UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

不勉強:2008年には15人もいたなんて・・・

2018-09-23 01:46:49 | 日記
秋のお彼岸でありますので、「今日は人間の生き死についての話を」などとと申し上げたいのですが、そのようなムズカシイ話はGGIの手にあまりますので、人の死に方についての話、つまり死刑についての話です。

これまで何度も記していますが、GGIは死刑に反対です。ですから、死刑問題については、死刑に反対ではない人たちよりは少しは知っているつもりでおりました。

ところが先日、オウム真理教の教祖と幹部13人が去る7月二回に分けて一気に処刑されたことについての某記事を読んでいましたときに、ある一文を目にして、思わず、エッ!と驚いてしまいました。

この一文の内容は以下のようなものです

《短期間で13人という大量執行は、近年類を見ない。1年間で10人以上が執行されるのは、2008年以来である。10年ぶりである。さらに、同じ月に2回以上の処刑を行うのは、極めてまれなことだ。》

GGIが驚きましたのは「一年間で10人以上が執行されるのは、2008年以来である」というくだりです。

エッ!いまから十年前、2008年にはそんなにたくさんの死刑囚が執行されていたの?GGIの記憶は定かではありませぬので急いて調べてみました。そうしましたら、さらに驚くべきことがわかりました。

2008年の執行状況は以下のとおりでした。

鳩山邦夫法相により10人(2月1日:3人、4月10日:4人、6月:3人)
後任の保岡興治法相により3人(9月11日)
森英介氏法相により2人(10月28日)

福田内閣と麻生内閣のときの法相による執行です。

これらの数字から分りますように、2008年はまさに死刑執行ラッシュとも言うべき年であったのです。何とオウム関係者13人に対する死刑執行を上回る計15人もの死刑囚が処刑されていたのです。

鳩山邦夫法相は二か月に一度のペースで、前年の12月にも3人に対して執行していますので、彼は在任中に計13人に執行したことなります。また、このため2007年12月~2008年11月の一年間には、何と18人もが死刑を執行されていたことになるのです!。一方、上川・現法相はこれまでのところ、オウム関係者を含め16名に対して執行しています。

鳩山法相は就任当初から死刑執行に積極的な姿勢を見せ、法務大臣の精神的負担を減らすために自動的に執行を認めるようなシステムを考えるべきなどといった物議をかもす発言をしていました。

なお、鳩山法相の時から、死刑執行時に法務大臣が記者会見して、執行者の名前と罪状を発表するようになりました。それまでは、法務省は死刑を執行した事実だけしか公表していませんでした。これまでよりは一歩前進ではあるのですが、依然として死刑の執行は事前に本人、家族や弁護士に知らされることはありません。本人は、執行の日の朝、突然知らされます・・・

鳩山法相、メッタにヤタラに死刑を執行していたなあ、ということの記憶はありました。そうであるのに、GGIの記憶には2008年という年が強く記憶に残っていなかったのです。この不勉強、恥ずかしきかぎりです。

人権団体の調べは、現在世界には約200余の国がありますが、7月現在、過去1年間に実際に死刑を執行した23カ国、そのうち過去5年間毎年執行している国はわずか11カ国(約6%)に過ぎません。もう死刑を執行する国は完全な少数派になっているというのがまぎれもない国際社会の現実です。この11の国のうちの一つがわが日本なのです。

こういうしだいですから、いつであったか某知人に「GGIは死刑に反対しているけれど、このままいけば日本は最後の死刑廃止国になるんじゃない?」と言われてしまったことがあります。この知人の言葉を強く否定する自信はGGIには正直申してありません・・・

司法関係の最も重要な「コングレス」と称される国際会議、第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)が,2020年4月20日(月)から27日まで開催されます。このため日本弁護士連合会はこの機会を生かすべく、一昨年の人権大会において「2020年までに死刑の執行停止の実現を」とする決議を採択しています。しかしながら、先行きはかなり困難であるというべきでありませう。

一方、来年は新天皇即位という「国家的慶事」があるために死刑は執行されないであろう、また翌年の2020年はこれまた国が「国家的慶事」であるとしているオリンピックが開催され、また上記の司法関係の重要な国際会議も開催されるため、国際的非難を回避すべく、法務省は死刑執行を一時的に停止するのではないか、といったことも考えられるのですが、果たしてどのような展開になるのでせうか・・・

このような状況を考えますと、年内にもう一度、駆け込み死刑執行ということにもなりかねないとGGIは懸念しております。

けれども、希望がまったくないけではありません。8月2日付けで共同通信は以下のように伝えているからです。

《ローマ法王フランシスコは2日、ローマ・カトリック教会が今後、死刑制度に全面的に反対する方針を明らかにした。教会はこれまで、ごくまれに死刑が容認されるケースがあるとしていたが、一切認めない立場に変更した。ローマ法王庁(バチカン)が発表した。法王は極めて深刻な犯罪を行った者にも人間の尊厳はあるとして「死刑は人間の尊厳への攻撃だ」と指摘した。教会は世界から死刑制度が廃絶されるよう働きかけていくとも表明した。》

バチカンの発表は8月2日、前月の7月におけるオウム関係者の大量処刑のことは海外にも広く伝えられていましたから、ローマ法皇もこの日本での大量処刑のことを当然ご存知であったことでありませう。

法務省幹部は、法務大臣が代わるたびに、おそらく死刑問題について真剣に考えたことなど一度もない新大臣に死刑執行を迫ります。ほとんどの新法相はこの法務省幹部の求めに唯々諾々と従います。法務省の高級官僚のみなさん、もう何も分かっていない法務大臣の陰に隠れていつまでも時代遅れの死刑制度に固執することはやめるべきです。

日本は世界に冠たる八百万(やおろず)の神の国だからローマ法皇の存在なんて関係ないなどと見当違いのことはおっしゃらず、なぜローマ法皇がこのような公式発言を行うのかよくお考えになり、国連犯罪防止刑事司法会議が日本で開催されるのを機会に、死刑停廃止に向けて法的措置を講じることを真摯に検討されるよう、日本の一市民として強く希望します

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

今日の写真は昨日の秋空です。西武さんの屋上から撮ったものです。よろしければクリックしてご覧になり、思いっきり深呼吸してみてください。

グッドナイト・グッドラック!