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関東の建築現場では、北海道・東北の人が多い

2009-09-27 | 日記・エッセイ・コラム

                         

わたしは、北海道を出てから20年以上、自動車組み立て工場や、土木・建築の現場、ガス工事や電気工事や電話工事の現場で働いてきた。この首都圏の現場で働く工員や職人、土工さんは、圧倒的に北海道や東北からの出稼ぎが多い。あるいは、いまは首都圏の住人だが、出身は、北海道・東北という職人、技術者がとても多い。

つまり、関東の土木・建築の現場で働く多くの人が、地元の人たちだけではなく、北海道や東北からやってきている、ということだ。公共工事は、地元の県や町の業者だけが仕事をもらってうるおう、という単純なことではないのだ。

東京や神奈川や千葉の建築現場では、北海道ナンバーの車を日常的にみることができる。

有明で高速道路の橋脚をつくっていた。その現場の警備員をやっていたが、ある孫請け会社の土工さんたちは、全員、函館や江差、松前、森など、道南からやってきていた。

室蘭からやってきている、鳶のにいさんたちのグループもあった。左官の若者が、帯広ナンバーの軽に乗っていて驚いたこともある。芽室町から来ている、畑がはじまるから、もう帰るといっていた。

旭川ナンバーの鉄筋工にも会う。東京のど真ん中の現場に、札幌や釧路のダンプカーもたくさん出入りする。運転者とダンプカーでいっしょに出稼ぎにきているのだ。

現場だけじゃなく、事務所の中で、土木・建築にかかわる北海道出身者も多いだろう。北海道の友人の測量士は、冬の間、関東圏で仕事をしていた。

きっと関西の建築や道路工事の現場では、沖縄や九州からの出稼ぎの人が多いことだろう。

ムダな公共事業の見直し、けっこうなことだ。ただ、ゼネコンと地元業者と現場選挙区の政治家が、利権をあさって税金をムダにしている、という、そういう単純な構造でもないだろうな。現場で汗まみれで働いているのは、地方からの出稼ぎ労働者が圧倒的に多いのだ。

夏は、故郷で農民、晩秋から春までは、東京で土木作業員という人たちだ。こうして家族を支えている若者が多い。何十年もこの生活をつづけてきた熟練工のおっさんたちもいる。そして、地方の公共事業が減ってしまって、生活に困窮した土木・建築のプロの職人たちも、安い仕事でもいい、仕事があればいい、と関東にやってきている。

                  

ダム工事中止。新幹線工事、精査のため一時休止。ほんとうに税のムダ使いを無くすというなら、けっこうなことじゃないか。しかし、政治家たちの政争のために、地方の貧しい人たちの生活が犠牲になるだけなら、それは、許されることじゃない。

                       

なぜか、電話工事では、奄美の島々からきた職人さんが多い。わたしがいた自動車組み立ての現場では、北海道と九州からの出稼ぎが、圧倒的に多い。その話は、またあすにでも。