田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

食器の変遷

2017-09-28 19:57:07 | 田園ものがたり
先日の藤園中学の同級会の時です。
前に座っていたG君が、器を見ながら話しかけてきました。
 「 最近な、どこでん、こん(この)器の出て来るね。 」
白い長方形で、三つに仕切られた前菜皿です。
“使い勝手”が良い食器のひとつです。
最近では、100均でも買えるようで。 (笑)
         

これを、前菜皿として最初に使い始めたのは、熊本に居たヒゲかもしれません。
70年代後半、熊本でも前菜皿は、フラットで長方形の皿がほとんどでした。
そんな或る日、ヒゲが我が家の倉庫を整理していた時です。
奇妙な薬味入れ(?)を見つけました。
普通は、二股に仕切ったモノが多いのですが、其れは三つ仕切りのモノでした。
たぶん、湯豆腐用の(おかか・卸し生姜・小ネギ)薬味入れでしょう。

湯豆腐の薬味入れと云うと、わりと特殊な用途の器です。
だから、どこでも申し訳程度の数しか置いてないハズ。
しかし、その三つ又薬味入れは、ナンと50個程も或るのです。
常用するに充分な数です。
当時の田園の器は、店のマークを付けての特注で、窯元に発注していました。
あまり使用頻度のない物は、割れることもなく大量に残っていたのでしょう。
コレは、何とか使えないか? ヒゲは考え込みました。
       
                ≪ こんなイメージ ≫ 

ピンときたのが、前菜皿の代用品です。
まぁ、使ってみると、とても便利なモノでした!
使い勝手が良いとは、この事でしょうか。
例えば、前菜にツブ貝を使うとします。
フラットで長方形の皿には、そのままでは盛れません。
ツルッツルと貝殻が転げるからです。
だから、練り塩と云う、粗塩に卵白を練り込むだ物を座布団に使います。
或いは、銀杏やムカゴなども、転がるから銀ホイルに入れないといけません。
酢の物系も汁がたれるモノは、やはり銀パックなどが必要です。
このプロセスがとても、面倒(!)でした。

しかし、この三つ切薬味入れなら、そんな手間は要りません。
板場6人分の仕事を、ひとりで賄っているヒゲには、こんなありがたいモノはありません。
その頃の店では、おすすめ定食1.600円 が人気になり、数をこなさねばならなかった毎日。
手間が省けるのが、大きなメリットになりました。

そして今、随分な年月を経て、この三つ仕切りから六つ仕切り・九つ仕切りへと食器が評価され、
和・洋・中と幅広く活躍している。
まさかとは思いますが、70年代のヒゲの店に来た窯産業関係者からの ・・・ ?
「 コレは便利だ! 」 と言いながら、アイデアを持ち帰ったなんて事無いよね?(笑)
そんな不思議なめぐり合わせを夢想するひと時が、
同窓会の酒をより美味しく感じさせたので御座います。

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