司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

労働者に支払われる基本給や諸手当にあらかじめ含めることにより割増賃金を支払うという方法が労働基準法に違反するのか

2018-07-20 18:54:04 | 労働問題
最高裁平成30年7月19日第1小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87883

【判示事項】
基本給と区別して支払われる定額の手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例

「割増賃金の算定方法は,同条並びに政令及び厚生労働省令の関係規定(以下,これらの規定を「労働基準法37条等」という。)に具体的に定められているところ,同条は,労働基準法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまるものと解され,労働者に支払われる基本給や諸手当にあらかじめ含めることにより割増賃金を支払うという方法自体が直ちに同条に反するものではなく(前掲最高裁第二小法廷判決参照),使用者は,労働者に対し,雇用契約に基づき,時間外労働等に対する対価として定額の手当を支払うことにより,同条の割増賃金の全部又は一部を支払うことができる。」
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分煙対策を求めて解雇された労働者が解雇無効等を求めて労働審判の申立て

2018-05-19 08:17:39 | 労働問題
HUFFPOST
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180518-00010006-huffpost-soci

 職場のタバコの煙で喘息になったとして分煙対策を求めた女性が解雇され,勤め先の公益社団法人日本青年会議所を相手に,解雇無効と慰謝料,未払い賃金など約500万円を求める労働審判を東京地裁に申し立てたそうだ。

cf. 平成30年3月9日付け「受動喫煙対策を盛り込んだ「健康増進法改正案」を閣議決定」

毎日新聞記事
https://mainichi.jp/articles/20180309/k00/00e/010/238000c
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未払い賃金請求,時効巡り賛否

2018-05-06 00:32:11 | 労働問題
京都新聞記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180505-00000028-kyt-bus_all

「現行民法で債権の時効は原則10年だが、賃金は特例で1年に限定し、労基法は労働者保護のため2年と定める。昨年成立した改正民法(2020年4月施行)では特例を廃止し、「権利を知った時から5年」にすることが決まった。厚労省は民法と労基法のずれを是正するため、昨年12月、専門家の検討会を設置し、労基法の時効について議論を始めた。」(上掲記事)

 現行民法第174条第1項第2号の規定があるからこそ,労働基準法第115条があるわけであり,債権法の改正で当該規定(特例で1年)が削除されるからには,同列にすべきであろう。

cf. 賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=503103
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賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会(第3回)

2018-04-18 16:11:29 | 労働問題
賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=503103

 第3回までの議事録等が公表されている。
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定年後の継続雇用で,賃金75%減額提示は不法行為にあたる

2018-03-30 16:12:26 | 労働問題
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASL3X6GRSL3XTIPE03N.html?iref=comtop_8_03

「定年を迎える社員に、再雇用(継続雇用)の条件として賃金を25%相当に減らす提案をしたのは不法行為にあたるとして、会社に慰謝料100万円の支払いを命じた福岡高裁の判決が確定した。」(上掲記事)


 統計的には,「継続して雇用された場合の賃金は、社員並みとは行きません。定年時の賃金に対して、「5割未満」から「5~7割未満」となっている会社が多くなっています。定年時と同じ賃金の会社は1割もありません。」(後掲シニアガイド)

cf. シニアガイド
https://seniorguide.jp/article/1001447.html

 定年時の賃金は,相応に高くなっていることが多いので,ある程度の減額は「やむを得ない」ということであるが,上記福岡高裁の事案では,月額33万円であるから,会社提示の額は,10万円を下回るものであり,さすがにひどいであろう。
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正社員と契約社員などとの待遇の違いが労働契約法で禁止されている不合理な格差にあたるか~最高裁で弁論

2018-03-07 18:39:48 | 労働問題
NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180307/k10011354851000.html

 労働契約法第20条における「労働条件の相違が不合理であるか」が問題となっているものである。


労働契約法
 (期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
第20条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

cf. 日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27812940X00C18A3CR8000/

 長澤運輸事件(東京高裁平成28年11月2日判決)については,下記で詳しく紹介されている。

cf. 夜明け前の独り言 弁護士 水口洋介
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2016/11/post-06a1.html
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賃金等請求権の消滅時効の在り方

2018-02-26 10:54:04 | 労働問題
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13376913.html

 議論の状況がわかりやすくまとまっている。

cf. 賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=503103
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賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会(第2回)

2018-02-04 09:56:54 | 労働問題
賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=503103

