透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

1171 千曲市稲荷山の火の見櫓3

2019-05-03 | A 火の見櫓っておもしろい


1171 千曲市稲荷山 千曲市ふる里漫画館 4脚4〇KP型

■ 前稿の火の見櫓を見た後、進路に迷ったが、勘を頼りに進んでこの火の見櫓と出合った。前もって所在地を調べてしまうと、「あ、あった!」という喜びが無い。県内の火の見櫓巡りではできるだけ下調べをしないで出かけることにしている。

この背の高い火の見櫓は千曲市ふる里漫画館の敷地の一角、道路沿いに立っている。新緑の里山を背景にシルバーの火の見櫓が映える。天気が良くないので、色が冴えてはいないが。





中間にある踊り場はバルコニーのように櫓の1面から持ち出されたカンガルーポケット。こうすると櫓の内部に踊り場を設けるよりも梯子をより傾斜させることができるというメリットがあるだろう。櫓の全周に張り出すより簡易なつくりで、経済的というメリットも。中南信地域にこのような合理的と思われる型の踊り場がない(と言い切って良いのかどうかわからないが)のはなぜだろう。「火の見櫓、かくあるべし」火の見櫓の型に対するこだわりがあった、ということなのかもしれない。



櫓の外側に設置した梯子から櫓内部に入り込むための開口部、この火の見櫓ではΛ形に直線部材を設置している。水平部材(横架材)の間隔が広いから、これでも消防団員は支障なく内部に移動することができる。脚部を見ると1面だけ、ブレースではなく、アーチ部材を用いて開口を設けている。梯子の掛け方からして、4面すべてブレースを設置しても支障ないのに、なぜこのようにしたのだろう。梯子の掛け方を途中で変えたのかもしれない。合理的な理由が見つからない。


 


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