高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、45年の歴史をもつ共同購入の会です。

下郷農協 養豚部会だより 2022年12月記

2023-05-09 09:00:00 | 生産者からのメッセージ
大分県中津市 下郷農協 養豚部会の石川栄二です。

「今の時代を乗り越えていくために」

2022年は
我が家にも農協にとっても
大変動の年でした。


2020年に養豚を継ぐと
帰って来てくれた息子夫婦でしたが、
その頃から餌代が上がるという話が出ていて、
その影響が次の年から如実に出始め、
2022年に入ると餌代が
今までの7割増し位になりました。
これもまだ戦争や円安等の影響があり先が見えません。

その上、未だに抑えきれていない
豚熱(トン熱)の影響で
雄豚が手に入らなくなり、
子豚がどんどん減ることで
2022年の出荷頭数を考えると、
息子夫婦も生活していくのが無理と考え、
仕事を探し始めたところ
元の職場が受け入れて下さり、
三月に大阪へ戻りました。

その間、孫が生まれたことと、
一年半くらい息子夫婦と過ごせたのは
幸せなことでした。

また老夫婦での養豚が始まりましたが 、
4月に雄豚が手に入り、
一番大変なオガコ豚舎の掃除も、
必要な時に移住者の若い人が
二人一組で入って下さるようになり、
お陰で豚たちの環境が維持できています。
新しい雄豚が入り、
新しい血が入るという事はこういう事か
と思うくらい子豚の育ちも良く、
今年の初めから出荷になります。


そして農協の問題が起こり、
これを機会にご縁があったグリーンコープ生協の方々が
農協の苦境に手を差し伸べてくださいました。

お陰様で農協商品の在庫はもちろん、
これから出る商品を
生産者も生活していける仕入れ値を考え
努力してくださっています。

今までは消費者の方の
買いやすい値段になっていましたが、
これからは生産者が生き残れる値段で
お願いしないと生産者がいなくなってしまいます。

戦争、円安、温暖化、少子高齢化等
これらを受け入れながら、
今の時代を乗り越えていくには
どうしたらいいかを考える、
大切な年にしなければいけないのではと思います。


下郷農協新聞 2023年1・2月号に掲載

※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2023年5月号より転載しました。
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