透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

繰り返しの美学について語る の巻

2009-02-27 | B 繰り返しの美学

「ごめん、遅くなった・・・」
「あ、いえ。U1さんが遅刻するって珍しいですね」
「駐車場がいっぱいで、別の駐車場を探していたから・・・」
「そうですか。今日、なんだか混んでますよね」
「久しぶりにいい天気だからかな。梅も咲いているし。Kちゃん、それチーズケーキ?」

「あ、そうです。ここの美味しいんですよ」
「じゃ、コーヒーとそれにしよう」
「私、U1さんのブログ、読んでますけど、今年は日本庭園について勉強するとかって書いてありましたね・・・」
「そう、日本人の美意識について、少し勉強してみようと思って」
「ふ~ん。そうなんだ。それに繰り返しの美学も対象を広げるとかって書いてましたね」
「そう、よく読んでるね」
「だって、読めってパワハラ気味に私に強要するんだもん」

「パワハラ・・・、そんなことないでしょ。これ、京都で撮った銀行の写真だけど今までのって、みんな、こんな感じだったでしょ」

「あ、そうですね。おんなじものが、規則的に並んでいる、このパターン」



「繰り返しの美学って、何を繰り返すのか、どのように繰り返すのか というふたつの観点から捉えることができると思うんだよね。で、今までは建築に絞って、この写真のように全く同じものが等間隔に直線的に並ぶっていうパターンね。でも、ほらこの写真のようなパターンね。こういうのもあるんだよね」
「画面が光ってよく見えない。ちょっとカメラ貸して下さい。あ、これですか。これは同じ大きさのピンクと白の四角が市松模様に繰り返してますね」



「そう。平面的な繰り返し。それにピンクの四角のイノシシと白い四角の赤い花となにかな、も少しずつ形は違うけどそれも繰り返しているよね。こういうパターンも取り上げることにすると、いろいろあるよね」
「そうですね。私はさっきの写真のようなパターンに洗脳されちゃってますけど」



そう、じゃこのひまわり畑は?」
「ここどこですか?」
「堀金の道の駅の南側の畑」

「あ、あそこですか」
「そう、去年かな、撮った写真」

「これも繰り返しの美学だって言われても・・・。ちょっと、なんていうのか・・・、ピンと来ないです」

「そう・・・」

「でも、ひまわりって本当に同じ方を向いているんですね」
「そうだね。でね、これがコスモスだったらどう?花の色が白やピンクや赤に近い色とかあるし、花の向きだってバラバラで、こんな風にそろわないよ。だからひまわり畑って、やっぱり繰り返してるんじゃないのかな?」
「そうか・・・。繰り返し度って言うんでしたっけ? 秩序度でしたっけ? それがコスモスよりひまわりの方が高いってこと、ですか?」


「そう。まあ、繰り返しの美学の対象というか範囲って曖昧だってことなんだね。こういうパターンも面白いかなと思って・・・、そうすれば街並みの美しさも繰り返しの美学ということで説明できる・・・」
「そうですね。そのことも書いていましたよね。ヨーロッパの街並みが美しいということで。う~ん、そうすると桜並木も繰り返しの美学、なんですか・・・」


 


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