司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税

2015-11-30 10:41:35 | 不動産登記法その他
 租税特別措置法第70条の2(直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税)関係の質疑応答である。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/17/07.htm

【照会要旨】
 私は、新築の店舗兼住宅を取得するに当たり、父から金銭の贈与を受ける予定です。この贈与については、租税特別措置法第70条の2の規定の適用を受けたいと考えています。
 ところで、この非課税制度には、取得した新築住宅の床面積が50平方メートル以上240平方メートル未満でなければならいないという基準が設けられているところ、私が取得しようとしている店舗兼併用住宅の床面積は、店舗として使用する部分が150平方メートル、住宅として使用する部分の床面積は100平方メートルとなっています。
 このように、取得しようとしている新築の店舗兼住宅の全体の床面積は250平方メートルあり、この新築の店舗兼住宅は、上記の床面積基準に該当しない新築住宅であるとも考えられますが、住宅として使用する部分の床面積だけ見れば、上記の床面積基準に該当するため、非課税制度の適用を受けるための他の要件を満たしていれば、父からの金銭の贈与については、この非課税制度の適用があると考えますが如何でしょうか。

【回答要旨】
 この金銭の贈与について、非課税制度の適用はありません。
 非課税制度の床面積基準の判定は、贈与を受けた者の居住の用以外の用に供されている部分も含めた家屋全体の床面積で行うことになります。
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「法人登記の実務」

2015-11-30 06:26:19 | 法人制度
 昨日(29日)は,名古屋市で,日司連中部ブロック協議会の研修会で「法人登記の実務」の講師を務めた。

 最近の法改正も踏まえて,各種法人に関する登記実務についてお話させていただきました。
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横須賀市の「特定空き家」の解体

2015-11-30 06:17:53 | 空き家問題&所有者不明土地問題
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H5R_W5A121C1CC1000/

 神奈川県横須賀市の行政代執行による「特定空き家」の解体の件の詳報である。

 敷地は,会社の所有であるらしい。建物も当該会社が購入したものの,取壊しの予定で,所有権の移転の登記をしなかったとも考えられる。

 「2002年に解散」とあり,通常の解散であれば,代表清算人との連絡が取れそうなものであるが,ちょうど「休眠会社の整理」が実施された年であることから,その対象となったものであろうか。

 こういうケースも結構ありそうである。
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日韓学術交流研究会

2015-11-28 23:15:46 | 国際事情
 11月26日(木)~28日(土)にかけて,ソウルに行ってきました。

 今回の訪韓の目的は,日司連と大韓法務士協会とが共同開催している「日韓学術交流研究会」に出席するため。数多の法律問題に関する報告と質疑の中で,私は,日本の一般社団法人制度等について報告した。

 いわゆる「権利能力なき社団」が相当数存在するのは日本と同じようであるが,非営利法人の一般型である「一般社団法人及び一般社団法人」に関する法制が未だないそうで,その実現を模索しているのだそうだ。

 ソウルへは,平成9年2月に観光で訪れて以来,約20年ぶり。

 今回は,観光の余裕もなかったが,宿泊したリッツ・カールトン・ソウルから仁川国際空港までの帰路を,独り地下鉄&空港鉄道(エーレックス)で移動。バスでの長時間移動が苦手故の単独行動である。

 ハングル文字を予習していたので,地下鉄の移動も楽々で,無事たどり着いた。ソウルは,大都会であり,ハングル,アルファベット及び漢字が併記してあるのが通常だからとも言えるが。

 とまれ楽しい3日間でした。
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裁判所データブック2015

2015-11-25 11:35:25 | いろいろ
裁判所データブック2015
http://www.courts.go.jp/about/databook2015/index.html

 「裁判所」に関するデータブックである。
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監査等委員会設置会社への移行を公表した上場企業一覧

2015-11-23 00:25:25 | 会社法(改正商法等)
監査等委員会設置会社への移行を公表した上場企業一覧(2015年11月20日現在)
by 弁護士川井信之の企業法務(ビジネス・ロー)ノート
http://blog.livedoor.jp/kawailawjapan/archives/7846387.html

 「移行済み」及び「移行予定」を合わせると,263社であるようだ。
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マンション管理組合理事長が11億円を横領

2015-11-23 00:11:31 | いろいろ
毎日新聞記事
http://mainichi.jp/select/news/20151123k0000m040037000c.html

 公認会計士でもあったらしいが,16年間も任せっきりにしては,だめですよね。

 素人集団なりにチェック体制は必要ですね。
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全株懇「グローバルな機関投資家等の株主総会への出席に関するガイドライン」を制定

2015-11-22 10:19:22 | 会社法(改正商法等)
「グローバルな機関投資家等の株主総会への出席に関するガイドライン」by 全株懇
https://user.kabukon.net/pic/42_1.pdf

「信託銀行等の名義で株式を保有する機関投資家等が、株主総会において、信託銀行等に代わって自ら議決権の行使等を行うことをあらかじめ希望する場合に対応するため」のガイドラインである。
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河野太郎行革相,東京電力株を所有

2015-11-21 14:53:33 | 会社法(改正商法等)
朝日新聞記事
http://www.asahi.com/articles/ASHCN5Q07HCNULFA02B.html?iref=comtop_list_pol_n02

