田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

黒い卵

2019-08-19 19:10:09 | 田園ものがたり
NHKで放映された(7/23) 『 夢食堂の料理人~64東京オリンピック選手村物語 』
             
日本各地から集められた選手村の料理人が主役です。
アフリカから初参加の選手の注文に驚きます。
目玉焼きのターンオーバーを、更にベリーウェルダンにしてくれ。
ステーキも、周りが焦げるまで焼いてくれ。
                
ダイニングの料理人たちは、この得体のしれないオーダーに首をひねります。
ヒゲは、TVを観ながら思い出した事がありました。

90年代の西銀座通りの田園。 新しい料理長に変わった頃の話です。
錦玉子(二色玉子)を作らせる為、「 明日、茹で卵を10個用意しておく様に 」と頼みます。
そして次の日、用意してある茹で卵をふたつに割ったところ ・・・ 
ぼうぜんとしながらヒゲは 「 コレは、何や? 」 と辛うじて言葉をつなぎます。
新料理長 「 アッ、まだ(?)煮えとらんだったですか?
          ちゃんと50分(!)茹でたつばってん ・・・ 」
ヒゲが割ったゆで卵の黄身は、黒くなっていたのです。
その瞬間、ヒゲは色々な事を理解しました。
                     
卵を長い時間加熱すると、温泉などで発生する硫化OOの影響で黄身が黒くなるのです。
理屈では知っていましたが、見るのは初めてです! (笑)
後から、料理長に訊ねました。
   「 君がついた親方は、割と年輩の方だったのだろう? 」
   「 ハイ。 和歌山の旅館で私が一番若かったせいか、
        年寄り料理長から可愛いがられて、イロイロ教えてもらいました。 」

ヒゲは、京都時代の話も思い出しました。
地方では、此処とまるで違うレシピで仕事する店があるから、気をつける事やでー。
特に、戦時中の食糧事情が悪い頃を経験した料理人は、とんでもない料理法を
持っている人たちが居るからな!

鮮度に、難がある食材が多かった当時。
絶対、食あたりしない方法が求められてました。
基本は、長時間加熱(過熱)です。
カァちゃんの実家の祖母ちゃんも、シャクを煮るのに異常なほど時間を掛けていました。
                     
神経質な性格も邪魔して、写真の様な赤い色も消え、シャクの風味も殺され、
黒く煮詰まって残念なものでした。

さて、冒頭の首をひねる若手料理人に、帝国の料理長が近づきます。
                
シェフ役の猿之助が言います。
   「 世界では、とんでもなく食糧事情が悪い国が在る。
       そういう所には、特殊な食生活が存在するんだよ。 」
                 
田園の新料理長の経歴を聞いたヒゲ。
田園の先行きに、不安と云うシェードがかかるのをぬぐい切れませんでした。
時代は、新鮮な食材が入るようになった日本。
ニューウェーブが湧き上がろうとしてる時代です。
こんな古いレシピで、時代遅れになりはしないか?

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2 コメント

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Oh~NO!! (batten)
2019-08-20 08:01:55
多分、オヤジ殿と一回りくらい若い私でも色んな職人さんと出会いました。

オマール海老や天然海老のミソをワタと思って除去して水で洗う人。
野菜のボイルになんでも塩を入れる人。
仔牛の出汁は炊きすぎて濁りまくり、魚の出汁は炊きすぎて味がひっくり返って、海老の出汁は炊きすぎてアンモニア臭。

調理技術と調理理論がリンクしてないのが悲しいです。
包丁の腕は悪くないし、舌の感覚も良い職人が
悲しいことにお能のレベルが低いと、もったいないですね。

写真の玉子を職人が出してきたら、私でもオー脳、もといOh~NOとなります。
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オーノー (ヒゲ)
2019-08-20 19:05:07
ヒゲが中1の時に、ケネディ大統領暗殺事件が起きました。
その時、中学生に流行ったのが、「オーノー」。
ジャックリーン夫人の悲鳴をパクったのです?
そして、時が過ぎて黒い卵を目撃したヒゲも、腹の中でジャックリーンしたのです!オーノー、笑。

ところでヒゲの修行時代、まだ調理師学校の黎明期。基本が定まってない料理人がうようよ。
特に熊本では、唖然とするようなつわものに出くわしました。
例のブリの水洗いの兄ちゃんみたいな。用語の定義さえ定まってない頃の和食はカオスでした。
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