司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

女性へ性別変更後に出生で,最高裁が,父子関係を認める

2024-06-21 16:12:38 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE161XJ0W4A610C2000000/

「性同一性障害特例法に基づいて男性から性別変更した女性が、自身の凍結精子で生まれた次女を認知できるかが争われた訴訟で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は21日、「認知できる」との初判断を示した。」(上掲記事)

 凍結精子の取扱いは,難しい問題を孕んでいるが,

「上告審弁論で次女側は、認知制度の本質は「親と子の関係を形成すること」にあり、親の法律上の性別に特別な意味をおいていないと指摘」

 なるほどね。
コメント

法務大臣閣議後記者会見の概要「選択的夫婦別氏制度に関する質疑について」

2024-06-13 15:56:44 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年6月11日(火))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00520.html

〇 選択的夫婦別氏制度に関する質疑について
【記者】
 経団連が昨日、夫婦別姓制度の導入に向けた法改正を求める提言をまとめました。
 大臣はこれまで、国民各層の議論を注視すると答弁されてきましたが、法制審でも答申も出ていますけれども、改めて法務省として主体的に検討会を立ち上げるなり、何か動きをされるお考えはあるのでしょうか。

【大臣】
 経団連の提言が出て、新聞にも大きく取り上げられております。
 こうした動きが様々、最近は見受けられますので、我々も強い関心を持って、注視しているところでもあります。
 選択的夫婦別氏制度については、繰り返しになりますが、平成8年に法制審がこの導入を内容とする「民法の一部を改正する法律案の要綱」を、答申しています。
 その上で、その後、政治過程においてなかなか調整が進まなかったということもあって、現状、動いていないわけです。
 さらに申し上げれば、国民の間にまだ様々な意見があるということも事実だと思います。
 ですから、現時点で法務省が新たな検討等何かを行う、会合を立ち上げて行うということは考えておりませんけれども、この平成8年2月の答申がありますので、これを前提として、国民各層の意見や国会における議論を踏まえて、積極的に注視するというふうに説明させていただいています。積極的にこの動きを見極めていくといったことを含めて、今後の対応を検討していくことが必要であると思います。
 その時に、国民の間だけではなく、国民の代表者の国会議員の方々の間でもしっかりと議論をしていただいて、幅広い理解をいただくために、引き続き法務省としては、積極的な注視のほかに、積極的な情報提供を行っていきたいと考えております。

cf. 民法の一部を改正する法律案要綱(平成8年2月26日法制審議会総会決定)
https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi_960226-1.html

 余談ながら,令和6年5月17日に成立した「民法等の一部を改正する法律(※父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)」(令和6年法律第33号)において,民法第754条(夫婦間の契約取消権)及び第770条第1項第4号(配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないことを裁判上の離婚の原因とする定め)が削除されたが,これらは,上記平成8年の改正要綱に盛り込まれていたものである。
コメント

「戦後占領期の民法改正過程 ー「家」の廃止ー」

2024-06-04 10:22:21 | 民法改正
私法(1999 年 1999 巻 61 号 p. 230-236)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shiho1949/1999/61/1999_61_230/_article/-char/ja

 朝ドラ「虎に翼」で,ちょうど戦後の家族法改正作業が取り上げられているが,和田佳彦「戦後占領期の民法改正過程 ー「家」の廃止ー」がそのあたりの事情に詳しい。

 神保教授のモデルは,若干設定は異なるが,牧野英一か?
コメント

嫡出否認調停

2024-06-03 22:41:29 | 民法改正
裁判所「嫡出否認」
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_15/index.html

 令和4年改正民法による嫡出否認の手続も,調停前置である。

 しかし,当事者の合意のみによっては成立せず,「合意に相当する審判」の対象となる。この調停に関しては,家事事件手続法第277条に規定されており,「277条調停」と呼ばれている。

cf. 民法等の一部を改正する法律について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00315.html

家事事件手続法
 (合意に相当する審判の対象及び要件)
第277条 人事に関する訴え(離婚及び離縁の訴えを除く。)を提起することができる事項についての家事調停の手続において、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、家庭裁判所は、必要な事実を調査した上、第一号の合意を正当と認めるときは、当該合意に相当する審判(以下「合意に相当する審判」という。)をすることができる。ただし、当該事項に係る身分関係の当事者の一方が死亡した後は、この限りでない。
 一 当事者間に申立ての趣旨のとおりの審判を受けることについて合意が成立していること。
 二 当事者の双方が申立てに係る無効若しくは取消しの原因又は身分関係の形成若しくは存否の原因について争わないこと。
2 前項第一号の合意は、第二百五十八条第一項において準用する第五十四条第一項及び第二百七十条第一項に規定する方法によっては、成立させることができない。
3 第一項の家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、合意に相当する審判をするときは、家庭裁判所は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。
4 第二百七十二条第一項から第三項までの規定は、家庭裁判所が第一項第一号の規定による合意を正当と認めない場合について準用する。
コメント