 政治家は,株式投資はしない方がいいと思いますね。閣僚に連なるとは想定外だったのかもしれませんが(^^)。
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赤色のボールペンで自筆証書である遺言書の文面全体に斜線を引く行為(最高裁判決)

2015-11-20 23:27:27 | いろいろ
最高裁平成27年11月20日第2小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85488

【裁判要旨】
遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し遺言を撤回したものとみなされた事例

「民法は,自筆証書である遺言書に改変等を加える行為について,それが遺言書中の加除その他の変更に当たる場合には,968条2項所定の厳格な方式を遵守したときに限って変更としての効力を認める一方で,それが遺言書の破棄に当たる場合には,遺言者がそれを故意に行ったときにその破棄した部分について遺言を撤回したものとみなすこととしている(1024条前段)。そして,前者は,遺言の効力を維持することを前提に遺言書の一部を変更する場合を想定した規定であるから,遺言書の一部を抹消した後にもなお元の文字が判読できる状態であれば,民法968条2項所定の方式を具備していない限り,抹消としての効力を否定するという判断もあり得よう。ところが,本件のように赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為は,その行為の有する一般的な意味に照らして,その遺言書の全体を不要のものとし,そこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れとみるのが相当であるから,その行為の効力について,一部の抹消の場合と同様に判断することはできない。」
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保証人の主たる債務者に対する求償権の消滅時効の中断事由がある場合の共同保証人間の求償権の帰趨

2015-11-20 01:05:52 | 民事訴訟等
最高裁平成27年11月19日第1小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85486

【裁判要旨】
保証人の主たる債務者に対する求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じない

「民法465条に規定する共同保証人間の求償権は,主たる債務者の資力が不十分な場合に,弁済をした保証人のみが損失を負担しなければならないとすると共同保証人間の公平に反することから,共同保証人間の負担を最終的に調整するためのものであり,保証人が主たる債務者に対して取得した求償権を担保するためのものではないと解される。」
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「空き家」相続後の売却の場合に減税

2015-11-20 00:55:28 | 空き家問題&所有者不明土地問題
日経記事(有料会員限定)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS19H5E_Z11C15A1PP8000/?n_cid=TPRN0003

 対象になるのは昭和56年以前の旧耐震基準で建てた戸建て住宅などで,相続して3年以内に取り壊しや耐震リフォームをして,建物や土地を売却した場合に譲渡所得から3000万円を特別控除するというものである。
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マタハラ降格で,損害賠償請求が認容(広島高裁)

2015-11-18 12:23:36 | 民事訴訟等
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17H92_X11C15A1CC1000/

 最高裁で破棄差戻しがされた事件である。

cf. 平成27年3月13日付け「マタハラ訴訟最高裁判決を受けて,厚生労働省が通達を改正」
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不動産登記令等の改正と本店移転等の変更証明書の省略について

2015-11-17 12:23:55 | 不動産登記法その他
 地元の京都地方法務局本局は,いわゆる「指定登記所」であったので,従来資格証明情報等の省略をすることができなかったことから,意識しなかった点であるが・・・。

○ 住所証明情報の取扱いについて
「法人の住所の変更の登記を申請する場合について,住所証明情報の提供を省略することができるのは,現在の会社法人等番号で登記記録を確認可能なものに限られます。
 平成24年5月20日(外国会社にあっては平成27年3月1日)以前の法人の登記においては,組織変更や他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記等をする場合には,会社法人等番号が変更されていました。この変更前の会社法人等番号が記録された登記記録に住所の移転の事項が記録されているときは,現在の会社法人等番号の提供に加えて,住所の移転の事項を確認することができる閉鎖登記事項証明書又は閉鎖登記簿謄本を提供していただく必要があります。」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00232.html

 従来指定登記所以外の登記所であり,資格証明情報等の省略が可能であった登記所にあって,法人の住所の変更の登記を申請する場合においては,上記の閉鎖登記簿謄本等の添付を省略することが可能であったものが,今般の不動産登記令等の改正により,それが不可とされることとなっている。

 この点については,疑問の声も上がっているところであり,然るべき対応が望まれる。

 もちろん事務処理の円滑化の観点からは,省略に拘泥せず,添付する方が望ましいとも言えようが。
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「特別支配株主の株式等売渡請求の実務上の留意点」

2015-11-17 00:44:32 | 会社法(改正商法等)
 旬刊商事法務2015年11月15日号(商事法務研究会)4頁以下に,十市崇・江本康能「特別支配株主の株式等売渡請求の実務上の留意点」が掲載されている。

 目に付いたところでは,

・ 公開買付けの成立後に,実際に株式等売渡請求の制度の利用により,少数株主のスクイーズアウトが実施された実例は5件ほど存在する。

・ 公開買付けの結果公開買付者が対象会社の総株主の議決権数の90%以上を取得した場合には株式等売渡請求の制度を利用してスクイーズアウトを行い,また90%未満しか取得できない場合には株式併合によるスクイーズアウトを行うと選択的に記載されている実例がほとんどである。

 その他,実務上の留意点が検討されており,中小企業会社における少数株主の整理の実務においても参考になると思われる。
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