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■ 「ぼくはこんな本を読んできた」 今回は『愛の無常について』亀井勝一郎(角川文庫1968年改版10版)。
1968年、ということはもう50年以上も前の文庫本! 紙の本はものとして存在する。今はやりの電子本は情報だけであって、紙の本のようにものとして存在しているわけではない。だから、50年後も直ちに取り出して読むことができるかどうか・・・。紙の本は何年経とうが書棚に並べてある限り、いつでも取り出して頁を繰ることができる。やはり紙の本は良い。
紙の本は記憶装置としても機能する。線を引いてあったり、書き込みがあったり。それらを見てあれこれ考えると当時のことが記憶の古層から浮かんでくる。
『愛の無常について』は角川文庫の他に旺文社文庫、講談社文庫、ハルキ文庫にも収録されている(ウィキペディアによる)。やはり亀井勝一郎の代表的な著作ということなのであろう。 再読したい。