますね・・・
後ろに来る単語が名詞ならば「えらく」ではなく当然形容詞の「えらい」になります。たとえば「昨日はえらい雨やったなあ」。でも標準語ではこのような場合「えらい」は使いませんね。「すごい雨だった」とか表現するでありませう
関西弁では「すごい、非常な」と言った意味で「えらい」はよく使われます。たとえば関西では「あいつ、えらいアホやでぇ」とか「これはえらい事件や!」などと言ったりしますが、このような使い方は標準語ではしませんね。標準語なら「あいつ、すごいバカや、これはすごい事件や」などとなるでありませう
さて、つかれた、しんどい、という意味での「えらい」、このような場合、定かではないのですが、わが湖国では「えらいなあ」などと丁寧にいわずに「ああ、えらぁ」などと言ったりすることがあります。「ああ、しんどい」という意味で「ああ、しんど」といったするのと同じでありませう。
最後の「えらいこっちゃ」の「えらい」はいろいろな意味を含んでおります。「大変や、骨ががおれるなあ、しんどいことや」などなど、なんかあっても、場合によっては「えらいこっちゃ」の一言で事をうやむやにすることができる場合もある、便利な言葉です
かようなしだいで、今日の日記の表題を翻訳しますと「ほんまにえらいかどうかは知らんけど、偉いさんが来るとすごく疲れてしまうなあ」「ほんまに、やってられんなあ」という意味でございます。
GGIの説明はかなりいいかげんなものですので、もっと正確にお勉強をしたいと思われる方は、學校の先生向けに書かれたものと思われる《関西弁の「えらい」についての考察》と題されているサイトがありますので、どうかご覧になってください。
では今日の授業を終わります
なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・