民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について

2024-05-31 17:57:49 | 民法改正
民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について by 法務省
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00357.html

「令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が成立しました(同月24日公布)。
 この法律は、父母の離婚等に直面する子の利益を確保するため、子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものです。
 この法律は、一部の規定を除き、上記公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日に施行されます。」
コメント

性同一性障害で男性から性別変更した女性が,自身の凍結精子で生まれた子を認知できるか

2024-05-31 16:13:35 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE263E70W4A520C2000000/

「原判決は、民法787条に基づき子との間で法律上の父子関係が形成されるべき「父」とは法的性別が男性である者のみを指すと解されることなどからすると、嫡出でない子は、その出生時に自己の血縁上の父の法的性別が男性であった場合に限り、当該血縁上の父に対して認知を求めることができるとした上で、上告人の出生時、被上告人の法的性別は男性から女性へと変更されていたから、上告人は、被上告人に対し、認知を求めることができないとして上告人の請求を棄却した。」(後掲「事案の概要」)

 6月21日,最高裁で判決の言渡しがされる。

cf. 事案の概要
https://www.courts.go.jp/saikosai/vc-files/saikosai/2024/jiangaiyou_05_287.pdf
コメント

法務大臣閣議後記者会見の概要「共同親権に関する民法等の一部を改正する法律の公布のための閣議決定について」

2024-05-24 10:19:17 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年5月21日(火))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00514.html

「本日の閣議では、5月17日に、参議院の本会議で可決成立しました、共同親権に関する民法等の一部を改正する法律の公布のための閣議決定がございました。(※)
 施行は2年後ですが、2年というのはあっという間に過ぎると思いますので、しっかり関係府省庁等と連携して、審議の過程で指摘や要望等があった問題等への対応とともに、適切かつ十分な周知広報を図っていきたいというふうに思っております。

(※)法務大臣の発言においては、「本日の閣議では、5月17日に、参議院の本会議で可決成立しました、共同親権に関する民法等の一部を改正する法律案の公布のための閣議決定がございました。本日をもって公布ということになります。」とありましたが、本会見時において公布日は未定であり、下線部について、本文中のとおり訂正しています。」


 本日(5月24日),民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が公布された。

cf. 官報
https://kanpou.npb.go.jp/20240524/20240524g00124/20240524g001240017f.html
コメント

遺言制度のデジタル化に関する調査研究報告書

2024-05-17 16:36:29 | 民法改正
遺言制度のデジタル化に関する調査研究報告書の公表について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00355.html

「遺言制度の見直しに当たっての参考資料として、諸外国における遺言制度、利用可能なデジタル技術及びニーズ等について十分に調査・研究を行うことを目的」としてまとめられたものである。

cf. 法制審議会-民法(遺言関係)部会
https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00009
コメント

共同親権に関する改正民法が成立

2024-05-17 14:34:13 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1463U0U4A510C2000000/

 本日の参議院本会議で可決,成立した。


cf. 民法等の一部を改正する法律案
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00348.html

修正案
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g21309047.htm
コメント

共同親権に関する民法改正案が参議院法務委員会で可決

2024-05-16 19:15:42 | 民法改正
讀賣新聞記事
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240516-OYT1T50114/

 本日の参議院法務委員会で「衆議院の修正案どおり」で可決。明日の参議院本会議で可決,成立する見込み。
コメント

法務大臣閣議後記者会見の概要「選択的夫婦別氏制度に関する質疑について」

2024-05-14 17:36:54 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年5月10日(金))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00510.html

〇 法務大臣閣議後記者会見の概要
【記者】
 選択的夫婦別姓制度についてお伺いします。
 昨日5月9日、自民党の「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」が総会を開きました。今年3月には夫婦別姓を認めないのは憲法違反だとして、夫婦別姓を求める訴訟が東京地裁などに起こされています。制度については国民の間に賛否あるのが現状だと思いますが、この制度に対する政府法務省の考えをお聞かせください。

【大臣】
 自民党の議連、あるいは最近の訴訟でそういった動きがあることは我々も明確に把握しており、注視しているところでもあります。
 ただ全体として申し上げれば、常々申し上げていることになりますけれども、まだ国民の間には、意見の分かれがあるというのも実情だというふうに捉えております。
 従って、国民各層の意見がある程度集約され、国会での議論も一つの方向性が見えてくるような状況を見極めた上で、対応を考えていく必要があるというふうに思います。特に国会議員の中での議論というのが大きなウエイトを占めてくると思います。そういう意味では、この議連で幅広い議論が行われ、国会、国民各層の間で、幅広い理解が進んでいくということは、望ましいことだと思います。我々もそういう議論をしっかりしていただくための情報提供をこれまでもやってまいりましたし、今後も積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。この御指摘の議連においても、御要望があれば、議論が充実したものになるように、積極的に協力していきたいというふうに思っております。
コメント

「知っていますか? 無戸籍を解消するための新しいルール」

2024-04-30 10:06:37 | 民法改正
東京FM
https://news.audee.jp/news/MkwCOGoHax.html

 令和6年4月1日から施行された嫡出推定制度の見直しに関する改正民法のPR放送である。

cf. 民法等の一部を改正する法律について
https://news.audee.jp/news/MkwCOGoHax.html?showContents=detail

コメント

離婚後の共同親権とは? 何が変わる?

