Ommo's

古い曲が気になる

9月…11月……わずかに残された、貴重な日々

2009-09-01 | 日記・エッセイ・コラム

そんなに被害もなく、台風は関東を通りすぎた。台風がひきつれてきた南風のせいか、30度を超える暑さだ。

この暑さでも、きょうから9月。9月といえば、セプテンバー・ソングだろうか。

September Song

セプテンバー・ソングは、ブロードウエイ・ミュージカルのために書かれた曲だ。1938年のこと。作曲は、ドイツ出身の作曲家、クルト・ワイル。作詞は、アメリカの作家、脚本家、詩人のマックスウエル・アンダーソンだ。

1900年生まれのクルト・ワイル(英語読みでは、カート・ウエイル)は、多くのクラシック作品で、若くして天才作曲家の名声をえるが、ナチの台頭でフランスに逃れ、1935年、アメリカに渡った。アメリカに逃れた多くの音楽家と同様に、ユダヤ人なのだ。

Pri0013

クルト・ワイルは、ドイツ時代から、いわゆるクラシック作品のほかにオペレッタや流行歌(ポップス)の作曲に興味をもっていた。とくに、ブレヒトと組んだ作品「三文オペラ」が有名だ。そのなかの「マック・ザ・ナイフ」は、ジャズのプレーヤーに好んでカバーされ、1950年代には、ボビー・ダーリンが、ビッグバンドをバックにしたアレンジで大ヒットさせた。いまでもジャズのスタンダードとして、歌われ、演奏されている。

クルト・ワイルは、アメリカに亡命してからは、ブロードウエイ・ミュージカルと映画音楽の作曲でも活躍した。名曲セプテンバー・ソングは、1938年のミュージカル「ニッカ・ボッカ・ホリディー」の挿入歌として書かれ、その後、この曲をテーマソングに映画「September Affair (旅愁)」がつくられて不動の名曲となった。その後カバーしたレコードは、世界じゅうでどれほどあるのだろうか?

Oh it’s a long, long while
from May ‘till December
And the days grow short
When you reach September.
When the Autumn weather
turns the leaves to flame
One hasn’t got time
For the waiting game.

For the days dwindle down
To a precious few...
September...November...
And these few precious days
I’ll spend with you.
These precious days
I’ll spend with you.

Weillweb3

クルト・ワイルは、世界じゅうに多くのファンがいる。毎年、クルト・ワイル・フェスが開催されているのだ。

Anderson_maxwell  作詞のマックスウエル・アンダーソン

   サラ・ヴォーン&ウイントン・マルサリス 指揮ジョン・ウイリアムス ボストン・ポップス・オーケストラ September Song http://www.youtube.com/watch?v=oRhhNPBPGyU

この歌のように、人生を一年にたとえるなら、わたしは、もうとうにセプテンバーをすぎた。まさにAnd these few precious days だ。

(きっと最初、この歌は、そんな哲学的なものじゃなく、女の子をくどいている歌だったのだろう。もう、9月……すぐに11月……そして、終わりのとき。(だから恋の)ゲームをしている時間はないんだ、残された人生の貴重な日々を、君といっしょに過ごしたい、というわけかな。)

         クルト・ワイル・フェスティバル ホーム・ページ http://www.kurt-weill-fest.de/pages_en/kwf_1_0_0_0.html

   ボビー・ダーリン Mack the knife http://www.youtube.com/watch?v=1dDs_N3kGQk&feature=related