UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

シップ・オブ・ザ・イヤー乗船記、その三:あっ、百円玉がコロコロコロ・・

2017-12-26 01:35:38 | 日記

沖島の漁業組合事務所での豪華昼食会は鍋を囲んで六人でひとテーブル、みなさん初対面どうしでありましたが食事がすすむにつれ打ちとけ、和気あいあいでありました

GGIの左隣は中年の女性、席についたとたんに

「あら、先日お会いしました方ですよね?ほら、《もやい》という貧困者の生活支援をしているNPOが先日湖都の市内で行った貧困問題についてのセミナーで」

GGIの記憶はもう一つ定かではありませぬ。あれは十月末のことだったかなあ、あのときは出席者は20人たらずでありましたので覚えておれらたのでありませう(10月末に行われたこのセミナーことはこの日記の以下のサイトなどに数回に分けて書いております)

http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20171031

「そうでしたね・・・あのセミナー、なかなか中身があってよかったですね」と当たり障りのない返事をいたしまいたら

「そう、とても勉強になりました。ところで私、いまワーカーズ・コープで仕事しているのです」

何?、でもどこかで聞いたことがあります。何か本が出ていたような気もいたします。正式名称は《日本労働者協同組合》、「働く市民が主人公となって、人や地域に役立つ仕事おこしを進める組織」とのこと、どうもこの女性、見かけは穏やかでそうでありますがGGIなんかよりずっとしっかりされているようでありましたので、少しずつ話題を逸らせていきました・・・

そして右隣のオジサンとその向い側のオバサンはGGIと同年配、京都の綾部出身で大阪は高槻からきたという夫婦、この二人とは、御馳走を前にして、「あの頃は玉子が大のご馳走やったなあ」などと、もっぱら終戦時の食糧難の時代の想い出話で盛り上がりました。

GGIの向かい側は、この場にちょっと場違いではないかと思ってしまう、うら若き女性でありました。

「あの~、どちらから来られたのですか?」

「私、ここに住んでいます」

「えっ、この島にすんでるの!ここで育ったんですか?」

「いえ、私、学生です、彦根にある県立大の学生なんです」

「そうかあ、大学生なの、だけどどうして沖島に住んでいるの?」

「私、家は大阪なのです、実は私、あの~、湖国のことは何も知らなくて、はじめ、彦根って湖都大津の隣にあるぐらいに思っていたのですがとんでもない・・・最初、数カ月間は無理して大阪から通っていたのですが遠すぎて遠すぎて・・・それですぐに彦根で下宿したのです。そうしたら大学の先生に、沖島はええところや静かで、と言われて沖島に来てみたらすっかり気に入ってしまって・・・でも通学はたいへん、一時間に一本あるかない連絡船に乗って、対岸に置いてある軽の車で彦根へ、先日は対岸に着いたところで車のキー忘れたことに気づいて大変やったあ、今日も寝坊しすぎて起きたのは11時、それであわててここに・・・

沖島では女性たちを中心とした地域おこしのような活動を手伝っているとのこと、まことにくったくのない明るい学生さんでありました。

食事のあとは同じ場所で様々な関係者によるシンポジウムと交流会、GGIは早起きしたのと大馳走の後のことでもありましたので猛烈な睡魔・・・眠気覚ましにと下に降りて漁港の周辺をぶらつくことにいたしました

漁港を望む漁業組合の事務所「沖島漁業会館」の一階は作業場になっています、漁協のオバサンたちがせっせと働いています。特産品なども売っています。

天気は良かったのですが、やはり風は冷たく、何か温かいものが欲しいなあと思っていましたら作業場の黒板に「あたたかいコーヒーあります、200円」とチョークで書いてあります。これはラッキー、つくだ煮かなにかの包装作業をしているオバサンに声をかけました

「おばちゃん、コーヒーあるの?ほんまに温かい?」

「あります、温かいですよ、飲む?」

「うん、飲む」

「それなら、そこに座って待ってて、すぐに持っていくから」

ややあって、コーヒーが出てきました、オバサンはすぐに仕事に戻っていきました

コーヒーは十分に温かく、GGIは満足でありました。飲み終わっておカネを払おうと、百円玉を二個、ポケットから取り出して手にしようとしましたら、そのうちの一個があえなく落下、コロコロコロと転がって下水溝に・・・アッチャー、あわてて拾おうとしましたが、下水溝の鉄格子のフタ、外そうとしたのですが、GGIの微力ではびくとも致しませぬ

しゃあないなあ・・・下水溝の底でキラリと光っている百円玉の証拠写真を撮ってから、コーヒーを持って来てくれたオバサンに声をかけました

「あのなあ、おばちゃん、金はらおうと思うたら百円玉が一個、いやがってここの下水溝に逃げ込んでしもうた、ほら、見えるやろ、あそこに光ってる、ウソやないで、ほら、このデジカメの写真、見てみ」

「そんなもの見んでも、ちゃんと見えてる、あれやろ、それなら、百円だけでええわ、あの百円玉はあとで取るから」

「おおきに、じゃあ、これ、百円」

百円を払ってからしばらく作業場をぶらついておりましたら、先ほどのオバサンが戻ってきて、下水溝の前にして腰を下ろし、エイヤッとばかり下水溝のフタを見事に持ち上げ、百円玉を回収しました

「わあ~、おばちゃん、力持ちやなあ!」

「何言うてんの、こんなことぐらいで力持ちなんかやない、あのネコ車の横に立っているオバサン見てみ、あのオバサン、このフタなんかよりずっと重いお米の袋、ここまで持ってきはったんやで」

GGIはさっそくこのオバサンに接近して聞いてみました、ネコには重そうなお米の紙袋が二つ乗っています、袋にはサインペンで「新米」、

「おばちゃん、この袋、重さどのくらい」と言いながら、持ち上げようとしましたがとてもとても・・・

「この袋、一つで15キロや」

どうりでGGIには明らかに荷が重すぎます

「おばちゃん、こんなに重いのにここまでよう持ってきたなあ、あそこのおばちゃんがそう言うてはったけど・・・ほんまに力持ちやなあ!」

「何言うてるの、あのなあ、港の桟橋から、あそこにいる兄ちゃんがここまで運んでくれはったのや、私はここからネコ車で家まで運んでいくだけ」

「オバちゃん、この島、ネコがやたらに多いなあ」

「そうや、そやから、あそこに、ネコに食べ物やらないでくださいって書いてあるやろ」

島のみなさん、とても元気で言語明瞭であり、話しているうちに眠気は去っておりました

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

今日の写真は作業場で働く漁協のオバサンたちと百円玉が逃げ込んだ下水溝を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ

グッドナイト・グッドラック!