 第2回会議が開催された模様。

 下記は,検討会でヒアリングを受けたという「労働者側」の弁護士さんのブログである。

cf. 夜明け前の独り言 弁護士 水口洋介
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2018/02/post-6a29.html
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定時退社のすすめ「はよ帰れ 言ってるあなたが はよ帰れ」

2018-01-10 02:06:40 | 労働問題
京都新聞記事
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180109000126

 週休2日(約104日)+祝日(16日)+年末年始休暇+年次有給休暇(法定の上限は20日)とあり,1年のうち約3分の1超は,休める環境が整いつつあるのだが・・。

 休日が増えれば,就業日の労働時間にしわ寄せが行くのは,仕方がない感もあるが。
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賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会

2017-12-28 13:00:56 | 労働問題
賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=503103

 平成29年12月26日,第1回会議が開催されている。

「一般債権の消滅時効については、民法(明治29年法律第89号)において、10年間の消滅時効期間及び使用人の給料に係る債権等の短期消滅時効期間が定められているところであるが、この規定については、今般、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号。第193回国会において成立)によって、消滅時効の期間の統一化や短期消滅時効の廃止等が行われた。
 現行の労働基準法(昭和22年法律第49号)においては、労働者の保護と取引の安全の観点から、この民法に定められている消滅時効の特則として賃金等請求権の消滅時効期間の特例が定められており、今般の民法改正を踏まえてその在り方を検討する必要がある。
 このため、「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」を開催し、法技術的・実務的な論点整理を行う。」
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医師の年俸性と時間外労働手当(最高裁判決)

2017-07-07 17:24:10 | 労働問題
最高裁平成29年7月7日第2小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86897

【判示事項】
賃金を年俸に含める旨の合意がされていたとしても,当該年俸の支払により時間外労働等に対する割増賃金が支払われたということはできないとされた事例

cf. 時事通信記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170707-00000094-jij-soci
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妊娠・出産後間もない時期の不合理な理由による解雇は,育休法や男女雇用機会均等法に違反

2017-07-04 14:50:15 | 労働問題
朝日新聞記事
http://www.asahi.com/articles/ASK735QGKK73UTIL038.html

 東京地裁の判決。

「裁判官は、妊娠・出産間もない時期に、不合理な理由で社員を解雇した場合、解雇理由に妊娠・出産を明示していなくても、育休法や男女雇用機会均等法に違反するとの判断を示した」(上掲記事)

 しかし,今どき,「インド転勤」をちらつかせるとは,すごいですね。
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藤井四段と深夜労働規制?

2017-06-17 18:15:54 | 労働問題
朝日新聞記事
http://digital.asahi.com/articles/ASK6J7GSCK6JPTFC019.html?_requesturl=articles%2FASK6J7GSCK6JPTFC019.html&rm=806

 将棋は,持ち時間各6時間の対局も多く,終わるのは深夜ということもザラである。

 というわけで,あははというネタであるが,棋士は,個人事業主なので,中学生であっても,ある意味芸能人と同じ扱い。

 しかし,ついに27連勝。すごいですね。
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東京大学が団体交渉で組合の主張を認め, 非常勤講師の「労働者性」を肯定

2017-03-06 16:16:37 | 労働問題
首都圏大学非常勤講師組合・速報
http://uupltokyo.exblog.jp/23910834/

 これまで非常勤講師との関係を「業務委託」とし,労働者性を認めてこなかった大学は,取扱いを改めることになりそうである。

 私も,某大学で非常勤講師を務めているが,「雇用契約」であり,就業規則には,労働基準法に則る旨が謳われている。
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タクシー運転手の定額残業代の定めが公序良俗に反するか否か(最高裁判決)

2017-02-28 18:50:41 | 労働問題
最高裁平成29年2月28日第3小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86544

【裁判要旨】
歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則における定めが公序良俗に反し無効であるとした原審の判断に違法があるとされた事例

「労働基準法37条は,労働契約における通常の労働時間の賃金をどのように定めるかについて特に規定をしていないことに鑑みると,労働契約において売上高等の一定割合に相当する金額から同条に定める割増賃金に相当する額を控除したものを通常の労働時間の賃金とする旨が定められていた場合に,当該定めに基づく割増賃金の支払が同条の定める割増賃金の支払といえるか否かは問題となり得るものの,当該定めが当然に同条の趣旨に反するものとして公序良俗に反し,無効であると解することはできないというべきである。」

 いわゆる「国際自動車事件」であるが,最高裁は,「公序良俗に反し,無効であると解することはできない」と判示している。

cf. http://www.daiichi.gr.jp/publication/makieya/p-2016s/p-08/
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