司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

法務大臣閣議後記者会見の概要「法制審議会民法(成年後見等関係)部会第1回会議に関する質疑について」

2024-04-11 08:13:34 | 家事事件(成年後見等)
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年4月9日(火))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00502.html

〇 法制審議会民法(成年後見等関係)部会第1回会議に関する質疑について
【記者】
 成年後見制度について伺います。本日、成年後見制度に対する法制審議会の部会第1回目が開催されると思います。この成年後見制度について大臣が諮問した経緯というのを改めて教えてください。また、この制度の課題点ですとか今後の審議に期待することをお願いいたします。

【大臣】
 まず、高齢化の進展があります。これによって、成年後見制度に対するニーズの増加や多様化が見込まれます。これはひしひしと、周りの方々の様子を見ていても感じるものがあります。他方で、この成年後見制度については、判断能力が回復しない限り、制度の利用をなかなかやめることができないという問題点が指摘されています。こういった問題点を踏まえて、本人の尊厳にふさわしい生活の継続や、その権利利益の擁護等をより一層図る観点から、法制審議会に対して、制度の見直しについて、この2月、諮問を行いました。その1回目の会議が今日、開催されます。
 この法制審議会民法(成年後見等関係)部会において、調査審議が本日から開始されるわけでありますけれども、かなり幅広い論点が議論の対象になると思います。しかしスピード感を持って進めていただくことを期待したいというふうに思います。内容については、やはり諮問した立場でありますので、委員それぞれの方の、率直な御意見、御議論を期待したいと思います。

cf. 法制審議会-民法(成年後見等関係)部会
※ 未だオープンになっておらず。
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成年後見制度の見直し,法制審で議論がスタート

2024-04-09 22:20:15 | 家事事件(成年後見等)
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA086GP0Y4A400C2000000/

「法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は9日、成年後見制度の見直しの議論を開始した。日常の行動は本人が意思決定するのを前提に、後見人が支援をする範囲を事前に定める案などを議論する。2026年度までに民法などの関連法の改正を目指す。」

「現行の制度では判断能力が回復しない限り利用をやめることはできない。必要な期間のみ制度を利用できるようにする案や必要がなくなれば終了する仕組みについても話し合う。」(上掲記事)

 スポット後見人的な運用が可能となる。
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報酬を支払って得たものは”自由の制限” ??

2024-04-07 17:09:12 | 家事事件(成年後見等)
毎日放送記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/341fd8971a0980992fa770c5e5503f59bb37849f

 親族が本人の財産に寄りかかろうとすることを,成年後見人としては制限することになるが,それをもって,「自由の制限」であるとか,成年後見人を「悪人」のように表現するのは,いかがなものであろうか。

 一方当事者の言い分のみを取り上げるのみでは,公平な「報道」とはいえないと思うが。
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京都家庭裁判所「家事事件における戸籍謄本等の提出について」~コピーも可

2024-03-22 23:25:46 | 家事事件(成年後見等)
京都家裁
https://www.courts.go.jp/kyoto/saiban/katei/index.html

「家事事件に必要な戸籍謄本等(戸籍謄本、全部事項証明書、除籍謄本、改製原戸籍謄本、戸籍附票、住民票の写し、韓国籍の方の家族関係証明書等のことをいいます。)については、原本又は写し(コピー)のいずれを提出していただいても差し支えありません(ただし、人事訴訟事件では原本の提出が必要です。)。」

 現今のところ,このような運用が確認できたのは,京都,大阪,神戸,大津,奈良,和歌山及び高松の各家裁である。

【追記】
 名古屋家裁もOKらしい。

cf. 大阪家裁
https://www.courts.go.jp/osaka/saiban/annai/index.html


神戸家裁
https://www.courts.go.jp/kobe/vc-files/kobe/2024/060301_kosekikankeisyorui/01_kosekitouhonnoteisyutunituite.pdf
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成年後見の首長申立てが増えている

2024-03-05 17:29:10 | 家事事件(成年後見等)
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASS3135RTS2YUTFL00V.html?iref=pc_ss_date_article

「最高裁の資料によると、2022年は9229件と、2013年の5046件から1・8倍に増加。申し立て全体に占める割合も23・3%と、すでに子どもによる申し立て(20・8%)を上回っている。」(上掲記事)

 ん~,そんなに多いとは。
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代理人キャッシュカード

2024-02-17 21:59:25 | 家事事件(成年後見等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB067OK0W4A200C2000000/

「代理人カードは例えばより若い世代でも夫婦が共同で家計管理をする手段としても使えるが、高齢化に伴うリスクに備える利用が多いようだ。名義人が病気で入院したり介護施設に入居したりして外出が難しくなったときに代理人が生活費などを出金する。」(上掲記事)

 日本では,ジョイント・アカウント(共同名義の口座)が認められていないので,夫婦の場合にも,この仕組みが利用され得る。

 現代は,共働きのダブル・インカムが当たり前の時代であり,ジョイント・アカウントが認められてもよいと思われるのだが。
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戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律の規定は憲法違反

2023-10-12 16:12:16 | 家事事件(成年後見等)
NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231012/k10014223241000.html

 静岡家庭裁判所浜松支部は,戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律の規定は,憲法に違反して無効だとする判断を示した。

「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」第3条第1項第4号は,性別の取扱いの変更の審判の要件として,「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」を掲げている。

cf. 性別の取扱いの変更 by 裁判所
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_23/index.html
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成年後見実務の運用と諸問題

