『空間の日本文化』オギュスタン・ベルク 宮原信 訳/ちくま学芸文庫
■ 日本の空間を論じた本は書店で目にする度に手に取ってざっと目を通し、面白そうなものは買い求めて読んできたが、この本については全く知らなかった。文庫の1刷発行が1994年、単行本の刊行が1985年だから長年書棚に並んでいただろうに・・・。
先日、丸善で買い求めた数冊の本のうちの1冊。
「Ⅰ 環境に置かれた主体 空間の精神的組織化」
「Ⅱ わがものとなった列島 空間の技術的組織化」
「Ⅲ 国土の一体化 空間の社会的組織化」
各章のタイトルからしてなかなか難しいが、Ⅱ章の「遠近法の拒否」「街路は住民のものである」「内側を包む」「「おく」に向かって進む」「場所の発生と境界域性」などは理解しやすい内容だろう。
本書でまず論じられるのは日本語の構造。どの程度理解できるか分からないが、とにかく読み進むことにする。
**フランス日本学の若き第一人者による画期的な日本論。日本語の構造、心のありよう、家族・企業などの組織原理、都市空間、土地利用など、日本文化特有の有機的な空間性を多面的に検証し、統一的な視座を提出する。外部からの光により浮き彫りにされる日本的空間の全体像。**(本書カバーの紹介文より)
たまには読み応えのある本をじっくり読むのも良いだろう・・・。