2024-04-18 09:46:56 | 民法改正
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD125EX0S4A410C2000000/

 改正法案の内容等について,わかりやすくまとめられている。

 ところで,衆議院本会議の採決では,野田聖子氏が棄権,立憲民主党は退席したらしい。

cf. 東京新聞記事
https://www.tokyo-np.co.jp/article/321554
コメント (2)

自筆証書遺言のデジタル化,法制審議会の議論がスタート

2024-04-17 10:39:53 | 民法改正
NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240416/k10014423861000.html

 法制審議会民法(遺言関係)部会が設置され,昨日(4月16日)から自筆証書遺言のデジタル化に関する議論がスタートした。
コメント

「全血・半血(民法900条4号ただし書)に関する一考察」

2024-04-17 10:34:42 | 民法改正
 「戸籍」令和6年2月号(テイハン)48頁以下に,本山敦「全血・半血(民法900条4号ただし書)に関する一考察」が掲載されている。

 養子縁組後に養子がなくなり,その相続人が実家及び養家双方の兄弟姉妹である場合の全血 or 半血の問題を検討したものである。

民法
 (法定相続分)
第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
 二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
 三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
 四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

 上掲論文で問題とされている事実関係は,

・甲男乙女夫婦の間に子A(被相続人)及びYがあった。
・Aは,丙女の養子となった。丙は,その後,Xを養子とした。
・甲,乙,丙の順に死亡した。
・Aが死亡し(配偶者も子もいない。),相続人は,X及びYの2人である。

 この場合のX及びYの法定相続分は如何が問題となっているものである。

 具体的事案としては,家庭裁判所における遺産分割調停において,X及びYの法定相続分を1:2ということで進行している途中で,念のために管轄登記所に照会したところ,「本件においては,民法第900条第4号ただし書の適用はない」との見解が示されたとのことである。

 条文を素直に読めば,確かに,一理あるような・・・。

 ところで,例えば,甲男乙女夫婦の間に,子ABがあり,甲男死亡後に,乙女がCを養子にした場合に,乙女,A(子なし)の順に死亡したときの被相続人Aに係る相続人及び相続分は,B3分の2,C3分の1である。

 仮に,Aが丙男丁女夫婦の養子となった場合に,丙男と丁女の間に子Dがあり,丙男死亡後に丁女がEを養子にした場合に,丁女,A(子なし)の順に死亡したときの被相続人Aに係る相続人及び相続分は(ひとまず実家の相続関係は,御放念を。),D3分の2,E3分の1である。

 ここまでは,異論のないところかと。

 すると,被相続人Aの相続に関して,相続人が上記実家と養家の双方である場合,被相続人Aに係る相続人及び相続分は,B(6分の2),C(6分の1),D(6分の2)及びE(6分の1)となりそうである。ここで,「民法第900条第4号ただし書の適用はない」というわけにも行かないであろう。

 この相続分の関係が理に適ったものであるとすると(BとEの相続分の差異がやむを得ないものであるとすると),仮にDが最初から存在しなかった場合,B(4分の2),C(4分の1)及びE(4分の1)となり,さらに仮にCが最初から存在しなかった場合,B(3分の2)及びE(3分の1)と考えるのが合理的であるような・・・。

 このように考えると,上記論文の事実関係のように,Aが丙女のみと養子縁組したという場合であっても,やはりY(3分の2)及びX(3分の1)と考えるのが合理的であるような・・・。

 しかし,これは,養子縁組後,養家との間で親密な親族関係及び財産関係を形成し,実家との間では疎遠な親族関係であった場合の被相続人Aの合理的意思に合致するものとはいえず,不合理な感は,拭えない。

 そもそも民法第900条第4号ただし書は,養子縁組後の兄弟姉妹相続の場合を想定していないのではないかと。

 上掲本山論文は,民法第900条第4号ただし書に関して,立法当時の事情や諸外国の立法例を踏まえて詳細に検討した上で,「全血/半血の判定は,《親の数》だけで単純に決定されるべき事柄ではない」として「本件の共同相続人X・Yが全血/半血という関係に該当しないとの結論に到達することが可能である」と考察している。

 また,「法定相続分は,共同相続人による遺産分割の基準にとどまらず,相続債務の承継割合(民法902条の2)や相続分の譲渡(民法905条)などを通じて,相続債権者や第三者にも作用する重要な規範である。したがって,本件規定の適用の有無が問題となるような案件が僅少に過ぎないかもしれないとしても,本件規定の適用の有無という論点は,重要な意味を有していると思われる」と結ばれている。

 養子は,子なしの場合,きちんと遺言を残しておかないと,実家及び養家双方を巻き込んだ深刻な相続問題を生じさせる,ということである。
コメント