UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

巨額原発マネー物語:関電マネー・スキャンダルの背景(前編)

2019-10-17 01:11:20 | 日記
今日はおカネの話、それも巨額なマネーの話です。少し以前の日記で知人がわざわざ見せに来てくれた一千万円の札束の写真を紹介してグダグダとどうでもいいことを書きましたが、今日はどうでもいい話ではありません。いたってマジメ(退屈?)な話です。

みなさんもよくご存知の関電マネー・スキャンダルを中心として巨額原発マネーについての話です。もうすでに皆さんがご存知の話も多く、すこし退屈かもしれませんが、おつき合いいただければ幸いです。原発推進のために巨額のカネが動いている話だろう、そんな話珍しくもなんともない、もう分かったと達観されている方どうか読み飛ばしてくださいませ。

先日、関西電力の役員らが原発が立地されている福井県高浜町の元助役から計3億2千万円もの現金や金の延べ棒や金貨などを受け取っていたことが世間にばれてしまいましたね。新聞などの報道によれば、このスキャンダルの中身は関電の工事を受注することに成功し利益を得た企業から元助役へ裏金が渡され、その一部が関電の役員らにキックバックされたものであるとされています。ことの詳細はいまだ不明ですが、おそらく関電が元助役の要求に従い、元助役の息がかかっている建設会社へ工事を発注したことが、このスキャンダルの直接の原因であると考えられます。おそらく裏金捻出のために工事費は通常よりも高値だったのではないかと推測されます。
 
なぜこのような誰が考えても非常識な闇取引とも言えることが行わていたのでしょう。一言でいえば、関電が何が何でも原発事業を推進し利益が上げようとしていたからでありませう。

このように関電をはじめとした大手電力会社が福島原発事故の後も依然として原発を推進しようとしていることの背景には、国による強力な原発行政・原発政策が存在しています。

1970年代以降、国は原発を推進するために様々な施策を講じてきました。その結果、年々巨額の「原発マネー」が動くことになり、この巨額のマネーが電力業界や受け入れ自治体などに腐敗をもたらしていると言ってよいでありませう。すなわち、このたびの関電マネー・スキャンダルはその一端が露呈したに過ぎないと言うべきでありませう。
 
国による原発推進のための主な施策の一つは、原発が立地されている自治体に交付される「電源三法」(電源開発促進税法、電源開発促進対策特別会計法、発電用施設周辺地域整備法)と称される法律に基づく交付金です。

この交付金は潜在的に非情な危険性を有している原発が設置される自治体や地元による反対を抑え原発を受け入れさせるためのものであることは明白です。この交付金がなければ危険な原発を受け入れる自治体はないと言っても過言ではありません。つまり、電源三法に基づく交付金は日本の原発推進を支えるために欠かすことができない屋台骨とも言うべきシステムなのです。

これらの交付金の内容は「原発のコスト」(岩波新書、2011年11月、大島堅一:大佛次郎論壇賞)によれば以下のようなものです。

著者の大島氏は資源エネルギー庁が公表している資料に基づいて以下のように計算しています。たとえば135万kwの原発の場合、「原発1基あたり、建設期間を10年とした場合、まず運転開始までに449億円が自治体に交付され、運転開始以降は地元自治体に主に固定資産税を中心とした収入がもたらされます。運転開始後も年間20億円程度の交付金が出され、運転開始後30年を超え、原発が老朽化すると新たに原子力発電設立地地域共生交付金が追加され、30~34年目は30億円程度が自治体に入ります。これらをすべて合計すると、原発1基あたり1240億円が45年間のあいだに交付される」とされています。

一つの原子力発電所には数基の原発(原子炉)が設けられていますから原子力発電所一カ所で数千億円の交付金が自治体に入ることになります。原発を受け入れている自治体の多くは人口がせいぜい数万程度のちいさな町です。そこへ危険性の代償としてこのような大金が降ってくるのです。

