ドラムスのチャーリー・ワッツが、ローリング・ストーンズを脱退する、と昨日のニュースにあった。その前日、9月1日には、ブライアン・ジョーンズのことが、ニュースになっていた。なぜかストーンズの話題がつづく。なにかのキャンペーンなのか?
40年まえのブライアン・ジョーンズの変死事件を、イギリスのサセックス警察が、再調査をはじめた、という。http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200908310027.html
ローリング・ストーンズのオリジナル・メンバーで、リーダーだったブライアン・ジョーンズは、1969年、グループを脱退した。その一ヶ月後、自宅のプールのなかで死んでいたのだ。27才の若さだった。イギリス・ロック界で、もっとも音楽的才能がある、といわれていた若者の突然の死は、大きなニュースになった。
警察からは、過剰なドラッグとアルコールの、長いあいだの摂取によるショック死、というようなあいまいな死因の発表があった。自殺説、他殺説、さまざまな憶測で、当時は騒然となった。
バンドの主導権をめぐっての争いに決着をつけるために、ミック・ジャガーが刺客をおくった、という説まであった。しかし、バンドの権力争いに、すでにブライアン・ジョーンズは、敗れ、疲れはてて、ひと月まえに脱退していた。
ミック・ジャガーとキース・リチャードは、レコーディングの時間をリーダーであるブライアンに教えないとか、ブライアンが作ってきた曲はつかわないとか、つきあってる恋人をとる、とか、陰険かつ強烈に、バンド・リーダーのブライアン・ジョーンズを追いこんでいった。
かなりナイーブなブライアンは、酒とクスリで、ボロボロになっていく。ライブの本番やレコーディングで、クスリでラリって満足に演奏できない、という醜態までさらすようになり、ますます立場をなくす。こうして追いこまれ、ついにグループを離れた。バンドの権力争いにやぶれて絶望した、それが自殺説の根拠になっていた。
しかし、今回のニュースには、ブライアン・ジョーンズの遺体から薬物は検出されなかったとか、ビールを三杯しか飲んでなかったとか、当時のマスコミが報道したことと、まったく逆の新しい情報がある。当時の警察が、いかにいいかげんな捜査をしたか、ということだろう。
ロックは、すでに莫大な金を生みだす、ビッグ・ビジネスになっていた。バンドのフロントに立つメンバーのほかに、裏ではさまざま人間が、この巨額の金にからんでいる。
それに、どこの国でも、麻薬が好きなミュージシャンには、ブラック社会の人間がかかわる。ドラッグの売人にとって、ジャンキーのミュージシャンは金のなる木だ。クスリ漬けにして、手放したくない。興行にもカタギでない人たちがかかわる。
だから、これほどビッグなミュージシャンの突然死は、そう単純なことではない。警察が、早々と結論をだして、捜査から手をひいたのは、それなりの裏があったからだろう。警察が、ワイロをとって裏社会と癒着するのは、日本もふくめて、警察というものの宿命的な体質だ。きっと、イギリスもおなじだろう。
40年もたって再調査して、どんな結論がでるのか、興味がある。
ローリング・ストーンズ (I Can't Get No) Satisfaction http://www.youtube.com/watch?v=ulVDM0a49Lw&feature=related