とだ九条の会blog

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残虐兵器「クラスター爆弾」禁止へ国際会議開かれる

2007年02月26日 | ニュース
地雷のように、武力紛争後も長期にわたり無差別に人々を殺傷しつづける残虐兵器である「クラスター爆弾」の国際禁止条約を求める国際会議が、2月22日~23日、世界49ヵ国、国連、赤十字国際委員会などが参加してノルウェーの首都オスロで開催されました。

「クラスター爆弾」は、対人・対戦車用の空対地爆弾で、集束爆弾(しゅうそくばくだん)とも言われます。ケースの中に数個から数百個の子弾(爆弾や地雷)を搭載し、飛行機から投下後に空中でケースが分裂することによって子弾が散布され広範囲にわたってダメージを与えます。ベトナム戦争でも使用され、当時は「ボール爆弾」と呼ばれていました。
子弾一つ一つの威力は弱いため、鉄筋コンクリートのビルやトーチカのような強固な建造物などに対する攻撃には向きませんが、通常の爆弾より広範囲にダメージが与えられるため、対人・対戦車用の空対地爆弾としては絶大な威力を誇っていると言われており、さらに子弾として地雷を搭載した場合は敵の進軍を妨げるなどの効果があると言われています。
搭載する子弾の数が多いため、どうしてもいくつかが不発弾となってしまい(不発率5~40%)、それが戦闘終了後も不発弾として残り、戦闘に無関係な市民を殺傷する事故が起こっています。そのため、非人道的であるとして禁止が求められているのです。

イスラエル軍が昨年7~8月にレバノンのシーア派民兵組織「ヒズボラ」に対して行った戦闘で、この「クラスター爆弾」を使用し問題となりました。その時、爆弾644発を積載した「クラスター爆弾」が最低1800発使用されたと言いますが、これの不発分(約40%)が市街地などに散乱しており、全ての撤去には1年以上かかるとみられています。

英国に本拠のあるNGO団体「ハンディキャップ・インタ―ナショナル」は、「この爆弾で被害を被るのは98%が一般市民だ」として、この種の兵器使用を非難。過去30年間に世界中で11000人の一般市民が犠牲になったと報告しています。

これまで、CCW(通常兵器使用禁止・制限条約、2月現在102ヵ国)の会議で「クラスター爆弾」の使用制限について、既に5年間議論を続けてきましたが結論を出せずにきました。そこで、2006年11月、ノルウエー政府が「クラスター爆弾」の禁止をCCWの会議場でなく、対人地雷禁止の前例にならって、有志の国々の間で議論をしようという提案をし、今回の開催となりました。
会議は23日、参加した49ヵ国中、46ヵ国が『宣言』を採択・署名し、閉会しました。

これまで日本は「クラスター爆弾禁止」の動きに消極的な態度を取りつづけてきました。実際、この『宣言』で署名に応じなかった3ヵ国の一つは、我が国・日本です。他はポーランドとルーマニア。署名に応じなかった理由は「CCWの枠外での合意だから」ということです。
これまで「クラスター爆弾」を大量に使用してきた米国やイスラエル、中国はこの会議に代表すら送りませんでした。

問題なのは、イラク戦争でも大量の「クスター爆弾」を使用し、イラク民間人を多数殺傷していた米軍が日本の在日米軍基地から出撃したということですが、実際、自衛隊自体もこの「クラスター爆弾」を保有しているということです。しかし、日本政府はその保有数についても一切明らかにしていません。

『宣言』は「容認できない被害を民間人に引き起こす『クラスター爆弾』の使用・移動・貯蔵を禁止し、法的拘束力のある国際文書(条約)を2008年までに締結する」と述べ、今後2008年初めまでに会合を三回開き、条約案の詳細を固めるとしています。
日本政府は、自衛隊が所有する「クラスター爆弾」を放棄し、憲法九条を持つ国として、率先して「クラスター爆弾」の全面禁止を目指すべきです。


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