透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「日本アパッチ族」

2014-09-27 | A 読書日記




30年以上前からダイアリーに入場券などを貼っている。

 小松左京の『日本アパッチ族』の再読を始めた。世田谷文学館で日本SF展を見たことが再読のきっかっけになった。

このSFを知ったのは高校生のとき。新任のA先生が生物の授業中に紹介した。もう40年以上も前のことだが、その時のことはかすかな記憶として残っている。本の奥付に昭和四十六年十二月二十日再版発行とあるから、記憶と符合する。水色のテープは10代、20代に読んだ本に貼ってある。

戦後の日本が舞台。廃墟で金属を常食するアパッチと呼ばれる鉄喰い人間たちの物語。アパッチたちが次第に勢力を増し、共闘して軍隊というか国家と戦う。

小松左京の代表作で、ベストセラーになった『日本沈没』は日本という国を失った時、日本人はどう生き延びるかをテーマにした壮大な思考実験だった。

『日本アパッチ族』は鉄を常食にする人間が主人公、などという奇想天外な発想のSFだが、日本の社会の在りようの問い直し、検証、とでも括ればよいか・・・。

昔の文庫は文字が細かいので読むのが大変。