少し以前のことですが、GGIは「原発のコスト」の著者である大島氏の講演を聴いたことがあります。そのとき、休憩時間に「米国などでもこのようにジャブジャブ交付金の類が垂れ流されているのでせうか」と質問しましたら、同氏は「いや、日本みたいにジャブジャブということはありません。米国の場合、これはあたりまえのことですが私企業である電力会社はそれぞれ独立採算性であり国に頼っているわけでありません。ですから、たとえば原発が老朽化して延命のために多額の費用が要し、その費用を費やしたのでは採算が取れないとなると、原発をやめてしまうという電力会社もあるのです」と述べておられました。

原発(原子炉)はその建設時期や運転期間、発電容量が様々であるため各原発についての交付金の額も様々であると考えられますが、仮に原発1基あたり平均1000億円程度が交付されているとするならば、これまでに建設された50数基の原発について出された交付金は合計5兆億円余に達しているのではないかと推測することができます。

このようにシャブシャブ国から交付金の雨が降ってくるため、原発が立地されている自治体は巨額の交付金で「マネー漬け」の状態にされています。このため、立地自治体の多くは今では交付金なしでは予算を組むことができない状態に陥っています。すなわち、もう原発をやめたくてもやめられない状態に置かれているのです。いわば「薬漬け」すなわち「シャブ中」、麻薬中毒と同じことであります。これは国による公認の意図的な「薬漬け」政策が原因の中毒症、すなわち原発依存症であります。この依存症、いまではきわめて重篤、もうやめたくてもやめられない・・・

一方、これらの交付金の財源はどうなっているかと申しますと、電源開発促進税という名の税金がその財源です。この税の納税義務者は大手電力会社です。ですから、法的には電力会社が課税され税金を国に納めることになるのです。

ところがです、この課税には抜け道があるのです。すなわち税金納入の義務がある電力会社は、納入すべき額を電気料金に転嫁してしまうという仕掛けになっているのです。つまり電気料金に税負担分を上乗せして消費者に支払うよう求めるのです。すなわち、実質的には国民がこの巨額の原発マネーすなわち電源三法による交付金を負担しているのです!そして羊の如くおとなしき国民は、だまされているともしらずにこの税金を負担してしまっているのです。その結果が「薬漬け」・・・国家的シャブ中という無責任社会・・・ギャンブル依存症どころの騒ぎではありませぬ・・・

ここまで巧妙な仕掛けになっていることを知りますと、GGIはもうやけのやんぱち日焼けのナスビ、自暴自棄になって高らかにバカ笑いするしかありませぬ・・・

ですから、国はいくら電源三法による交付金を立地自治体に出そうとも恐いものなし、交付金の財源はいつでもたっぷりあるからです。もちろん大手電力各社も、自分の負担が増えるわけではありませんから恐いものなしであります。このようにして長年にわたり国民から調達した巨額の原子力マネーが原発をめぐって動いてきたのです。国、電力会社、立地自治体が三位一体となった強固なトライアングルがこの原発推進システムを操ってきたのです。

巨額のマネーが動くとろろには必ず腐敗が生じるということは、この日本ではいまだに自治体などが発注する公共工事などで談合が盛んに行われいることから明らかのように、世の常であることを歴史がすでに証明しております。

さまざまな世論調査で、いずれも原発はもう不要と考える市民が常に過半数に達してはいるのですが、国が原発推進の政策を捨てる気配はまったくありません。したがって、建設業界の談合と同様にこの巨大原発マネーの世界は消えることはなく、腐敗もまた温存されることでありませう。このたび関電のスキャンダル、関電にしてみれば税務当局の調査でたまたま世間に知られてしまった、運が悪かったという話に過ぎませぬ・・・

今日の写真は3億円の札束です。一束一千万円の札束が30束積まれています。宝くじのサイトから無断借用いたしました

(この日記、たぶん続きがあります)

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

グッドナイト・グッドラック!
コメント (2)
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