法務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年3月29日(金))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00500.html
〇 嫡出推定規定の見直しに関する質疑について
【記者】
離婚後に生まれたこどもの父親を推定するいわゆる嫡出推定の規定を見直した改正民法が4月1日に施行されます。離婚前の夫が父親になることへの抵抗感から出生届を出さず、こどもが結果として無戸籍になる問題が、改正の背景にありました。改正法の施行がどのような効果をもたらすと期待するのか、お考えをお聞かせください。
【大臣】
令和4年12月に民法改正が行われまして、新たな嫡出推定の仕組みなどが(令和6年)4月1日から適用されますので、やっぱりおっしゃったように、これまでの推定の仕組みとか、あるいは母親とかこどもは、嫡出否認の訴えができないとかそういう問題がありましたよね。ですから、そういう問題を改めていくことによって、出生届を出すと、前の夫との嫡出子として認定されてしまうというおそれから、出生届をためらう方もいるというふうに受け止めていますので、そういう方々には、是非この制度を活用していただいて、理解していただいて、不安なくこどもが育てられるような対応をこの新しい民法のもとで、是非考えていただきたいなというふうに思います。現にいらっしゃる無戸籍者やその母親には是非ともこの機会に、まずはお近くの法務局に相談していただきたいと思います。
経過措置として、(令和6年)4月1日より前に生まれたこどもやその母親であっても、1年間に限り嫡出否認の訴えを提起できる、今までは夫だけだったのですよね。嫡出否認の訴えは、母と子もできます。しかも経過措置でこの4月1日(より前)までに生まれたこどもも1年間に限り、嫡出否認の訴えができますので、我々も広報していきたいと思いますけども。是非皆様方も、広報できる機会があればお願いしたいと思います。パンフレットの配布、ウェブサイトを通じて周知を十分に行っていきたい、そんなふうに思っています。
〇 相続登記の義務化に関する質疑について
【記者】
来週月曜日からいよいよ相続登記の義務化が始まります。改めて国民への呼びかけをお願いしたいです。一方で、様々な広報活動を行ってらっしゃるのは知ってはいるのですけれども、いまだ認知度に課題が残ると思います。今後具体的にどのような周知を図っていくのか改めてお考えをお聞かせください。
【大臣】
いよいよ4月1日、来週月曜日から相続登記の義務化が施行されます。これは所有者不明土地対策の中核をなす、非常に重要な制度であって、高齢化社会の中で多くの国民の方々が関わる、関わっていく、そういうテーマであると思いますので、簡単には広がらないのです。我々も努力してるのですけれども、まだ認知度が低いということは御指摘をいただいているわけでありますが、非常に重要な制度なので、また国民の皆さんの協力がなければこの制度は全く稼働しませんので、是非我々もテレビCMなどの広報により力を入れていきたいと思います。皆様方報道機関も是非、御協力いただける場合には、お願いをしたいと思うのです。今朝の朝刊でね、2紙、一面のこの辺(端)に、広告を入れさせていただきましたし、また3月23日と24日には、地方新聞で50紙に広告を入れました。40代、50代、60代の方にターゲットを絞らないと、20代、30代の方に相続の話をしても中々関心を持ってもらえないので、更に改良を重ねていきたいなというふうに思っております。相続により取得したことを知った日から3年以内ということでありますので、すぐ目の前に期限が迫っているわけではないので。日本が高齢化社会をしっかりとトラブルなく迎えていくためには必須の制度だと思います。是非そういう理解を我々も広げていきたいというふうに思っています。