2023-10-05 18:09:47 | 家事事件(成年後見等)
二弁フロンティア バックナンバー
https://niben.jp/niben/books/frontier/backnumber/

 東京の三弁護士会では,毎年,合同研修会「成年後見実務の運用と諸問題」を開催しているようである。講師は,東京家裁の裁判官。

 講義録が上記「二弁フロンティア」に掲載されており,参考になる。
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令和4年度離婚に関する統計の概況

2023-10-05 13:25:11 | 家事事件(成年後見等)
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/index.html

「令和4年度離婚に関する統計の概況」が公表されている。

「令和4年度「離婚に関する統計」は、毎年公表している人口動態統計の令和2年までの結果をもとに、日本において発生した日本人の離婚の動向について時系列分析や新たに多面的な分析を行い、人口動態統計特殊報告として取りまとめたものである。」

 離婚件数は,2002年をピークに漸減傾向にある。2020年は,約19万3000件である。

 同居期間が20年以上の夫婦の離婚の割合は,漸増傾向にある。2020年は,21.5%である。

 レアケースだとは思うが,訴訟中に成立する「和解離婚」や「認諾離婚」もあるんですね。

 いろいろ興味深い。
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リーガルサポート「当法人の公益目的事業に未成年後見制度に関する事業が追加されたことに関する理事長声明」

2023-08-17 07:24:09 | 家事事件(成年後見等)
当法人の公益目的事業に未成年後見制度に関する事業が追加されたことに関する理事長声明
https://legal-support.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/08/chairman_-message_20230816.pdf

 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートの理事長声明である。
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「親の認知症、実家どう備える 子が売却できる方法は」

2023-08-14 09:12:25 | 家事事件(成年後見等)
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB075ZG0X00C23A8000000/

 このケースでは,いわゆる家族信託ではなく,「遺言+任意後見」の利用が選択されている。

「これらの手続きは、さほど難しいものではなく、遺言や任意後見に詳しい司法書士や弁護士に相談すれば対応してくれます。しかし、本当の問題は手続きそのものではなく、親にいかに理解してもらうかなのです。」(上掲記事)

「親にいかに理解してもらうか」,それが一番大事である。
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民法772条による嫡出の推定を受けない子に対する父子関係に基づく扶養義務の存否を確定することを要する場合に,裁判所が父子関係の存否を審理判断することは妨げられない

2023-08-08 20:59:03 | 家事事件(成年後見等)
最高裁令和5年5月17日第2小法廷決定
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92090

【判示事項】
婚姻費用分担審判において、夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否を審理判断することなく、夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断に違法があるとされた事例

【裁判要旨】
婚姻費用分担審判において、夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否は訴訟において最終的に判断されるべきものであることを理由に、上記父子関係の不存在を確認する旨の判決が確定するまで夫は扶養義務を免れないとして、上記父子関係の存否を審理判断することなく、夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断には、違法がある。

「夫は、婚姻後に妻が出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないもの(以下「推定を受けない嫡出子」という。)との間の父子関係について、嫡出否認の訴えによることなく、その存否を争うことができる。そして、訴訟において、財産上の紛争に関する先決問題として、上記父子関係の存否を確定することを要する場合、裁判所がこれを審理判断することは妨げられない(最高裁昭和50年(オ)第167号同年9月30日第三小法廷判決・裁判集民事116号115頁参照)。このことは、婚姻費用分担審判の手続において、夫婦が分担すべき婚姻費用に推定を受けない嫡出子の監護に要する費用が含まれるか否かを判断する前提として、推定を受けない嫡出子に対する夫の上記父子関係に基づく扶養義務の存否を確定することを要する場合であっても異なるものではなく、この場合に、裁判所が上記父子関係の存否を審理判断することは妨げられないと解される(最高裁昭和39年(ク)第114号同41年3月2日大法廷決定・民集20巻3号360頁参照)。」
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成年後見人の報酬算定,2025年4月から運用を改善へ

2023-08-07 12:10:08 | 家事事件(成年後見等)
福祉新聞記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/a38a016f757956d1a53d9a1e4510f124fdc58a3b

 最高裁は,

1.報告書式の変更
2.身上保護事務の評価
3.財産管理事務の評価
4.予測可能性の確保

の4点を中心に現実的にできることから運用を改善して行く方向性であるようだ。

 財産僅少次案における報酬の確保についても,問題点として取り上げられている。


cf. 成年後見制度利用促進専門家会議(第二期基本計画期間)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212875_00007.html
※ 資料5 最高裁配付資料
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家事調停に関するQ&A

2023-08-06 14:24:48 | 家事事件(成年後見等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB27B5W0X20C23A7000000/

 家事調停について,Q&A形式でまとめられてる。
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認知症基本法案,国会に上程へ

2023-06-07 21:18:30 | 家事事件(成年後見等)
自民党
https://www.jimin.jp/news/information/205984.html

 議員立法であるが,今国会で成立する見通しであるそうだ。

「この法律は、我が国における急速な高齢化の進展に伴い認知症である者(以下「認知症の人」という。)が増加している現状等に鑑み、認知症の予防等を推進しながら、認知症の人が尊厳を保持しつつ社会の一員として尊重される社会の実現を図るため、認知症に関する施策(以下「認知症施策」という。)に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、及び認知症施策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、認知症施策の基本となる事項を定めること等により、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする」

cf. 認知症基本法案
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g19805030.htm
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