司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

登記所において法人の所有者情報を把握して,法人の透明性を確保

2016-01-30 01:36:41 | 会社法(改正商法等)
「商業登記規則等の一部を改正する省令案」に関する意見募集 by 法務省
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080144&Mode=0

 「株主リスト」を添付書面とする改正の理由として,「国際的にも,登記所において法人の所有者情報を把握して,法人の透明性を確保することにより,法人格の悪用を防止すべきであるとの要請がされている」とある点について。

 2013年開催のG8ロック・アーン・サミットにおいて表明された「法人及び法的取極めの悪用を防止するための日本の行動計画(仮訳)」は,次のとおりである。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page4_000102.html

・ 法人及び法的取極めが資金洗浄・テロ資金供与等に利用されることを防止する観点から,現行の制度を充実させることによって,法人が、自らを所有し支配する者を確認することを前提とし,あわせて,当局が法人の実質所有者情報を確認することができるよう制度を整備する。

 また,2014年開催のG20ブリスベン・サミットにおける「実質的所有者の透明性に関するG20ハイレベル原則(概要)」は,次のとおりである。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000059870.pdf

・ 法人がその実質的所有者情報を保持し,かつその情報が十分で,正確かつ最新に保たれることを確保する。
・ 十分で,正確かつ最新の法人の実質的所有者情報に対する,権限ある当局による適時のアクセスを確保する。
・ 実質的所有者情報に対する,租税当局によるアクセスを確保し,かつ,適時の効果的な方法で,実質的所有者情報を外国のカウンターパートと交換できることを確保することにより,租税回避と闘うG20の取組を支持する。

 2015年開催のG20アンタルヤ・サミットにおいて表明された「実質的所有者の透明性に関するG20ハイレベル原則を実施するための日本の行動計画」は,次のとおりである。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000111172.pdf

・ 法人及び法的取極めが資金洗浄・テロ資金供与等に利用されることを防止する観点から,現行の制度を充実させることによって,当局が法人の実質的所有者情報を確認することができるよう制度を整備する。


 なるほど~,そういうことですか。

 というわけで,「株式会社の主要株主等の情報を商業登記所に提出することは,不実の株主総会議事録が作成されるなどして真実でない登記がされるのを防止することができ,登記の真実性の確保につながる」は,後付けの感。もっとも,「関係者が事後的に株主総会決議の効力を訴訟等で争う場合等においても有益となる」は,そのとおりであるが。
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商業登記における申請書の附属書類の閲覧

2016-01-29 15:12:46 | 会社法(改正商法等)
「商業登記規則等の一部を改正する省令案」に関する意見募集 by 法務省
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080144&Mode=0

 「株主リスト」を添付書面とする商業登記規則の改正と併せて,申請書の附属書類の閲覧に関する規定が整備される。

「規則第21条を改正し,附属書類の閲覧の申請人に対し,その住所及び閲覧する部分の記載を求めるとともに,利害関係を証する書面の添付を求めることとする」


 およそ3年に1度ぐらいの頻度で閲覧することがあるが,先日,京都地方法務局において,登記の申請人である法人の代理人として,登記申請書の附属書類の閲覧を請求したところ,閲覧申請書には既に「住所」を記載する欄があり,本人確認のために身分証明書の提示を要求され(会員証を提示し,コピーを取られた。),使用目的を申請書に記載するよう求められた。

 規則に根拠がないことはわかっていたが,それを理由に拒否するほどのことでもなく,また理のないことでもないので,諾として手続を進めたが・・・。

 また,過去に債権者の代理人として閲覧を請求した際には,利害関係の疎明を求められたように思う。

 現場の運用に規則を合わせるということか。
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「株主リスト」を添付書面とする商業登記規則の改正

2016-01-29 00:09:06 | 会社法(改正商法等)
「商業登記規則等の一部を改正する省令案」に関する意見募集 by 法務省
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080144&Mode=0

「登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には,申請書に,総株主の議決権の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる十名の株主又はその有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し,その加算した割合が3分の2に達するまでの人数の株主の氏名又は名称及び住所,当該株主のそれぞれが有する株式の数及び議決権の数並びに当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面の添付を求めることとする」

 意見募集は,平成28年2月28日(日)まで。

 衝撃的な改正案である。正に,びっくりぽん!

