みなさんご存知のように昨日、「特定秘密保護法」なるものが衆議院で承認されました、今日の新聞はこの法案の記事が満載でした
でも法律の条文をちゃんと読んでいる人は、弁護士さんなど法律の退屈極まる文体に日頃慣れ親しんでいる法律関係者や、やむを得ず条文を読まざるを得ない記者さんなどほんの一部でありませう
ですから揚げ足をとるわけではありませんが、おそらくあなたは特定秘密保護法案にニュースにはたくさん接していても、その条文をちゃんと読んだことはほとんどないのではありませか?
そこで今夜、新進気鋭の法律家GGIといっしょに少しだけこの法律をちゃんと読んでみませう、法律の条文で一番大切なのは、やはり前文あるいは「総則」であります、そこにどのような法律を何のために制定するのか、その理由と目的が記されているからです、では少し退屈ですが特定秘密保護法の「総則」と題されている前文を読んでみませう
「第1章:総則(目的)
第1条:この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ。)に関する情報のうち特に隠匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏洩の防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする」
どうです、みなさんお分かりいただけましたしょうか?GGIにはわかったようでわからない、というところです、まずですね、なぜこのような法律がいま必要とされるのか、ここが一番の問題ですね、その理由は、この条文の文言に基づけば、安全保障に関する情報の重要性が増しているが、一方においてインターネットなどで情報漏えいに危険性が増大しているからしっかり漏洩防止を図ることが今や必要とされている、ということでありませう
でもですねえ、安全保障に関する情報が大切であることも、またインターネットなどで情報が漏れることも、昨日今日に始まったことではありませぬ、これらの問題に対して政府機関はそれなりにこれまで努力をはらってきたはずです、それなのに、まぜ今、あらためてこの法律が必要なのでありませうか?
この法律が今必要であるとする理由について考察いたしますと、上記の条文に記されている内容のみに基づいて考える限りは、安全保障に関する情報の重要性が増大しているとしてもこの期に及んで急激に増大しているとは思われませんから,情報の重要性の増大ということはその理由ではなく、結局のところ「高度情報社会ネットワーク」、すなわちインターネットよる情報漏洩の危険性の増大ということがその主たる理由であると考えられます。
この理由は正解であり十分に妥当性を有しています、と申しますのは、みなさんご存知のように最近、米国の栄えあるCIAが世界中でインターネット通信網から各国の政府機関を対象に情報収集を行っていたことが明らかになったからです、たしかにこのスキャンダルにより、高度情報社会ネットワークとやらによる情報漏えいの危険性は増大していると言えますから、その意味で、この条文の文言は正しいのです
でも、ここで注意しなければならないのは各国の政府機関の人間が密かに秘密をCIAの漏らしたのではないということです、ですからインターネットによる情報漏えいの危険性というのは、より具体的に考えるならば、身内の者が外部にインターネットを介して漏えいする危険性ではなく外部の者により情報が盗まれる危険性を意味しているのですを
このことから、この法律の上記の条文をGGIが正確に解釈いたしますと、すなわちこの条文の枝葉の部分を除いて解釈いたしますと、一言で申し上げれば、インターネットという「高度情報社会ネットワーク」により安全保障に関する情報が外部の者により盗みだされる危険性が増大しているから、その対策を講じる必要があるのだということになります
この「総則」にはいろいろゴチャゴチャ書いてありますけれど、一言でいえば,たったそれだけのことなのです、それであれば、GGIの考えるところによれば世界の優秀なるハッカーでも集めるなどして、インターネット経由の情報漏えいに対抗する対策を「構築」すればよいのであります、何もこんなイカメシイ法律なんか作る必要なんかないのであります
つまり「高度情報社会ネットワーク」とやらによる情報漏えいの危険性以外には、この条文には他の手段や経路(たとえば007やその他のスパイの大活躍など)による情報漏えいの危険性は指摘されていないのですから、この条文の文言に基づき論理的に考えるならば、インターネット対策だけを徹底して講じれば、この法律の目的の大半は達成されるはずであるということになります
ところがですね、この法案、どこにも外部の者によるインターネットを経た日本政府機関への侵入防止に関する記述はまったくありません、「特定秘密」とやらの種類や罰則やら秘密を扱う者の資格がどうのこうのということなど日本政府の機関の内部による秘密漏えいの防止に関する事項はわんさと記載されていますが、CIAなどの外部からのインターネット侵入者に対する記述は皆無であります、ですから、第二章以下のこの法律の具体的内容を実行に移したとしても、この法律の「総則」に基づいた法律の主たる目的は、すなわちインターネットによる秘密漏えいの防止という目的は、達成されないでありませう、
日本政府の機関内に「売国奴」とやらがいっぱいいるのであれば話はベツでありますが、そんなことは、つまり内部に売国奴がいっぱいいるので情報の漏えい防止の必要があるなどとはこの「総則」には一言も書いてありませんから、この法律、「総則」に記されている内容と、内部の者による漏えい防止を主な目的としているこの法律の第二章以下の内容とは異なったものになっているのです、まことにアホな話であります・・・・
なぜこんなアホなことになっているのでありませうか、GGIが考えますところ、この法律案の起草者、実際に重要なのは第二章以下の内容であるのだけれども、何かカッコつけるために、もっともらしい前文(総則)が必要であると思って、あまり深く考えずにテキトーな内容の前文をでっち上げたのでありませう・・・・
何をGGIゴチャゴチャ言うてるのや、この法律の真の目的はそんなことやないのや、情報統制や、新治安維持法やとかいろんな議論があるのかもしれませんが、厳密にこの法律の「総則」に記されている文言の内容のみに基づきますと、このような結論にならざるを得ないというのが今夜のGGIの若干強引なる結論であります
秘密のアッコちゃんはどうお考えでしょうか、一度ご意見をうかがいたいものです
ヘンな話になってしまいました、ゴメンナサイ
よろしければ写真をクリックしてご覧になり、GGIによるうっとうしい話を忘れて下さいませ、
グッドナイト・グッドラック!