■ 11月になった。今年も残すところあと2ヶ月・・・。先月の読了本はこの4冊。
『夜明けの縁をさ迷う人々』小川洋子/角川文庫
小川洋子の小説には海外作品のような雰囲気があるが、この短編集に収められている9編の作品もやはり同様。「曲芸と野球」は曲芸師と野球少年の交流を描いた作品。「教授宅の留守番」は驚きのラストのミステリー。
「イービーのかなわぬ望み」はエレベーターの中で生まれた少年が主人公というユニークな設定の作品。「涙売り」という作品もまた涙を売って暮らしを立てていた女性が主人公というユニークな作品。読みようによってはかなり不気味に感じる内容。
『錦繡』宮本輝/新潮文庫
何年ぶりかの再読。元夫婦の交わす書簡のみによって構成した作品。全てを失った男の再生物語として読んだ。
『忘却の河』福永武彦/新潮文庫
何回も繰り返し読む数少ない作品のうちのひとつ。初読は1981年。この作品のキーワードは「孤独」。
**御自分が寂しい人だから、わたしみたいな寂しそうな女を見ると親切にしなくちゃ気がすまないのよ。**(54頁)
『あの日からの建築』伊東豊雄/集英社新書
「建築を自然に近づける」「内と外の関係を考えなおす」「建築の形式性を崩す」 以上「第五章 私の歩んできた道」の小見出しの一部。建築について書かれた新書はできるだけフォローしたい。