 虚偽の内容の株主総会議事録を元に,真実でない登記がされる事件が後を絶たないことが改正の理由であるとして,株主総会決議が必要な登記申請の場合の添付書面に,株主総会議事録に加えて,主要な株主を証する「株主リスト」を要求するものである。

 ん~,そうであれば,「株主リスト」に記載された株主の議決権行使の内容を証する書面(当該株主の実印を押印をさせる。)及び当該株主の印鑑証明書を添付させることにしないと,中途半端であり,意味がないように思われる。

 会社法施行の際に,株主総会議事録は単なる事実の記録に過ぎないとして,記名押印等を不要とした改正は何であったのか? 

 「株主リスト」を要求するよりも,株主総会議事録に出席した取締役及び監査役の記名押印(実印)を要求して印鑑証明書を添付させることにより,真正を担保する方が実効性があるであろう。
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明治21年当時の定款の印紙税

2016-01-27 23:05:08 | 会社法(改正商法等)
 明治21年当時の定款の印紙税は,10銭のようです。 by 「あさが来た」
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大阪の行政書士が司法書士法違反で逮捕

2016-01-27 21:20:12 | 司法書士(改正不動産登記法等)
NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160127/5383721.html

産経新聞記事
http://www.sankei.com/west/news/160127/wst1601270077-n1.html

 在留資格目的で,会社の設立登記等を悪用したケースである。

 200件以上・・・も法務局が司法書士法違反行為を看過して来たということか。資格がない者が反復継続して登記申請を行っていることを現認していながら,無為無策の登記所が多いため,やりたい放題なのである。

 昨年4月の入国管理法制の改正も,このような不正行為の蔓延を後押ししているのではないだろうか。

 「官吏又は公吏は,その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは,告発をしなければならない」(刑事訴訟法第239条第2項)のですから,何とかして欲しいものですね。

【追記】
毎日新聞記事
http://mainichi.jp/articles/20160128/k00/00m/040/127000c

「10年間で1000件以上」・・・法務省の厳戒態勢を望みます。
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不動産登記の申請には,個人番号の記載がない住民票の写し等を添付してください

2016-01-26 05:58:18 | 不動産登記法その他
不動産登記の申請書等の様式について by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI79/minji79.html

「平成28年1月から個人番号(マイナンバー)の利用が開始されていますが,不動産登記の手続においては個人番号を利用することはできません(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27条)第19条「特定個人情報の提供の制限」参照)。
 そのため,不動産登記の申請には,個人番号の記載がない住民票の写し等を添付してください(個人番号の記載がある住民票の写し等は添付しないでください。)。」

 個人番号の記載がある住民票の写し等については,申請人側がマスキングしたものを登記申請書に添付するのは不可であり,マスキングをしていない状態で登記申請書に添付されたものを登記官がマスキング処理をしなければならないからです。
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「会社法関係法務省令逐条実務詳解」

2016-01-24 14:28:54 | 会社法(改正商法等)
拙共著「会社法関係法務省令逐条実務詳解(改正会社法対応版)」(清文社)
http://www.skattsei.co.jp/search/054815.html

 平成26年改正会社法対応の改訂版。平成28年1月27日発行。

 私は,「計算書類の公告」(会社計算規則第136条~第146条,第148条,附則第4条)の執筆担当です。
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「家政婦にすべての遺産を遺贈する」旨の遺言

2016-01-24 09:55:02 | 家事事件(成年後見等)
産経新聞記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160124-00000045-san-soci

 遺言をめぐるトラブルは,尽きないですね。
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あさイチ「成年後見人の光と闇」アンケート&取材協力者募集

2016-01-23 12:56:12 | 家事事件(成年後見等)
NHK
https://pid.nhk.or.jp/pid05/enquete.do?enq_id=ENQ0097089

 平成28年2月22日(月)に放送予定だそうだ。
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成年後見人が行う成年被後見人の推定相続人調査に係る戸籍謄本等の請求をすることの可否

2016-01-23 12:54:35 | 家事事件(成年後見等)
 日司連発の単位会宛文書で,「(成年後見人が行う)成年被後見人の相続人調査は,同人の死亡後に必要となるものであり,相続が発生していない以上戸籍の記載事項を利用する正当な理由があると認めることはできない」旨が,法務省に照会した結果として,再確認された。

 原則としては行うことができないが,「成年後見人は,成年被後見人の生存中であっても戸籍法第10条の2第1項各号に該当する場合には,成年後見人たる固有権限に基づき,請求の理由を明らかにして当該戸籍謄本等の第三者請求を行うことは可能」という理解である。

