2023年10月1日付け・9日付け当ブログで「明治神宮外苑再開発問題」を紹介しましたが、9月7日に文化遺産の保存に取り組む国際的な専門家のネットワークであるイコモス(国際記念物遺跡会議、本部:パリ)が、事業者に対し事業の撤回を求めた緊急声明「ヘリテージ・アラート」全文と、それに対し9月29日に事業者である三井不動産が反論を発表した「『ヘリテージ・アラート』に対する事業者見解について」(PDF記載)を以下に紹介します。
日本イコモス国内委員会が、再三提言や質問状を公表してきたのに、三井不動産が、これまで一切回答していない不誠実な実態も明らかになりました。
その「完全に無視されている」(イコモス幹部)点を指摘しても、担当者は今回、「事業者としての見解を広く一般に公表するために出した。イコモス対象というわけではない」などと詭弁をしていますが、そのタイトル「『ヘリテージ・アラート』に対する事業者見解について」というように、イコモスの緊急声明「ヘリテージ・アラート」への反論にほかなりません。
三井不動産に対し「一方通行の情報開示では共感できない」とのイコモスの主張は、東京都民だけでなく、多くの国民にも分かることではないでしょうか。(サイト管理者)
◎イコモスが9月7日に発表した緊急声明
■ヘリテージ・アラート(Heritage Alert)
「神宮外苑地区再開発事業の撤回に向けた緊急要請」
――17 世紀より創り出されてきた東京における
「庭園都市パークシステム」のコアとなる神宮外苑の保全と継承に向けて――
Press Release 2023年9月7日
ICOMOS (国際記念物遺跡会議 International Council on Monuments and Sites)
ISCCL (国際文化的景観科学者会議 International Scientific Committee on Cultural Landscapes)
日本イコモス 国内委員会(ICOMOS Japan)
ICOMOS は日本国内委員会とともに、東京において17世紀より継承されてきた「庭園都市パークシステム」のコアである神宮外苑地区再開発事業を阻止し、2023年9月より開始される 3000本以上の樹木の伐採・移植を阻止するため、ヘリテージ・アラートを発令する。
再開発により、都心の貴重なオアシスに超高層ビルが建設され、野球場、ラグビー場が解体、新設される。これに伴い、9月から開始される第一期工事だけでも、3000本の樹木が伐採・移植され、100年にわたり育まれてきた森は、完膚無きまでに、破壊される。
事業者は、三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興協会、伊藤忠商事であり、東京都は、市民や多くのステークホルダー不在のまま、多くの反対を押し切り、これを承認した。
都心の公園緑地は、人びとの憩いの場であり、生物多様性の宝庫である。気候変動による異常気象が顕在化する中でヒートアイランド現象を緩和し、首都直下型地震発生時には市民の命を守る避難場所となる。なかでも神宮外苑は、市民の献金と労働奉仕により創り出された世界の公園史でも類例のない文化的資産である。以上の理由から、世界の文化遺産を守り、継承する使命を担う国際機関であるイコモスは、ヘリテージ・アラートを発出する。
1.三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興協会、伊藤忠商事は、速やかに再開発事業の撤回を行い、国際的企業、宗教法人、公明正大なスポーツ推進者としての社会的責務を遂行すべきである。
2.東京都は、都市計画公園を削除し、超高層ビルを建設することにより、永久に市民が公園を使用する権利を剥奪したという重大事に鑑み、都市計画決定の見直しを行い、環境アセスメントの再審を行うべきである。
3.宗教法人明治神宮は、外苑が国民の献金と勤労奉仕により創り出され、「未来永劫、美しい公園として維持する」という約束のもと奉献されたことに鑑み、これを厳守し、再開発事業から、速やかに撤退すべきである。
4,港区、新宿区、渋谷区は、未来世代のために、神宮外苑の「名勝」指定に向けて協力をしてとりくむべきである。
5.神宮外苑は、17世紀より保全、創出されてきた「庭園都市パークシステム」の枢要部に位置する。国は、東京都のみの問題とすることなく、適切な施策の適用を、様々のステークホルダーとの協働のもと、推進すべきである。
注)ヘリテージ・アラートは、文化的資産の保全・継承を促進し、文化的資産が直面している危機に対して、学術的観点から問題を指摘し、未来世代に向けた保全と継承に向けた解決策を促進するために、ICOMOS の専門家および公的ネットワークの活用を推進するために発する声明である。
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■ヘリテージ・アラート(Heritage Alert)
「神宮外苑地区再開発事業の撤回に向けた緊急要請」
――17 世紀より創り出されてきた東京における
「庭園都市パークシステム」のコアとなる神宮外苑の保全と継承に向けて――
Press Release 2023年9月7日
ICOMOS (国際記念物遺跡会議 International Council on Monuments and Sites)
ISCCL (国際文化的景観科学者会議 International Scientific Committee on Cultural Landscapes)
日本イコモス 国内委員会(ICOMOS Japan)
ICOMOS は日本国内委員会とともに、東京において17世紀より継承されてきた「庭園都市パークシステム」のコアである神宮外苑地区再開発事業を阻止し、2023年9月より開始される 3000本以上の樹木の伐採・移植を阻止するため、ヘリテージ・アラートを発令する。
再開発により、都心の貴重なオアシスに超高層ビルが建設され、野球場、ラグビー場が解体、新設される。これに伴い、9月から開始される第一期工事だけでも、3000本の樹木が伐採・移植され、100年にわたり育まれてきた森は、完膚無きまでに、破壊される。
事業者は、三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興協会、伊藤忠商事であり、東京都は、市民や多くのステークホルダー不在のまま、多くの反対を押し切り、これを承認した。
