司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

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継続会の開催と会計監査人のみなし再任の問題

2020-04-20 15:36:59 | 会社法(改正商法等)
 先日,「継続会の開催と取締役等の任期の問題」を取り上げたところであるが,

cf. 令和2年4月16日付け「継続会の開催と取締役等の任期の問題」

 会計監査人については,別論である。

 会計監査人の選任に関しては,会社法第338条第2項のみなし再任によるのが通例であるが,継続会が開催される場合,先述の例によると,「令和2年6月30日退任」で会計監査人が欠けた状態となり,継続会の終結の時に「令和2年7月29日就任」となる。

 7月1日から継続会の終結の時まで,会計監査人が欠けた状態となるのである。

 上場企業において,会計監査人が欠けた状態というのは,あり得べからざるものであるから,監査役会等の決議によって,「一時会計監査人の職務を行うべき者」を選任することになるであろう(会社法第346条第4項,第6項~第8項)。

cf. 平成22年5月19日付け「一時会計監査人の職務を行うべき者」の選任

 もちろん,取締役の選任議案と同様に,6月中の「先の総会」に会計監査人の選任議案を上程し,決議をすることで「令和2年7月1日重任」とすることも考えられるが,どちらの対応が採られるであろうか。

会社法
 (役員等に欠員を生じた場合の措置)
第346条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。
3 裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、株式会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
5 第三百三十七条及び第三百四十条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。
6 監査役会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
7 監査等委員会設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会」とする。
8 指名委員会等設置会社における第四項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会」とする。
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