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■ 国道153号を南下、JR小野駅前の信号を右折して数分生活道路を走ったところに立っている火の見櫓。4角形の櫓に4角形の屋根と、同見張り台。南信方面にあるごく一般的なタイプの火の見櫓。
屋根の形に注目。中央部はかなり急勾配で周辺は緩勾配。この形状に機能的な必然性は無いだろう。職人の美意識の反映か。平鋼のフックのような蕨手、くるりんちょとは呼び難い。
4隅を面取りした4角形の見張り台。手すりのハートを逆さにしたような飾り、このデザインはよく見かける。
見張り台直下のデザインに注目。火の見櫓には欠かせないリング式ターンバックルを横にふたつ並べたデザイン。こうしたのは下の段のように入れるとブレースが角度的に効きにくいという構造的な理由からだろう。
踊り場の床が半分しかないのは、後方は梯子の上り下りには不要、という判断からだろう。梯子の両側に簡易な手すりを付けてあるが、床は全面ある方が消防団員にとっては安心だろう。
次は脚元の様子。既に何回も書いたが、脚のデザインをしていないのが残念。末広がりのきれいなカーブな脚部だけに惜しいとは観賞者の勝手な言い分。