都心の公園緑地は、人びとの憩いの場であり、生物多様性の宝庫である。気候変動による異常気象が顕在化する中でヒートアイランド現象を緩和し、首都直下型地震発生時には市民の命を守る避難場所となる。なかでも神宮外苑は、市民の献金と労働奉仕により創り出された世界の公園史でも類例のない文化的資産である。以上の理由から、世界の文化遺産を守り、継承する使命を担う国際機関であるイコモスは、ヘリテージ・アラートを発出する。
1.三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興協会、伊藤忠商事は、速やかに再開発事業の撤回を行い、国際的企業、宗教法人、公明正大なスポーツ推進者としての社会的責務を遂行すべきである。
2.東京都は、都市計画公園を削除し、超高層ビルを建設することにより、永久に市民が公園を使用する権利を剥奪したという重大事に鑑み、都市計画決定の見直しを行い、環境アセスメントの再審を行うべきである。
3.宗教法人明治神宮は、外苑が国民の献金と勤労奉仕により創り出され、「未来永劫、美しい公園として維持する」という約束のもと奉献されたことに鑑み、これを厳守し、再開発事業から、速やかに撤退すべきである。
4,港区、新宿区、渋谷区は、未来世代のために、神宮外苑の「名勝」指定に向けて協力をしてとりくむべきである。
5.神宮外苑は、17世紀より保全、創出されてきた「庭園都市パークシステム」の枢要部に位置する。国は、東京都のみの問題とすることなく、適切な施策の適用を、様々のステークホルダーとの協働のもと、推進すべきである。
注)ヘリテージ・アラートは、文化的資産の保全・継承を促進し、文化的資産が直面している危機に対して、学術的観点から問題を指摘し、未来世代に向けた保全と継承に向けた解決策を促進するために、ICOMOS の専門家および公的ネットワークの活用を推進するために発する声明である。
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◎三井不動産が9月29日に発表した反論
■「ヘリテージ・アラート」に対する事業者見解について
2023年9月29日 三井不動産
※三井不動産の「『ヘリテージ・アラート』に対する事業者見解」は、画像付きの長文ですので、以下に掲載されたホームぺージのPDFにリンクを張らせていただきます。
https://www.jingugaienmachidukuri.jp/pdf/jingugaienmachidukuri_news_230929-01.pdf
お問い合わせ窓口
神宮外苑まちづくり準備室
電話番号:03-6695-0539
開所時間:月~金曜(祝日除く) 9 時~18 時
神宮外苑まちづくりプロジェクトサイト:https://www.jingugaienmachidukuri.jp/
※平和、いのち、くらしを壊す 大軍拡・大増税に反対しよう!
■署名用紙は下記「憲法共同センター」ホームページから
https://www.kyodo-center.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230123shomei.pdf
※ #統一教会の宗教法人解散を求めます
■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G
※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!
※新たな「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力を。
(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
■「ヘリテージ・アラート」に対する事業者見解について
2023年9月29日 三井不動産
※三井不動産の「『ヘリテージ・アラート』に対する事業者見解」は、画像付きの長文ですので、以下に掲載されたホームぺージのPDFにリンクを張らせていただきます。
https://www.jingugaienmachidukuri.jp/pdf/jingugaienmachidukuri_news_230929-01.pdf
お問い合わせ窓口
神宮外苑まちづくり準備室
電話番号:03-6695-0539
開所時間:月~金曜(祝日除く) 9 時~18 時
神宮外苑まちづくりプロジェクトサイト:https://www.jingugaienmachidukuri.jp/
※平和、いのち、くらしを壊す 大軍拡・大増税に反対しよう!
■署名用紙は下記「憲法共同センター」ホームページから
https://www.kyodo-center.jp/wp-content/uploads/2023/01/20230123shomei.pdf
※ #統一教会の宗教法人解散を求めます
■署名活動はオンライン署名サイト「Chage.org」で行われます。
https://chng.it/YYVtM9Wr8G
※ #ロシアはウクライナ侵略をやめろ!
※新たな「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力を。
(9条改憲NO!全国市民アクション)http://kaikenno.com/?p=1826
■これまで取り組んできた「安倍9条改憲反対!改憲発議に反対する全国緊急署名」に変え、新しい情勢に合わせた「憲法改悪を許さない全国署名」に取り組みます。
■ネット署名
https://chng.it/R2YgNbLD
■署名用紙(プリントしてお使いください)
2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効へ!
引き続き署名国・批准国を増やし、実効性ある条約に!
♯日本政府は核兵器禁止条約に背をむけるな
♯米国など核保有国は核兵器禁止条約に参加、署名・批准を
※このブログをお読みの方で、「私も九条の会のアピール(「とだ九条の会」HPをご覧ください。)に賛同し、憲法九条を守る一翼になりたい」という方は、 「とだ九条の会」HPに「WEB署名」がありますので、「賛同署名」にご協力ください。
■「とだ九条の会」公式ホームページもご覧ください。
http://toda9jo.web.fc2.com/
*「とだ九条の会」ホームページは2014年11月24日、上記アドレスに引越しました。
■「とだ九条の会」ブログのアドレス
http://blog.goo.ne.jp/toda9jo
*「とだ九条の会」ブログは2014年11月10日、上記アドレスに引越しました。
■「とだ九条の会」ツイッターのアドレス
http://twitter.com/toda9jo