 したがって,下記の記事で取り上げた戸籍時報の見解(肯定説)は,否定されている。

cf. 平成27年7月21日付け「成年後見人が,成年被後見人の推定相続人である兄弟姉妹に係る戸籍謄本等の請求をすることの可否」
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空き家の増加抑制へ「住生活基本計画」の改訂

2016-01-23 11:51:35 | 空き家問題&所有者不明土地問題
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS22H4D_S6A120C1PP8000/

 次のとおりパブコメが実施される。意見募集は,平成28年2月12日(金)まで。


cf. 「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」に関する意見の募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155160705&Mode=0


目標6 急増する空き家の活用・除却の推進
(1)空き家を賃貸、売却、他用途に活用するとともに、計画的な空き家の解体・撤去を推進し、空き家の増加を抑制
(2)地方圏においては特に空き家の増加が著しいため、空き家対策を総合的に推進し、地方創生に貢献

(基本的な施策)
(1)良質な既存住宅が市場に流通し、空き家増加が抑制される新たな住宅循環システムの構築
(2)空き家を活用した地方移住、二地域居住等の促進
(3)伝統的な日本家屋としての古民家等の再生や他用途活用を促進
(4)介護、福祉、子育て支援施設、宿泊施設等の他用途への転換の促進
(5)定期借家制度、DIY型賃貸借等の多様な賃貸借の形態を活用した既存住宅の活用促進
(6)空き家の利活用や売却・賃貸に関する相談体制や、空き家の所有者等の情報の収集・開示方法の充実
(7)防災・衛生・景観等の生活環境に悪影響を及ぼす空き家について、空家等対策の推進に関する特別措置法などを活用した計画的な解体・撤去を促進

(成果指標)
・空家等対策計画を策定した市区町村数の全市区町村数に対する割合
 0割(平成26)→おおむね8割(平成37)
・賃貸・売却用等以外の「その他空き家」数
 318万戸(平成25)→ 400万戸程度におさえる(平成37)
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特別利害関係を有する理事が加わった理事会決議の効力(最高裁判決)

2016-01-22 20:42:34 | 法人制度
最高裁平成28年1月22日第2小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85620

【裁判要旨】
漁業協同組合の理事会の議決が,当該議決について特別の利害関係を有する理事が加わってされたものであっても,当該理事を除外してもなお議決の成立に必要な多数が存するときは,その効力は否定されるものではない

「漁業協同組合の理事会の議決が,当該議決について特別の利害関係を有する理事が加わってされたものであっても,当該理事を除外してもなお議決の成立に必要な多数が存するときは,その効力は否定されるものではないと解するのが相当である(最高裁昭和50年(オ)第326号同54年2月23日第二小法廷判決・民集33巻1号125頁参照)」


 ただし,基本的には,特別利害関係を有する理事は,議長を務めることができず,審議及び議決にも加わることができないという理解で実務対応をすべきである。

cf. 松井信憲「商業登記ハンドブック(第3版)」(商事法務)165頁以下
「論点体系 会社法3」(第一法規)219頁以下
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遺産分割協議と破産法による否認(東京高裁判決)

2016-01-20 09:52:33 | 民事訴訟等
東京高裁平成27年11月9日判決(金融・商事判例)
http://www.khk.co.jp/cont?id=5317

 亡父の共同相続人である長男甲と二男乙の遺産分割協議によって法定相続分を超える価額の遺産を取得した甲に対する乙の破産管財人の否認の請求が,「破産法第160条第3項所定の否認の対象となる無償行為に当たらない」として否定された事案である。

 生前の財産分けや,亡母の相続の際の遺産分割等を考慮した総合判断によって,ということである。
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出生届遅延に対する過料決定の取消し

2016-01-20 09:40:08 | 家事事件(成年後見等)
時事通信記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160119-00000123-jij-soci

 いわゆる無戸籍問題である。

 しかし,届出の遅延で,実際に過料に処せられることがあるんですね。
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成年後見人による議決権行使の問題点

2016-01-20 09:29:23 | 会社法(改正商法等)
吉田夏彦「成年後見人による議決権行使の問題点」by 国士舘大学
https://kiss.kokushikan.ac.jp/contents/0/data/003471/0000/registfile/0916_7420_027_01.pdf

 会社法前(2005年3月)のものであるが,希有の論稿である。

 ただし,議決権の行使が,法律行為(民法第859条第1項)であるのか,事実行為に過ぎないのか,という観点からの検討が欠けているように思われる。そういった意味では,次の記事もちょっと浅いですね。

cf. 平成20年8月19日付け「会社法と成年後見」

 未成年者が株主である場合の議決権の行使についても,同様の検討が必要。
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