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「日本の軍事費」を考える(7)--限りない軍拡への道「ミサイル防衛」計画

2008年03月20日 | 国際・政治
昨日に引き続き安保破棄中央実行委員会編『日本の軍事費~巨大なムダと利権~』より「日本の軍事費」について見ていくことにします。(文責:サイト管理者)

しかしいま、日米軍需産業が、今後の利権ともうけの最大のターゲットとしているのが、「ミサイル防衛」計画です。
日米両政府は、この「ミサイル防衛」は、北朝鮮からのミサイル攻撃の防御網をつくることで「防衛的兵器」と説明していますが、これはそもそもアメリカが他国からの核攻撃を防御するための「防御の盾」をつくるとしてはじめた計画で、米本土防衛の計画です。
同時にそれは、ブッシュ政権が「核抑止力の3本柱」として(1)攻撃的核兵器と通常兵器、(2)「ミサイル防衛」、(3)兵器製造のためのインフラ整備、の3つを掲げていることからも分かるように、この「ミサイル防衛」計画が攻撃戦力と一体のものであることを示しています。つまり、「ミサイル防衛」計画とは、「防御の盾」を強固にすることによって、安心して攻撃できるようにするための計画、先制攻撃を容易にするための計画にほかならないということです。

この「ミサイル防衛」へ米歴代政権が費やしてきた予算は膨大な物で、1981年のレーガン政権以来、ブッシュ政権までに、日本円で何と12兆1570億円という資料もあります。しかし、いまだ完成をみていない「ミサイル防衛」計画に、アメリカの科学者達は「まだ成功していない技術に膨大な予算をつぎ込むのは間違い」と指摘しているほどです。

日本は、このブッシュ政権の「ミサイル防衛」計画に呼応し、本格的配備と共同開発に乗り出しています。1隻1400億円のイージス艦を6隻購入し、1発20億円の海上発射イージス・ミサイルMS3を配備するとともに、1発5億円のPAC3ミサイルを首都圏をはじめ全国11ヵ所に配備するとしています。安倍内閣はこの「ミサイル防衛」に1826億円、福田内閣は1714億円計上しています。このように単年度にとどまるものではないだけに、総額8000億円から1兆円かかるとも言われており、軍需産業にとっては「1兆円市場」となっているものの、国民にとっては、限りない軍拡へむけて果てしないムダ遣いの道を開くことになるのです。

(つづく)


【出典】安保がわかるブックレット3『日本の軍事費~巨大なムダと利権~』(安保破棄中央実行委員会、頒価400円)

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1 コメント

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あまりの防衛費の無駄遣いに、納税者として腹が立... (彩雲)
2008-04-23 11:12:27
あまりの防衛費の無駄遣いに、納税者として腹が立ちますね。イージスやミサイル防衛のような不確かな兵器への無駄遣いはただちにやめ、いくつかのミサイル監視用衛星と、これに連動した戦略核ミサイルによる報復手段のみを保持するにとどめるべきです。
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